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ダンジョン探検
第86話
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ドリちゃんと一緒に選んで本当に良かったと思う。
僕……お茶とお菓子しか気にしてなかった。お昼とか皆で焼肉とかすき焼きいいなーとか思ってたんだ。
ドリちゃんは良妻、いや聖母。
一言で言うとすげぇ。
正面玄関には僕の背より高い花を生け……これ、リュー君の花じゃなかろうか、綺麗だけど。
「本日はご招待ありがとうございます」
「母様来たよー」
「母様のお昼久々だね」
まず到着したのがおじいちゃんと双子。
言われてみれば確かに最近双子はお昼も戻らなくなってきた。教育が大変なのもあるけれど、王城の環境に慣れて来たのと、食事のマナー教育も始まったかららしい。
双子が一刻も早く城に慣れるようにと、食事も我が家の味に寄せたり色々工夫しているようだ。
国王様はいつものおじいちゃんスタイルではなく、国王としての正装、双子も王太子の正装。
あれ?
「何やら良き物があると伺い、参りましたぞ」
おじいちゃんの後ろから来たドンは真紅のロングコート、その下は軍服に似た正装。
あれぇ?
あの、僕……今日の衣装、猫耳ポンチョ【白】なのですが。
ちょっとドリアーーーン!
着替えてもいいかなぁぁぁぁ。
「イツキー」
「いらっしゃいませ、白ちゃんも!」
「イツキィ!」
ドンの肩からひょこっと顔を出したのは白ちゃんだった。
『白たん!』
「シャムスー」
『蛇?』
『白ちゃんよ、神薙しゃまの御子なの』
『ほほぅ』
お嫁さんは?と聞いたら今日はお留守番、その代わり白ちゃんの夕食を一日かけて作る予定だとか、つまり夕食には帰って来てねって事か。
賓客を持て成すのはいつもの宴会場。
ではなく、貴賓室。
一目で高級品と分かる調度品と磨き上げられた机、座ると優しく体を受け止めるソファは、和風をベースとして華美になりすぎない上品な部屋に良く合っている。
こんな部屋あったのかって?
あるわけない、管理権限使用を許可されたドリちゃんが作ったんだ。
部屋にはすでに神薙さんがいて、桜の花びらが舞う着物を着ていた。
「ごはん」と呟きながらそわそわする神薙さんにすごくホッとしました。
おじいちゃん達が席に着くと同時にドリアンらが食事を運んできた、マナーや手順よりも邪神様のご機嫌が最優先です。
ドリちゃんの気合の入れようが本気だ。
九つに区分けされた木製の手製お弁当箱、中央に茶碗蒸し、周りのマスには天ぷらや煮物、お刺身などが彩りよく並べられている。
長方形の白い上品なお皿にはお寿司、お吸い物、小さな椀には蕎麦まであった。
どこの料亭だ、そしてどこから来たんだこの知識。
『ふわぁぁぁ』
『食べていいのか、私達のじゃない!? そんな、ドリちゃん!!』
「コチラデス」
シャムスとアー君は同じ室内にある座敷へ運ばれた。
そっちにはお子様用の和膳が用意されてるんだ、白ちゃんと神薙さんが同じ席だと机の上が大変な事になるから分けた事情もある。
後から騎士様と春日さんもやってきた。大人は大人で御歓談ください、僕は白ちゃんのお世話をしなきゃならんのです、じゃないとシャムスとアー君のご飯にも手を出すからねこの子は。
アカーシャは食後のデザートの準備中、ここまで気合が入っていると何が出て来るか楽しみだね。
僕……お茶とお菓子しか気にしてなかった。お昼とか皆で焼肉とかすき焼きいいなーとか思ってたんだ。
ドリちゃんは良妻、いや聖母。
一言で言うとすげぇ。
正面玄関には僕の背より高い花を生け……これ、リュー君の花じゃなかろうか、綺麗だけど。
「本日はご招待ありがとうございます」
「母様来たよー」
「母様のお昼久々だね」
まず到着したのがおじいちゃんと双子。
言われてみれば確かに最近双子はお昼も戻らなくなってきた。教育が大変なのもあるけれど、王城の環境に慣れて来たのと、食事のマナー教育も始まったかららしい。
双子が一刻も早く城に慣れるようにと、食事も我が家の味に寄せたり色々工夫しているようだ。
国王様はいつものおじいちゃんスタイルではなく、国王としての正装、双子も王太子の正装。
あれ?
「何やら良き物があると伺い、参りましたぞ」
おじいちゃんの後ろから来たドンは真紅のロングコート、その下は軍服に似た正装。
あれぇ?
あの、僕……今日の衣装、猫耳ポンチョ【白】なのですが。
ちょっとドリアーーーン!
着替えてもいいかなぁぁぁぁ。
「イツキー」
「いらっしゃいませ、白ちゃんも!」
「イツキィ!」
ドンの肩からひょこっと顔を出したのは白ちゃんだった。
『白たん!』
「シャムスー」
『蛇?』
『白ちゃんよ、神薙しゃまの御子なの』
『ほほぅ』
お嫁さんは?と聞いたら今日はお留守番、その代わり白ちゃんの夕食を一日かけて作る予定だとか、つまり夕食には帰って来てねって事か。
賓客を持て成すのはいつもの宴会場。
ではなく、貴賓室。
一目で高級品と分かる調度品と磨き上げられた机、座ると優しく体を受け止めるソファは、和風をベースとして華美になりすぎない上品な部屋に良く合っている。
こんな部屋あったのかって?
あるわけない、管理権限使用を許可されたドリちゃんが作ったんだ。
部屋にはすでに神薙さんがいて、桜の花びらが舞う着物を着ていた。
「ごはん」と呟きながらそわそわする神薙さんにすごくホッとしました。
おじいちゃん達が席に着くと同時にドリアンらが食事を運んできた、マナーや手順よりも邪神様のご機嫌が最優先です。
ドリちゃんの気合の入れようが本気だ。
九つに区分けされた木製の手製お弁当箱、中央に茶碗蒸し、周りのマスには天ぷらや煮物、お刺身などが彩りよく並べられている。
長方形の白い上品なお皿にはお寿司、お吸い物、小さな椀には蕎麦まであった。
どこの料亭だ、そしてどこから来たんだこの知識。
『ふわぁぁぁ』
『食べていいのか、私達のじゃない!? そんな、ドリちゃん!!』
「コチラデス」
シャムスとアー君は同じ室内にある座敷へ運ばれた。
そっちにはお子様用の和膳が用意されてるんだ、白ちゃんと神薙さんが同じ席だと机の上が大変な事になるから分けた事情もある。
後から騎士様と春日さんもやってきた。大人は大人で御歓談ください、僕は白ちゃんのお世話をしなきゃならんのです、じゃないとシャムスとアー君のご飯にも手を出すからねこの子は。
アカーシャは食後のデザートの準備中、ここまで気合が入っていると何が出て来るか楽しみだね。
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