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ダンジョン探検

第100話

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 うふふ

 イネスを腕に抱き、月に照らされた庭を歩くラーシャ。

「イネス、今日は良い月夜だね」
「はいです」
「君と同じ金色の輝きがとても眩しいね」
「えへへー」

 ラーシャの発言がおかしい?
 うん、タイガに組み敷かれた衝撃で王子ラーシャ再びです。

「イネス」
「はい」

 王子バージョンに一目惚れしただけあり、イネスは上機嫌でその腕に抱かれている。

「愛してるよ」
「僕もラーシャが一等好き」

 でもねイネス、その王子バージョンのラーシャってイネス以外には不評なんだよ、僕も鳥肌が治らないので早く元に戻って欲しい。

「主様、あれは気持ち悪いですって」
「でも仲直りできたでしょう」
「いや、でも、いやぁ」

 日本酒を煽りながらも寒い寒いと女神様が愚痴っている。
 神薙さんなんて「うわ」と一言呟いてさっさと部屋に戻ってしまった。

「この神炎を映す瞳も」

 ちゅっと、ラーシャがイネスの瞼にキスを落とした。

「雪原のような銀色の爪も」

 小さな手を持ち上げ、今度は爪先に。

「尾に宿る炎も、君に宿る全てが愛しい」
「きゃーー」

 誰だろ、あれ。

 いや、ラーシャだけどね。
 イネスが幸せならいいけど、周りへの精神被害が半端ないです。

 前回は獅皇さんの殺気に当てられて戻ったけど、今回は戻る……のかなぁ?
 
「僕、そろそろ寝ますね」
「イツキちゃん、寝る前にビールお代わり」
「ドリアンがスタンバイ済みです」
「ひゃっほぅ」

 女神様元気だなぁ、あと基本ザルだよねこの人、白い空間でもいつも一升瓶抱えてラッパ飲みしてるし。

「鶏の軟骨唐揚げ!」
「ドリアン、後お願い」

 聞いていたらキリがない、僕は寝ます!

 いやぁイネスがラーシャと仲直り出来て良かった良かった!
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