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女子会 編

女子会感想

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「女子会に妬いてたんですか?」

「エミリが自主的に報告してくれたけど、すげぇ楽しそうだったな。俺の前でもあれだけはしゃいだ事ってなかったんじゃないか?」

「んー……、尊さんの前と女性の前とでは違いますからね。それが、エミリさんと春日さん、想像以上に面白い人で、めちゃ笑ったんですよ」

 昨晩を思い出してクスクス笑うと、尊さんも一緒になって微笑む。

「良かったな。今まで友達は中村さんぐらいしかいないって言ってたから、あいつらと馬が合ったみたいで安心した」

「そうですね。不思議です。私、結構人見知りなタイプだったはずなのに、あのお二人とは最初からスルッと仲良くなれたんです」

「二人とも俺と怜香を中心とした修羅場に関わってるから、一番肝心なところを共有できる仲間っていう意識があったのかもな」

「かもですね。……あと、やっぱりお二人とも基本的に性格がいいです」

「そうか?」

 尊さんは私の言葉に被せるように、突っ込み気味に言う。

「……あいつら、一筋縄じゃいかねぇだろ」

「うん、そうなんですけど、なんだろう。馬が合ったんですよね」

「まー、三ノ宮さんはかなりフィーバーしてたな。エミリが酔っぱらったらどうなるかは、大体知ってるけど」

 そこまで話して、エミリさんが色んなシーンを撮影して送っていたのを思いだし、照れると共に感想を聞いてみたくなる。

「……エミリさんから送られてきたのを見て、どう思いました?」

「ん? 楽しそうだなと思ってたよ。その場にいたら『こんにゃろう』ぐらいは言ってたと思うけど、基本的に女子会に口だしするつもりはないよ。男のいる合コンなら別だけど、女子同士、酒を飲んでできる話もあるだろうし、朱里もそういうので息抜きしたほうがいいと思ってる」

 思っていた以上に大人な回答があり、私は「さすが尊さん」と小さく拍手をする。

「……俺をなんだと思ってるんだよ」

(復讐のエロエロ御曹司)

 私は心の中で呟き、顔ではニコニコと菩薩のような笑みを浮かべておく。

「まだ昼前だし、腹は減ってないか」

「はい。めっちゃ美味しいエッグベネディクトをご馳走になりました」

 フランス料理みたいにお上品で最高に美味しい一皿を思い出し、私はうっとりと微笑む。

 すると、尊さんが左手を伸ばしてツンと私のお腹をつついてきた。

「この腹は俺じゃない奴に驕られた飯でも、パクパク食うんだな。せっかく評価してたのに……」

「お腹が浮気するって新ジャンルを確立するの、やめてくれます? それに、お腹に口は開いてません! どこの妖怪ですか」

「妖怪アカリン」

「むふんっ」

 奇しくもアカリンの名前を出され、私は噴きだしてしまう。

「いい感じに柔らかく育てるのは、俺の役目なんだけどなぁ……」

「そんな事で残念そうにぼやかないでくださいよ。それより、春日さんがすっごい鍛えてて、めちゃくちゃ格好いい体をしてたんです! お腹なんて引き締まって割れてたんですよ? 凄くないです? 私、あれを目指したいな」

「えぇ……」

 はしゃいで言ったのに、尊さんはめちゃくちゃ嫌そうな声を出す。

「なんですか、その返事は」

「……朱里はフワッと柔らかい抱き心地が最高なんだから、あんまり頑張らなくていいよ」

「もー、女子ウケする体になりたいんです」

「……尊ウケしてくれよ」

 けれどそう言われて、まんざらでもない自分がいる。

 評価されているお腹と言うけれど、そうお肉がたっぷりついている訳でもない。つまんだら……、ちょっと……主張してくるぐらいで。

 何せ胸元にボリュームがあるものだから、へたに服のチョイスを間違えると、本当に大柄に見えてしまう。

 だから多少胸元が目立ってセクシーと思われようが、胸元とウエストの差をつけて「お腹はちゃんとへこんでますよ!」というアピールをしていたりする。

 けど、見る人によってはいやらしい目で見てくるので、悩ましい問題でもある。

 ていうか、そういう目で見てくる人は、何を着てもそう見てくる訳なんだけど。

(……あ、女子会で痴漢に遭った愚痴を言えば良かった。……また今度にしとこ)

 二人の事を思いだして自然に微笑んでいると、尊さんがクスッと笑って言った。

「お前、だいぶ明るく笑えるようになったよな。いい傾向だと思う。前は割とツンとしてたから」

「あ……、ですね」

 確かに、この数か月でかなり表情豊かになった自覚はある。笑った回数がとても多い。

「でも、全部尊さんのお陰ですよ?」
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