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恋せよ乙女 編
リアル神宮司
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私がジーッと彼女を見ても、春日さんは神くんに目を奪われたままだ。
(これは……、もしかして……)
ピーンときた私は、満面の笑みを浮かべて神くんを誘った。
「ねぇ、もし良かったらこのあと一緒にお茶しない?」
「え? ですが、四人で女子会でしょう。そこに僕が入ったら完全に邪魔者じゃないですか」
苦笑いする神くんに、私は両手でサッとエミリさんと春日さんを示す。
「こちらは丸木エミリさん、今までは副社長秘書、これからは社長秘書で、篠宮風磨さんの恋人です。同棲もしています」
私は力強くエミリさんは先約アリだと訴える。
「そしてこちらが三ノ宮春日さん。三ノ宮重工の令嬢で、とっても美人でユーモアに溢れ、サッパリした性格で魅力的な女性です。とっても魅力的なのに、フリーなんて思えないよね。世の男性の目は節穴!」
いささかわざとらしかったのか、恵が背後から私の背中を強めにつついた。
「春日さん、こちらは神輝征くん。篠宮フーズで働いていて、同じ部署なんですが、『アンド・ジン』の御曹司なんです」
それを聞いた瞬間、春日さんの口元が盛大にニヤつきかけ、強固な理性で押しとどめたのか、への字になった。でも口端がピクピクしてる。
(……面白い)
……なんて思ったら駄目だ。
その時、春日さんが私の腕をグイッと引っ張り、後ろに移動させたかと思うと、ヒソヒソ囁いてきた。
「リアル神宮司!」
「…………はい?」
彼女の言っている事が分からず、私はポカンとして聞き返す。
「あっ、あのねっ、彼、私の大好きな漫画の神宮司輝希くんにそっくりなの! やば……っ、どぅふっ。やばい、涎垂れそう……っ」
(ええええー……)
いつになく取り乱している春日さんを見て、私は一瞬戸惑ったのち、ヒソヒソ囁き返す。
「ちょっと彼とお話してみません? 漫画のキャラに似てるのは置いておいて、バブちゃんにならないとか、諸々の相性を確認して、良さそうだったらアプローチしてみたらどうですか?」
「する! するする! めっちゃする!」
語彙力がなくなるまで一目惚れしたらしい春日さんを見て、私は「よーし」と心の中で気合いを入れ、神くんを振り向いた。
私たちが離れている間、恵とエミリさんが場を繋いでくれていたらしく、三人は和やかに談笑している。
「神くん、お気に入りのカフェがあるんだって。ケーキが美味しいらしいから行こうか」
さすが恵!
私は心の中でスタンディングオベーションをし、「行く!」と頷く。
「こんなに綺麗どころを連れて、まるでハーレムじゃないですか。……僕、速水部長と篠宮副社長に刺されるかも……」
神くんは冗談めかして言い、私は笑って返事をする。
「切れたナイフみたいな時期は過ぎたから、刺したりしないよ」
サラッと言ったあと、なぜだか皆沈黙して私を見る。
……ん?
そのあとヒソヒソと何か言い合ってから、恵が呆れたように言った。
「多分、それって『よく切れるナイフみたいな』じゃないの? 朱里、バラエティ見てるうちに言葉が刷り込まれたんじゃない?」
「え? あー……」
言われて脳裏に浮かんだのは、お笑い芸人の大御所だ。
「……スルッと出てきた。ごめんちゃい」
照れ笑いして謝ると、皆ドッと笑ってくれた。
その後、すぐ近くのハイセンスなカフェに入り、メニューを見て単価が高めなのにおののいたけれど、そしらぬふりをして一番お安いケーキとコーヒーのセットにした。
神くんは「僕、ランチまだなんですよね」と言ってパスタとサラダ、食後にケーキセットを頼んでいた。
春日さんはメニューを見て少し悩む彼を見ながらうんうんと頷き、「なんでも食べて。ご馳走するから」と考えているのが手に取るように分かる。
オーダーが終わったあと、春日さんの向かいに座った神くんがニコッと笑った。
「改めまして、神輝征、二十四歳です。宜しくお願いします」
彼の自己紹介を聞いたあと、普段面識のないエミリさんと春日さんが挨拶する。
よし! 戦いのゴングが鳴った! いけ! 春日さん!
私は心の中でカーン! とゴングを鳴らし、期待を込めていまだ赤面してクネクネしている春日さんを見た。
「……ごっ、ご趣味はっっ?」
おっと先制、春日選手、ド定番のお見合い文句だ!
