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完結篇
第7話 対決⑤
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「何を・・・」
「これか」
アレイスターはジルの頭から何かを取り出す。
「ご苦労」
言った途端にジルの頭が爆発する。
「アレイスター!」
ジルが死ねばヴァルキリーも死ぬ。だか、ヴァルキリーはまだアガタと戦っている。
「発信機と操作権を奪った」
アレイスターは左手を握っている。
アレイスターの左手は、触れればなんでも奪える魔力。魔力で奪いとった。だとしても今度はアレイスターにヴァルキリーの主導権に変わっただけ。
ジャンヌはロザリオで振るう。
アレイスターが距離を取る。
アキセが銃を構えるが、腹に手が貫通する。
苦しんでいたこくえんの魔女が復活していた。
次の攻撃しようとしたが、飛ばされたアガタに一緒にぶつかる。
ヴァルキリーはアレイスターに近寄る。
アガタは黄色の刃を飛ばすが、アレイスターとヴァルキリーは一瞬にして消える。
黄色の刃は壁に当たって砕ける。
黒い炎とともにこくえんの魔女とアキセは消える。
この場に残ったのは、ジャンヌ、アガタ、死体となったジルだけだった。
「あああああああああああああああああ!」
ジャンヌはロザリオを床に刺す。
ジルをこの手で殺せなかった。ヴァルキリーをアレイスターに渡ってしまった。
「ジャンヌ!」
アガタが声を上げる。
「ヴァルキリーを取り戻せる。こいつの死でヴァルキリーが死なせずにすんだ」
アガタの手が強く握る。
「こいつは死んだ。報いたんだ。それだけで十分だ。それだけにしろ」
アガタも同じ気持ちだ。ここで悔やんでいる場合ではない。
まだヴァルキリーは取り戻せる。
「はい」
ジャンヌは立ち上がる。
「体は、大丈夫か」
「羽を取り戻したから大丈夫です」
アガタが取り戻してくれたおかげで呪病は浄化し、力も取り戻せた。
今、2枚しかない。1枚はヴァルキリーの手にある。
「アタランテとスピカは?」
「呪病を侵された」
「え・・・」
「僕が治療したから死ぬことはない。仲間が見つける」
「よかった・・・」
聖女を見捨てることはない。アタランテとスピカは無事に保護される。
「今すぐに追いかける」
「でもどこに」
アガタの手に一枚の何もないカードを持っている。
「それは」
「相手がいるところに思うと自動に転送してくれる道具のようだ。あの男から」
アガタに渡したということは、聖女にも効く道具。コルンの発明品だろう。
「あの男はもうおそらく」
アキセはこくえんの魔女に連れてかれた。今から追いかけても殺されている。優先すべきはアレイスターとヴァルキリーを追いかけること。
「行きましょ」
左手の義手を壊された。右手も切られた。指輪が離れた。腹に穴が空いた。首はこくえんの魔女に掴まれている。
「燃えろ」
体中に黒い炎に包まれる。
こくえんの魔女は消える。そのまま燃えながら倒れる。
まともな死に方はしないとは思っていたが、このまま燃えて消えるのか。
それでもまだ死にきれない。
ジャンヌのことも。アレイスターへの復讐も。
「あら。生きているの」
女の声がした。
「これか」
アレイスターはジルの頭から何かを取り出す。
「ご苦労」
言った途端にジルの頭が爆発する。
「アレイスター!」
ジルが死ねばヴァルキリーも死ぬ。だか、ヴァルキリーはまだアガタと戦っている。
「発信機と操作権を奪った」
アレイスターは左手を握っている。
アレイスターの左手は、触れればなんでも奪える魔力。魔力で奪いとった。だとしても今度はアレイスターにヴァルキリーの主導権に変わっただけ。
ジャンヌはロザリオで振るう。
アレイスターが距離を取る。
アキセが銃を構えるが、腹に手が貫通する。
苦しんでいたこくえんの魔女が復活していた。
次の攻撃しようとしたが、飛ばされたアガタに一緒にぶつかる。
ヴァルキリーはアレイスターに近寄る。
アガタは黄色の刃を飛ばすが、アレイスターとヴァルキリーは一瞬にして消える。
黄色の刃は壁に当たって砕ける。
黒い炎とともにこくえんの魔女とアキセは消える。
この場に残ったのは、ジャンヌ、アガタ、死体となったジルだけだった。
「あああああああああああああああああ!」
ジャンヌはロザリオを床に刺す。
ジルをこの手で殺せなかった。ヴァルキリーをアレイスターに渡ってしまった。
「ジャンヌ!」
アガタが声を上げる。
「ヴァルキリーを取り戻せる。こいつの死でヴァルキリーが死なせずにすんだ」
アガタの手が強く握る。
「こいつは死んだ。報いたんだ。それだけで十分だ。それだけにしろ」
アガタも同じ気持ちだ。ここで悔やんでいる場合ではない。
まだヴァルキリーは取り戻せる。
「はい」
ジャンヌは立ち上がる。
「体は、大丈夫か」
「羽を取り戻したから大丈夫です」
アガタが取り戻してくれたおかげで呪病は浄化し、力も取り戻せた。
今、2枚しかない。1枚はヴァルキリーの手にある。
「アタランテとスピカは?」
「呪病を侵された」
「え・・・」
「僕が治療したから死ぬことはない。仲間が見つける」
「よかった・・・」
聖女を見捨てることはない。アタランテとスピカは無事に保護される。
「今すぐに追いかける」
「でもどこに」
アガタの手に一枚の何もないカードを持っている。
「それは」
「相手がいるところに思うと自動に転送してくれる道具のようだ。あの男から」
アガタに渡したということは、聖女にも効く道具。コルンの発明品だろう。
「あの男はもうおそらく」
アキセはこくえんの魔女に連れてかれた。今から追いかけても殺されている。優先すべきはアレイスターとヴァルキリーを追いかけること。
「行きましょ」
左手の義手を壊された。右手も切られた。指輪が離れた。腹に穴が空いた。首はこくえんの魔女に掴まれている。
「燃えろ」
体中に黒い炎に包まれる。
こくえんの魔女は消える。そのまま燃えながら倒れる。
まともな死に方はしないとは思っていたが、このまま燃えて消えるのか。
それでもまだ死にきれない。
ジャンヌのことも。アレイスターへの復讐も。
「あら。生きているの」
女の声がした。
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