神様のポイント稼ぎに利用された２

優しい人生を

第20話

　妊娠駄目絶対

　心なしかドリちゃんがしんなりして見える。
　ドリアンも数体使い物にならなくなった。

　僕も瀕死になりかけたけど、お腹の子が助けてくれたように思う。

　神薙さん、死ぬほど食べたなぁ。
　一食でこれかぁ、これを三食かぁ、ちょっと無理ぃ。
　食材調達もそうだけど、加工や調理辛かった。

「イツキ、大丈夫か、タイガから聞いて肉狩ってきたぞ」
「刀雲……ありがとう、もう夕食の分なくて」

　作る体力もないけどどうしよう。

「夕食は野営形式でワイルドにいこう、タイガが張り切っていた」
「うん、ありがと」

　頭のそういう所本当に大好き。

「かあさま、お水ですよ」
「アカーシャ」

　手にコップを持たせてくれるアカーシャが光り輝いて見える。
　良い家族に恵まれて僕幸せ。

「あの神社は神薙様を鎮める事に建てられたもの、民の祈りを増幅させる結界が張ってあると前に聞きました。神薙様には昼間本殿で過ごしてもらって、奉納品を中心に食べて貰いましょう」

　知ってたけどアカーシャ僕より賢い。

「まま、スタンピードおこしましょ」
「……え？」
「魔物いっぱいでかんなぎ様におどりぐいしてもらいましょう」

　イネスちゃんの発言が過激。
　でもあれって起こせるものなの？

「ちょっと前にレイア様がタイガの魔素使ってまものたいりょう発生させました、同じことをすればいいと思います」

　そう言えばそんな遊びしてたね。

「僕らの遊び場なら結界内で安心です」

　うちの子達ったら賢くて可愛くて優しいなんて尊い。

　戻った騎士様にアカーシャとイネスの提案を伝えてみた。

「二人は賢いなぁ」

　慈愛の瞳で二人を撫でた後、イネスの案を実行するために騎士様がまた席を外した。