(これは……、もしかして……)
ピーンときた私は、満面の笑みを浮かべて神くんを誘った。
「ねぇ、もし良かったらこのあと一緒にお茶しない?」
「え? ですが、四人で女子会でしょう。そこに僕が入ったら完全に邪魔者じゃないですか」
苦笑いする神くんに、私は両手でサッとエミリさんと春日さんを示す。
「こちらは丸木エミリさん、今までは副社長秘書、これからは社長秘書で、篠宮風磨さんの恋人です。同棲もしています」
私は力強くエミリさんは先約アリだと訴える。
「そしてこちらが三ノ宮春日さん。三ノ宮重工の令嬢で、とっても美人でユーモアに溢れ、サッパリした性格で魅力的な女性です。とっても魅力的なのに、フリーなんて思えないよね。世の男性の目は節穴!」
いささかわざとらしかったのか、恵が背後から私の背中を強めにつついた。
「春日さん、こちらは神輝征くん。篠宮フーズで働いていて、同じ部署なんですが、『アンド・ジン』の御曹司なんです」
それを聞いた瞬間、春日さんの口元が盛大にニヤつきかけ、強固な理性で押しとどめたのか、への字になった。でも口端がピクピクしてる。
(……面白い)
……なんて思ったら駄目だ。
その時、春日さんが私の腕をグイッと引っ張り、後ろに移動させたかと思うと、ヒソヒソ囁いてきた。
「リアル神宮司!」
「…………はい?」
彼女の言っている事が分からず、私はポカンとして聞き返す。
「あっ、あのねっ、彼、私の大好きな漫画の神宮司輝希くんにそっくりなの! やば……っ、どぅふっ。やばい、涎垂れそう……っ」
(ええええー……)
いつになく取り乱している春日さんを見て、私は一瞬戸惑ったのち、ヒソヒソ囁き返す。
「ちょっと彼とお話してみません? 漫画のキャラに似てるのは置いておいて、バブちゃんにならないとか、諸々の相性を確認して、良さそうだったらアプローチしてみたらどうですか?」
「する! するする! めっちゃする!」
語彙力がなくなるまで一目惚れしたらしい春日さんを見て、私は「よーし」と心の中で気合いを入れ、神くんを振り向いた。
私たちが離れている間、恵とエミリさんが場を繋いでくれていたらしく、三人は和やかに談笑している。
「神くん、お気に入りのカフェがあるんだって。ケーキが美味しいらしいから行こうか」
さすが恵!
私は心の中でスタンディングオベーションをし、「行く!」と頷く。
「こんなに綺麗どころを連れて、まるでハーレムじゃないですか。……僕、速水部長と篠宮副社長に刺されるかも……」
神くんは冗談めかして言い、私は笑って返事をする。
「切れたナイフみたいな時期は過ぎたから、刺したりしないよ」
サラッと言ったあと、なぜだか皆沈黙して私を見る。
……ん?
そのあとヒソヒソと何か言い合ってから、恵が呆れたように言った。
「多分、それって『よく切れるナイフみたいな』じゃないの? 朱里、バラエティ見てるうちに言葉が刷り込まれたんじゃない?」
「え? あー……」
言われて脳裏に浮かんだのは、お笑い芸人の大御所だ。
「……スルッと出てきた。ごめんちゃい」
照れ笑いして謝ると、皆ドッと笑ってくれた。
その後、すぐ近くのハイセンスなカフェに入り、メニューを見て単価が高めなのにおののいたけれど、そしらぬふりをして一番お安いケーキとコーヒーのセットにした。
神くんは「僕、ランチまだなんですよね」と言ってパスタとサラダ、食後にケーキセットを頼んでいた。
春日さんはメニューを見て少し悩む彼を見ながらうんうんと頷き、「なんでも食べて。ご馳走するから」と考えているのが手に取るように分かる。
オーダーが終わったあと、春日さんの向かいに座った神くんがニコッと笑った。
「改めまして、神輝征、二十四歳です。宜しくお願いします」
彼の自己紹介を聞いたあと、普段面識のないエミリさんと春日さんが挨拶する。
よし! 戦いのゴングが鳴った! いけ! 春日さん!
私は心の中でカーン! とゴングを鳴らし、期待を込めていまだ赤面してクネクネしている春日さんを見た。
「……ごっ、ご趣味はっっ?」
おっと先制、春日選手、ド定番のお見合い文句だ!
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