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しおりを挟むまだ半分くらいしか入っていないのに、既にお腹はいっぱいだ。先端の部分がこれまで指では届かなかった奥の方まで進み、玩具を持つ手が震えた。
「んんっ♡ ぁ、あぁんっ♡ これ、抜くの……すごいっ♡ 奥もぐりぐり……届いちゃうぅ~♡」
一度抽送を始めてしまったらもうダメだった。ぶぽぽぽっと下品な音を立てて引き抜くと、今まで感じたことの無いような甘い痺れが全身を包む。それが気持ち良くて、心地良くて、頭がふわふわしてしまった僕は、夢中でアナルパールの出し入れを繰り返す。
じゅぽっぐちゅ…じゅぽっ、じゅぽぽっ
「ン、だめ、だめ……っ♡ も、イっちゃう、イクイク……っ♡ イクっ、ああぁんっ♡♡」
昂まる射精感のままに、勢いよく奥まで入れたアナルパールを引き抜けば、びくびくっ!と全身が痙攣し、気付いたらペニスから白濁を漏らしていた。
「……すっごい……♡ すぐイっちゃった……後ろしか、触ってないのに……♡」
はぁ、はぁ…と荒い息を吐きながら、僕は半ば放心したままに、潤滑油で濡れ光るピンクの玩具を見つめた。棒状のままでもこんなに気持ちがいいのに、これがお尻の中で電動で動くだなんて。一体僕はどうなってしまうんだろうか。
これまで自分の意思とは関係なく、勝手に動く何かを後孔に入れたことはなかった。少しばかりの恐怖心もあったが、それ以上に「やってみたい」と思う興奮の方が勝っていた。
ごくり、と生唾を飲み込んで、再びアナルパールを後孔へ挿入しようとしたその時。
――― ガタタタ….ッ
「っ!」
カーテンによって閉ざされた、バルコニーの方から大きな物音がした。
(な、なんの音……?)
あまりにも近くで響いた大きな音。何かが崩れたような、そんな音にも聞こえたが、一体なんだったのだろうか。
僕は手早く身なりを整えると、ドキドキしている心臓を落ち着けるように小さく深呼吸をしてから、窓を開けて外に出てみる。
「……誰か、いるんですか……?」
バルコニーに出て、周りを確認しても怪しい人影は見当たらなかった。が、一つ見つけたのは近くにあった空の木箱。
花の苗か何かを入れていた物なのだろうか。恐らく整然と積み重ねていたのであろうそれが、今は地面へ乱雑に散らばっており、これが何かの拍子で崩れて音を立てたことが予想できた。
(野良猫でもいたのかなぁ?)
猫が飛び乗った拍子に落ちてしまったのかもしれない。そう思うことにして部屋へと戻る僕。
一度イってスッキリもしたことだし、なんだかもう一度アナニーをする気にはならなかった。
先ほどまで使っていたアナルパールを綺麗に拭いて清めると、大事にサイドチェストの奥へと隠し、ヌルつく後孔を洗い流すためにシャワールームへと向かうのだった。
◇◇◇
――― 翌日。
今日は僕が一番楽しみにしている授業がある日。そう、担任のクレイグ先生による化学の授業だ。
クレイグ先生は堅物だと評判で、生徒からの人気はあまり無いのだが、僕としてはそれが信じられなかった。
理知的な瞳に、きゅっと引き結ばれた薄い唇。化学の公式をすらすらと紡ぐ声は低くてセクシーだし、鋭い視線で怖いと思われがちだが、その実、生徒思いのとても優しい良い先生なのだ。何よりとにかく顔が良い。
僕はクレイグ先生の授業には、誰よりも早く向かって一番最前列の席を確保する。そして、熱心に授業を聞いた後、毎回誰もいなくなるまで教室に残って、先生に質問をしたりを繰り返していたんだよね。そしたらはじめは義務的な応対しかしてくれなかった先生が、授業中に目が合うと少しだけ表情を優しくしたり、授業後の質問タイムでちょっとした雑談をするようになったんだ。
「グレンジャー。悪いが少し手伝ってくれないか?」
そんな中でも今日は珍しく、授業が終わってすぐに先生の方から声をかけられた。こんなことは今まで一度もなくて、僕は少しだけ驚いてしまったけど、すぐに「はい、喜んで♡」と即答して、一も二もなく先生の後について化学準備室へと向かった。
次の授業に使う資料を準備するにあたって、どうしても人手が必要な箇所があったみたいだ。そういう困った時に、他の誰でもない僕に声をかけてくれたってことは、先生の中でも少しは僕が特別な存在になっているって思っても良いよね?
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