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ダンジョン探検

第102話

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 さて。アルビノ君の身柄をどうするか実はまだ決めていない。
 ついでに言えば名前は不明、奴隷の両親から生まれた生まれついての奴隷、呼ばれる時はいつも「白いの」と呼ばれていたらしい。

 ろくに栄養を取っていないせいで骨と皮ばかりだけど幸い貞操は無事、この辺は女神様の加護が影響していた。
 なんでも両親が敬虔なヴィシュタル教の信者で、いつも一緒にお祈りしていたんだって。なるほど信者特典か…………女神様、仕事しよう、奴隷根絶しましょう。

 刀国にどうやって奴隷を連れて入ってきたのかも調査して、徹底的にぶっ潰しましょう!
 騎士様もレイアさんも奴隷制度とか嫌悪しているから、根絶できればポイント大きいですよーって言っても今いないんだよなぁ。
 イベントだっけ?
 前に年に二回しか休みないって喚いてたけど、騎士様が居る時は別らしい、ガンガン遊びに行ってるよね、ああ出版関係の打ち合わせもあるのかな。
 
 それにしても名前かぁ。困った。
 白ちゃんと雪ちゃんはすでにいる。
 春日さんの子はいのちゃんが定着したから置いといて、名前どうしよう。

 空青いなぁ、あの雲なんだか美味しそう、ソフトクリーム食べたいかも、っは、アイス君と、か……ないか、さすがに酷過ぎるネーミングだ。
 起き上がって庭に視線を向ければ、池のふちでシャムスとアー君がのんびりしている。

『たーまごーしゃんはーキーラキラー』
『くぁぁ、キーちゃん、おなか、かし、て……ぐぅ』

 シャムスがご機嫌に歌う横で、アー君がキーちゃんに手を伸ばしかけてそのままの体勢で寝落ちしてしまったようだ。すぐキーちゃんに回収されお腹の上にころりと転がされた。
 マシュー君は学校、アルビノの子はアカーシャと一緒に神薙さん用の携帯食を作っている。
 僕は縁側で皆を見守りつつ、画面で本日の夕食を悩み中、お昼はいいんだ、神薙さんはダンジョンに行ったから簡単なもので済ませる予定、問題は夕食、うーんバイキングでいいかなぁ。

『卵ちゃん、いー天気ねー』

 卵を揺らして返事をするのはまぁいい、何と言うかあの子、産まれても名前が『卵』になりそうだなぁと、思ったり思わなかったり。

『トラちゃんのお嫁しゃんまーだーかなー?』

 ぱしゃん

『綺麗な子だといーねー』

 思えば……何も全部食べなくても良かったんじゃないかな、狩るだけ狩って食卓に提供して欲しかったなーなーんて。

「樹ーー」
「騎士様、タイガ、お帰りなさい」
「母よ喜べ、大物だ」

 う、うーん、大物は嬉しいけど、この二人の張り切りっぷりだと大き過ぎる可能性があるね。

「どうよ!」

 騎士様の魚、全長3m、残念、池に入らない!

「我はこれだ!」

 はい無理!
 出そうとしている魚の目がタイガの頭より大きい時点で無理!
 丸焼きにして神薙さんの夕食に決定!

 この二人……絶対に途中から目的忘れたな。
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