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特別編 雨に打たれた鳥たちは光を目指す
12.
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下田が下町のような場所を歩き、廃校になったある高校の前で足を止める。
「もう……ここも使われていないんだな……」
下田がそう呟きながら、廃校のなった高校のグラウンドを柵越しに眺める。
しばらくそのグラウンドを眺めると、また歩き出した。
――――ピンポーン……。
あるアパートの一室のインターフォンを透が鳴らす。
――――ピンポーン……。
応答がないのでもう一度インターフォンを鳴らす。
「……出ませんね」
奏がそう口を開く。
「……お~い!連れてきたぜ!」
そこへ、紅蓮がアパートの管理人を連れて部屋の前にやってくる。そして、管理人に部屋を開けてもらいその部屋に入る。
「……割ときれいに整頓されていますね」
奏が部屋に入ってそう声を発する。
「あぁ……。まさかとは思うがな……」
槙が何かを感じ取ったのかそう声を発する。
「とりあえず、手掛かりになりそうなものを探してみよう」
透の言葉にみんなで下田が何処に行ったのかが分かるものを捜索する。
「……あれ?」
奏の目に机に開いたままになっているノートが目に入る。
「香菜?」
そのノートに書かれている名前を見て奏が声を出す。
「どうした?」
透が奏の傍にやってくる。
「このノートに『香菜、会いに行くよ』って書いてあるんです。もしかして、下田さんは香菜さんに会いに行ったんじゃないでしょうか?」
奏がそう推測する。
「槙!香菜って人を知っているか?!」
別の場所で部屋を捜索している槙に透が声を出す。
「香菜?……あぁ……確か磯口の彼女だった人の名前だ」
「だった?」
別の場所にいた紅蓮もその場にやって来て槙の言葉に疑問を感じたのかその言葉を繰り返す。
「あぁ。例の原発事故で亡くなっている」
「「「!!」」」
槙の言葉に奏たちの顔が驚愕する。
「じゃあ、その下田と言うか磯口と言うかそいつが犯人の可能性は十分高いというわけだな……」
紅蓮が苦々しい顔をしながらそう言葉を綴る。
「……という事はこのノートの意味はお墓参りか何かでしょうか?」
奏がノートを見ながらそう言葉を発する。
「その可能性は高いな……。よし!一旦戻って冴子さんに報告だ!」
透がそう言葉を発すると、奏たちは署に戻るために車に乗り込み、その場を去って行った。
「……どうやって忍び込むかだな」
男がコーヒーを啜りながらそう呟く。
例のターゲットが入っていったホテルの近くに喫茶店を見つけて、そこに入ると男はターゲットとどう接触するかを考えていた。
ターゲットの泊っているホテルはセキュリティ対策も万全そうだし、ターゲット自身がそれなりの地位の人なのでガードも堅いだろう。
ただホテルに忍び込んでも、不法侵入者として通報される恐れがある。
(……とりあえず、何か方法を取ってみないとな)
男が心で呟く。
そして、ポケットから一枚の写真を取り出す。
(絶対に仇は取ってやるからな……)
そう心で呟き、その写真をポケットにしまうと男はその喫茶店を出て行った。
「……なんですって?!笹原と同じチームの人が犯人?!」
冴子が奏たちの報告を聞いて驚いたように声を出す。
「まだ可能性の段階ですが、動機はあります」
「動機?」
透の言葉に冴子がその言葉を繰り返す。
そして、下田が元々槙と同級生だったことや部屋のノートに書かれてあったことを話していく。
「……成程ね。確かに動機はあるわね。そして、その場所に行った可能性もある……か……」
冴子が話を聞いてそう言葉を綴る。
「でもどうしますか?その場所まではかなり距離がありますよ?」
紅蓮がそう口を開く。
確かにこの場所からそこへ行こうとするとかなりの時間を要する。もし、ある推測が本当だとすればのんびりとしていられない。
