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亮平 編
いいんじゃないか?
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(それにしても凄いな。本当なら殴ってもおかしくない状態だったのに、こうやって自分の気持ちを自覚させて私への執着を諦めさせるなんて)
そう思っていた時、亮平が私を見て笑いかけてきた。
「今まで気持ち悪い思いをさせて悪かったな。〝家族〟失格だ」
「……分かってくれたならいいよ。私も亮平の気持ちを知ろうとせず、ツンツンしすぎてごめん」
和解した頃になって、ようやく席につけた。
「はぁ……、なんかお腹空いた。沢山たーべよ!」
メニューを捲る私を見て、尊さんはクツクツ笑う。
「家でもよく食べる健康優良児でしたか?」
「ちょっと尊さん、そういう言い方……」
「ああ、よく食ってましたね。〝身〟にならないのが不思議なくらい」
「亮平も」
あれ……、なんか結託してる……。
ちょっと前まで一触即発で喧嘩しないかヒヤヒヤしていたのに、なんだこの感じは。
「ちなみに、参考までに聞いておきたいんですが、さっき俺が電話を掛けた時に、朱里からスマホを取り上げたのはどうして?」
私の隣に座った尊さんが、メニューを覗き込みつつ尋ねる。
ああ、それね。あれは問題行動だった。
亮平は車の中での事を思いだし、ボソッと言う。
「……運転中に急に彼氏から電話くるもんだから、びっくりしちゃって……」
天然かああああ!!
「亮平さんってあんまり感情の起伏がないですよね。驚いても無反応なタイプでしょう」
尊さんに言われ、亮平は「よく分かりますね」と感心したように頷いている。
「それで〝心の声〟が多いものだから、割と自分一人で納得した状態で行動してしまう事がある。だから他者から『行動が突然』と驚かれませんか?」
「まさにそれです。……凄いですね、速水さん」
しかし尊さんの人を分析する能力、凄いなぁ!
「はぁ……、〝亮平仕草〟の正体はそれか……。とりあえず刀削麺とノーマル小龍包」
「流れるようにメニューを決めるな」
尊さんは私に突っ込んで笑ってから、「俺はどうしようかな」と顔を寄せてくる。
今日も当社比百二十パーセント顔がいいし、いい匂いがする。
努めて普通の顔をしていたつもりだけど、ニヤついていたんだろうか。
「……朱里って恋人の前だとそんな顔をするんだな」
亮平に言われ、私はとっさに両手で口元を覆う。
「なっ、……なんだよう……」
恥ずかしさのあまり、あまり賢くない返しをしてしまう。
亮平はそんな私を見ていたけれど、クシャッと笑った。
「や、俺じゃそんな顔をさせられないなって思ってたトコ。……いいんじゃないか? 速水さん。朱里が惚れるの分かったわ」
「……あ……、それは……、ありがとう。いつか家族に合わせる時、その調子で応援してほしい」
現金にも亮平の応援を欲しがった私の言葉に、二人はクスクス笑う。
「ありがとうございます、亮平さん。これから宜しくお願いします」
「こちらこそ、速水さん。一人で考え込む癖があるので、良かったらまた今度話を聞いてください」
「勿論です。今日は色々と何ですから、また改めて食事でもしましょうか」
気がつけば、私たち三人はそんなふうに和やかに会話をしていた。
三人で食べたい物をオーダーし、美味しい中華をたらふく食べ、色んな事を話した。
尊さんは篠宮家絡みの事を今話すつもりはないようで、会社の事や私との馴れそめなどを聞かれるままに話していた。
……まぁ、馴れそめって言ってもそのままを話すと問題があるので、普通に「会社の上司と部下として惹かれ合い、何回か食事をし、デートするうちに……」という事になっている。
お店を出たあと中華街をブラブラして、夕方になる前に現地解散した。
今日はちょっとタイミングが悪かったという事で、家族への「結婚する報告」は後日改めてとなった。
「今日は悪かったな」
「んーん、いいよ。……分かり合えるまで長かったけど」
