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疑惑
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けど、それだけで何故グリーが出てくるのかしら…。
「グリーは少し前に『何をしても俺は大丈夫だ。』というような事を言っていたらしい。さすがに俺の前では言わないが、リリーが俺にそれを言ってきた。自慢のつもりだったんだろう。」
「それって、無罪に出来る者と結びつきがある…としか聞こえないわね。」
「あくまでも可能性だ。ただグリーはリズがパーティーに出席するのを知っていた1人だ。俺が何処に迎えに行くかも予想はつくはずだ。ルーシーを迎えに行った事が何度かあるからな。」
え?
「…ルーシー様を?スタンがいるのにですか?だったら婚約は2人で決定ですよね…。」
「いない時だ。」
「ルーシー様と婚約したいならそう言えばいいのに…」
「違うと言ってるだろ。」
「…セドリック様はルーシー様が婚約者に相応しいと思っていると、お父様とロビン様に私から伝えておきますね。」
「……」
『誰でもいい』って嘘をついて私を選ぶなんて、馬鹿にしすぎでしょ!
何だかよくわからないけどムカつくわ。
「この話は後だ。話をもどす。」
「…そうね。」
「事件の捜査が進んでないのは、内通者が誰なのか目星をつけていても、確信がなければ突っ込めない相手なんだろう。間違えれば大変な事になるし、正解なら更に。」
「たしかにそうね。スパイがいると知られて、それが警察上層部なんて事になれば、警察は信頼を失うし、軍も…貴方のお父様もとばっちりはあるでしょうね。」
「父上と長官と総帥と、俺達の5人で話をしていた時、俺とリズの様子を見るのが目的だったんじゃないかと思う。」
「解ってたのね…。」
「解らないわけがない。事件の話なら俺はあの場にいらないんだから。けど、呼び出された。他にもそうしないといけない理由があったのかもしれない。『俺にしか言ってない事があるんじゃないか』…と。」
「何故そんな風に思うの?」
「リズが最初に言ったのが俺だからだ。『組織だ』『みせしめにされる』と。事件当日、リズの所へ行ってハンカチを巻いたのも俺だ。」
「何も知らなくてガッカリしたでしょうね。」
「だろうな。」
「あ…」
「どうした?」
お茶いれてくるって言って出てきたんだったわ!!
「有力な情報ありがとうございました。では、後は私は1人でやりますので王太子様は邸にお帰りください!」
私は呼び止められる前に、急いで部屋をでた。
「お待たせしました!すみません!ここのお茶はどうやっていれるのか解らなくて、結局何もできずに帰ってきてしまいました…。」
「気にしないで下さい。そうなるだろうと思ってましたから。」
「ははは、すみません。」
お茶くらいいれられるわよ。貴方達より上手くね。
それから1時間ほどで本日のお仕事は終了。
「お疲れ様でした。また明日よろしくおねがいします。」
「ああ、お疲れ様。」
「おつかれさん。」
2人はまだまだ帰る様子はないわね。私はすぐそばの空き部屋で5分ほど過ごした。
私が帰った後、倉庫の2人は何を話しているかしら。私の予想通りであれば、明日からこの倉庫にいる時間を減らさないと。時間は無駄に出来ないもの。
気がつかれないようにさっきまでいた部屋に入ると、案の定私の話をしている。
「ミリオン侯爵令嬢が一体何をしに来たんだか。」
「わからないわよ。けど、ここに詰め込んどけって言われてるんだし1週間ほど我慢よ。我が儘令嬢の護衛も楽じゃないわね。」
やっぱりね。
私がここで働くのを簡単に許して、さらに護衛をつけないのを承諾するわけがないもの。それに、この倉庫へは誰にも気がつかれないようには来れない。この辺りの窓には鉄格子がかかってて、勝手な行動はできない状況よ。
冗談じゃないわ。これじゃ来た意味がないじゃない。
私は何も知らない、我が儘で傲慢な侯爵令嬢。それを演じるわ。あの護衛も、1日で見抜かれるようなレベルをつけているようじゃ、私は拐かされるわよ。今だって見送りにも来ていないわ。
上層部に犯人がいたとするなら、私の事を見に来るのを誰も不思議に思わないのにね。
さて、ここからが私の手腕が問われるところだわ。
犯人が殺されたのだから、次に重要な人間は私。そして手がかりになりそうな証拠物品は馬車とナイフ。これは何処にあるのかしら。それを見せてもらいたいわ。
「どなたか誘拐事件を担当している方はいるかしら?直接お話ししたい事があります。事件について重要な…。おそらく、今までのどのお話よりも捜査が進展するわ。」
倉庫から出て、1番最初に通る部署で私は言った。
「グリーは少し前に『何をしても俺は大丈夫だ。』というような事を言っていたらしい。さすがに俺の前では言わないが、リリーが俺にそれを言ってきた。自慢のつもりだったんだろう。」
「それって、無罪に出来る者と結びつきがある…としか聞こえないわね。」
「あくまでも可能性だ。ただグリーはリズがパーティーに出席するのを知っていた1人だ。俺が何処に迎えに行くかも予想はつくはずだ。ルーシーを迎えに行った事が何度かあるからな。」
え?