「……そうだわ、あれを使いましょう……」
冴子がそう言って不気味な笑みを浮かべた。
「もう……ここも使われていないんだな……」
下田がそう呟きながら、廃校のなった高校のグラウンドを柵越しに眺める。
しばらくそのグラウンドを眺めると、また歩き出した。
――――ピンポーン……。
あるアパートの一室のインターフォンを透が鳴らす。
――――ピンポーン……。
応答がないのでもう一度インターフォンを鳴らす。
「……出ませんね」
奏がそう口を開く。
「……お~い!連れてきたぜ!」
そこへ、紅蓮がアパートの管理人を連れて部屋の前にやってくる。そして、管理人に部屋を開けてもらいその部屋に入る。
「……割ときれいに整頓されていますね」
奏が部屋に入ってそう声を発する。
「あぁ……。まさかとは思うがな……」
槙が何かを感じ取ったのかそう声を発する。
「とりあえず、手掛かりになりそうなものを探してみよう」
透の言葉にみんなで下田が何処に行ったのかが分かるものを捜索する。
「……あれ?」
奏の目に机に開いたままになっているノートが目に入る。
「香菜?」
そのノートに書かれている名前を見て奏が声を出す。
「どうした?」
透が奏の傍にやってくる。
「このノートに『香菜、会いに行くよ』って書いてあるんです。もしかして、下田さんは香菜さんに会いに行ったんじゃないでしょうか?」
奏がそう推測する。
「槙!香菜って人を知っているか?!」
別の場所で部屋を捜索している槙に透が声を出す。
「香菜?……あぁ……確か磯口の彼女だった人の名前だ」
「だった?」
別の場所にいた紅蓮もその場にやって来て槙の言葉に疑問を感じたのかその言葉を繰り返す。
「あぁ。例の原発事故で亡くなっている」
「「「!!」」」
槙の言葉に奏たちの顔が驚愕する。
「じゃあ、その下田と言うか磯口と言うかそいつが犯人の可能性は十分高いというわけだな……」
紅蓮が苦々しい顔をしながらそう言葉を綴る。
「……という事はこのノートの意味はお墓参りか何かでしょうか?」
奏がノートを見ながらそう言葉を発する。
「その可能性は高いな……。よし!一旦戻って冴子さんに報告だ!」
透がそう言葉を発すると、奏たちは署に戻るために車に乗り込み、その場を去って行った。
「……どうやって忍び込むかだな」
男がコーヒーを啜りながらそう呟く。
例のターゲットが入っていったホテルの近くに喫茶店を見つけて、そこに入ると男はターゲットとどう接触するかを考えていた。
ターゲットの泊っているホテルはセキュリティ対策も万全そうだし、ターゲット自身がそれなりの地位の人なのでガードも堅いだろう。
ただホテルに忍び込んでも、不法侵入者として通報される恐れがある。
(……とりあえず、何か方法を取ってみないとな)
男が心で呟く。
そして、ポケットから一枚の写真を取り出す。
(絶対に仇は取ってやるからな……)
そう心で呟き、その写真をポケットにしまうと男はその喫茶店を出て行った。
「……なんですって?!笹原と同じチームの人が犯人?!」
冴子が奏たちの報告を聞いて驚いたように声を出す。
「まだ可能性の段階ですが、動機はあります」
「動機?」
透の言葉に冴子がその言葉を繰り返す。
そして、下田が元々槙と同級生だったことや部屋のノートに書かれてあったことを話していく。
「……成程ね。確かに動機はあるわね。そして、その場所に行った可能性もある……か……」
冴子が話を聞いてそう言葉を綴る。
「でもどうしますか?その場所まではかなり距離がありますよ?」
紅蓮がそう口を開く。
確かにこの場所からそこへ行こうとするとかなりの時間を要する。もし、ある推測が本当だとすればのんびりとしていられない。
「……そうだわ、あれを使いましょう……」
冴子がそう言って不気味な笑みを浮かべた。
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