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危険な花

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「今学期始まって2ヵ月以上たったけど特に何もないし、もう諦めたのかもしれないわね。」

セドリックが狙われるかもしれないからずっと側にいるけど、特に何もない。

「私は諦めていないと思うわ。きっとリズをとても警戒してるだけよ。」
「私は毒草オタクだし、簡単に気付かれないように犯人も考えてるわよね。」
「オタクだからというよりも、リズが強いからなんじゃない?前は寝癖もすごかったし。」
「リリー…貴女なかなか言うようになってきたわね。」

グリーの事があってから暫くの間はリリーと一緒にお昼をと思っていたんだけど、話が少し合う所もあって私達は仲よくなった。

「そうそう、この前教えて貰ったお花、お母様にプレゼントしたら喜んでもらえたわ。」
「よかった!あのお花は『感謝』『大切な人』という花言葉もあるし、贈るのにはピッタリなの!」

リリーと話が合うのは、植物について。
私は毒草や毒花ばかり見ていたから『綺麗』という概念が若干欠落している。その点彼女は私と正反対、それが楽しい。

「セドリック、あまり機嫌がよくないけど、どうしたんだい?」
「俺はいつもこういう感じです。」
「そうかな?」

今日はロビン様もお昼を一緒に食べてるんだけど、最近ご機嫌なのよね。私がルーシー様とスタンをセドリックから遠ざけたから。
『何故もっとスタンをこらしめないの?』っと、わざわざ言いに来るくらいよ。
フリナの事で手一杯だし放置してたんだけど、ロビン様的には完璧に縁をきるところまでやって欲しかったみたい。自分の手は汚さない、さすが腹黒だわ…。

「そうそう、少し危険な事が起こる時が来たかもしれないよ。」
「危険な時?」
「リズは知らないの?今度、パーティーがあるのよ。結構大きいみたいだし、セドリック様も出席なさるでしょう?」
「ああ。強制的にな。」

聞いてないわよ…。パーティーだなんて。

「私は護衛の服を着ておきますね。」
「エリザベスはセスと一緒に出席だよ。」
「今回はリリーをエスコートして、私が2人を護衛する方がいいかと思います。」
「それは駄目だね。リリーは今回は俺と行く事になってる。」
「何を言ってるんですかっ!?リリーは婚約者候補ですよ!!」
「だからといってセス以外にエスコートされる事は禁止されてないよ。」

この男……

「リリー、本当なの?」
「ふふ、本当よ。」
「色々あって少し腫れ物扱いされているけど、彼女は婚約者候補になるくらいの子だよ。俺が一緒にいても不思議はない。」

もしかして、今日来たのはこの為なの?セドリックは『誰でもいい』と言うに決まってる。だから自分が先にリリーを誘った。まさに先手を打たれたのよ。
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