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優しい人生を

第10話

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 お約束として夢を見た。
 うん、お腹に子がいるとほぼ必ず見るんだよね、皆自己主張が激しいったら。

 目の前にいる子?は騎士様に負けず劣らずキラキラしている。
 いやー眩しい眩しい。
 醸し出すエロ度では騎士様の圧勝だけどね!

 うんうんと頷いていると目の前の子……いや、子供じゃないか、青年より上っぽいしかといってギレンほど年齢高そうには見えない、さすが夢の中だけあって曖昧だ。

「……俺はとても酷い事をしたんだ」
「騎士様の周りの人って皆さん大体酷いですよ? 中身は聞いてないけど魔王様も何かを悔やんでこれは償いだと自己暗示のように言っている時があります」

 返答を間違っただろうか、なんか微妙な顔をされた。

「罪もたくさん犯した」
「周防さんも裏切って粛清されたけど、今は僕の孫やってます。ギレンもお仕事さぼったけど嫁を取り上げるだけで済みましたし、そのお嫁が僕の子供でアカーシャって言うんですけど可愛いんです、賢いし、優しくて、エロくて女神様のお気に入りなんですよ」

 黙った方がいいのかな、どんどん表情が生温くなっているような。
 でもアカーシャが可愛いのは本当、子供は全員可愛いけどポイントが違うんだよ!

「でも騎士様だし、きっと貴方を許したんでしょう?」
「ああ」
「じゃぁいいんじゃないですか? 正直な話、転生するならもう少し世界選べよって感じもしますけど……少なくとも不幸にはならないと思います」

 ただちょっと、どこまでもエロい展開が追いかけて来るだけで。

 僕も転生した口ですが、強制ですから。
 腐女神様に選ばれちゃって、期待通りエロい人生歩んでいます。

 でもね本当、転生先は選べるなら選んだ方がいいと思う、わざわざこんな隙あらばエロを絡める世界に転生しなくてもいいと思うんだよ。
 僕は、まぁ、周りにもふもふが溢れていれば文句は……少し減る。

「お嫁さんは誰がいいですか? 双子はまだ決まった相手いないです、タイガはハーレム持ちで、シャムスは赤ちゃんだから却下かなぁ、もふもふズという手もあるか、でも女神様が神託で双子攻めを超押ししてました」
「……何の話を」
「結婚の相手」
「え?」
「そう言う、世界ですよ、ここ」
「…………」

 遠い目をして動きが止まった。

 気持ちは分からなくもない。

「し、しかし生まれてすぐはありえないだろう?」
「タイガは生まれた瞬間に成人して父親を連れて寝室に連れ込んで嫁にしました!」

 あ、沈んだ。

 でも逃亡は無理だと思います、騎士様がいそいそと魔力を注いでいるからね、獅皇さんともしたから血が混ざった可能性もあるかなー?

 ケモミミほぼ確定ですよ。
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