駐車場で私は亮平と別れを告げ、尊さんの車に乗る。
「はぁ……」
助手席に乗って溜め息をつくと、尊さんは「お疲れ」と私の頭を撫でてからエンジンを掛けた。
そう思っていた時、亮平が私を見て笑いかけてきた。
「今まで気持ち悪い思いをさせて悪かったな。〝家族〟失格だ」
「……分かってくれたならいいよ。私も亮平の気持ちを知ろうとせず、ツンツンしすぎてごめん」
和解した頃になって、ようやく席につけた。
「はぁ……、なんかお腹空いた。沢山たーべよ!」
メニューを捲る私を見て、尊さんはクツクツ笑う。
「家でもよく食べる健康優良児でしたか?」
「ちょっと尊さん、そういう言い方……」
「ああ、よく食ってましたね。〝身〟にならないのが不思議なくらい」
「亮平も」
あれ……、なんか結託してる……。
ちょっと前まで一触即発で喧嘩しないかヒヤヒヤしていたのに、なんだこの感じは。
「ちなみに、参考までに聞いておきたいんですが、さっき俺が電話を掛けた時に、朱里からスマホを取り上げたのはどうして?」
私の隣に座った尊さんが、メニューを覗き込みつつ尋ねる。
ああ、それね。あれは問題行動だった。
亮平は車の中での事を思いだし、ボソッと言う。
「……運転中に急に彼氏から電話くるもんだから、びっくりしちゃって……」
天然かああああ!!
「亮平さんってあんまり感情の起伏がないですよね。驚いても無反応なタイプでしょう」
尊さんに言われ、亮平は「よく分かりますね」と感心したように頷いている。
「それで〝心の声〟が多いものだから、割と自分一人で納得した状態で行動してしまう事がある。だから他者から『行動が突然』と驚かれませんか?」
「まさにそれです。……凄いですね、速水さん」
しかし尊さんの人を分析する能力、凄いなぁ!
「はぁ……、〝亮平仕草〟の正体はそれか……。とりあえず刀削麺とノーマル小龍包」
「流れるようにメニューを決めるな」
尊さんは私に突っ込んで笑ってから、「俺はどうしようかな」と顔を寄せてくる。
今日も当社比百二十パーセント顔がいいし、いい匂いがする。
努めて普通の顔をしていたつもりだけど、ニヤついていたんだろうか。
「……朱里って恋人の前だとそんな顔をするんだな」
亮平に言われ、私はとっさに両手で口元を覆う。
「なっ、……なんだよう……」
恥ずかしさのあまり、あまり賢くない返しをしてしまう。
亮平はそんな私を見ていたけれど、クシャッと笑った。
「や、俺じゃそんな顔をさせられないなって思ってたトコ。……いいんじゃないか? 速水さん。朱里が惚れるの分かったわ」
「……あ……、それは……、ありがとう。いつか家族に合わせる時、その調子で応援してほしい」
現金にも亮平の応援を欲しがった私の言葉に、二人はクスクス笑う。
「ありがとうございます、亮平さん。これから宜しくお願いします」
「こちらこそ、速水さん。一人で考え込む癖があるので、良かったらまた今度話を聞いてください」
「勿論です。今日は色々と何ですから、また改めて食事でもしましょうか」
気がつけば、私たち三人はそんなふうに和やかに会話をしていた。
三人で食べたい物をオーダーし、美味しい中華をたらふく食べ、色んな事を話した。
尊さんは篠宮家絡みの事を今話すつもりはないようで、会社の事や私との馴れそめなどを聞かれるままに話していた。
……まぁ、馴れそめって言ってもそのままを話すと問題があるので、普通に「会社の上司と部下として惹かれ合い、何回か食事をし、デートするうちに……」という事になっている。
お店を出たあと中華街をブラブラして、夕方になる前に現地解散した。
今日はちょっとタイミングが悪かったという事で、家族への「結婚する報告」は後日改めてとなった。
「今日は悪かったな」
「んーん、いいよ。……分かり合えるまで長かったけど」
駐車場で私は亮平と別れを告げ、尊さんの車に乗る。
「はぁ……」
助手席に乗って溜め息をつくと、尊さんは「お疲れ」と私の頭を撫でてからエンジンを掛けた。
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