「…ルーシー様を?スタンがいるのにですか?だったら婚約は2人で決定ですよね…。」
「いない時だ。」
「ルーシー様と婚約したいならそう言えばいいのに…」
「違うと言ってるだろ。」
「…セドリック様はルーシー様が婚約者に相応しいと思っていると、お父様とロビン様に私から伝えておきますね。」
「……」
『誰でもいい』って嘘をついて私を選ぶなんて、馬鹿にしすぎでしょ!
何だかよくわからないけどムカつくわ。
「この話は後だ。話をもどす。」
「…そうね。」
「事件の捜査が進んでないのは、内通者が誰なのか目星をつけていても、確信がなければ突っ込めない相手なんだろう。間違えれば大変な事になるし、正解なら更に。」
「たしかにそうね。スパイがいると知られて、それが警察上層部なんて事になれば、警察は信頼を失うし、軍も…貴方のお父様もとばっちりはあるでしょうね。」
「父上と長官と総帥と、俺達の5人で話をしていた時、俺とリズの様子を見るのが目的だったんじゃないかと思う。」
「解ってたのね…。」
「解らないわけがない。事件の話なら俺はあの場にいらないんだから。けど、呼び出された。他にもそうしないといけない理由があったのかもしれない。『俺にしか言ってない事があるんじゃないか』…と。」
「何故そんな風に思うの?」
「リズが最初に言ったのが俺だからだ。『組織だ』『みせしめにされる』と。事件当日、リズの所へ行ってハンカチを巻いたのも俺だ。」
「何も知らなくてガッカリしたでしょうね。」
「だろうな。」
「あ…」
「どうした?」
お茶いれてくるって言って出てきたんだったわ!!
「有力な情報ありがとうございました。では、後は私は1人でやりますので王太子様は邸にお帰りください!」
私は呼び止められる前に、急いで部屋をでた。
「お待たせしました!すみません!ここのお茶はどうやっていれるのか解らなくて、結局何もできずに帰ってきてしまいました…。」
「気にしないで下さい。そうなるだろうと思ってましたから。」
「ははは、すみません。」
お茶くらいいれられるわよ。貴方達より上手くね。
それから1時間ほどで本日のお仕事は終了。
「お疲れ様でした。また明日よろしくおねがいします。」
「ああ、お疲れ様。」
「おつかれさん。」
2人はまだまだ帰る様子はないわね。私はすぐそばの空き部屋で5分ほど過ごした。
私が帰った後、倉庫の2人は何を話しているかしら。私の予想通りであれば、明日からこの倉庫にいる時間を減らさないと。時間は無駄に出来ないもの。
気がつかれないようにさっきまでいた部屋に入ると、案の定私の話をしている。
「ミリオン侯爵令嬢が一体何をしに来たんだか。」
「わからないわよ。けど、ここに詰め込んどけって言われてるんだし1週間ほど我慢よ。我が儘令嬢の護衛も楽じゃないわね。」
やっぱりね。
私がここで働くのを簡単に許して、さらに護衛をつけないのを承諾するわけがないもの。それに、この倉庫へは誰にも気がつかれないようには来れない。この辺りの窓には鉄格子がかかってて、勝手な行動はできない状況よ。
冗談じゃないわ。これじゃ来た意味がないじゃない。
私は何も知らない、我が儘で傲慢な侯爵令嬢。それを演じるわ。あの護衛も、1日で見抜かれるようなレベルをつけているようじゃ、私は拐かされるわよ。今だって見送りにも来ていないわ。
上層部に犯人がいたとするなら、私の事を見に来るのを誰も不思議に思わないのにね。
さて、ここからが私の手腕が問われるところだわ。
犯人が殺されたのだから、次に重要な人間は私。そして手がかりになりそうな証拠物品は馬車とナイフ。これは何処にあるのかしら。それを見せてもらいたいわ。
「どなたか誘拐事件を担当している方はいるかしら?直接お話ししたい事があります。事件について重要な…。おそらく、今までのどのお話よりも捜査が進展するわ。」
倉庫から出て、1番最初に通る部署で私は言った。
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