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完結篇
第5話 堕ちるまでに①
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俺がいたのは、とても汚い町だった。
貧富の格差が激しく、スラム街で当時はレナードと名乗っていた。あの時の俺はまだ人間だったと思う。茶髪で顔も違っていた。
最初は一人でやっていた。食べ物や金目のものを盗んだ日々だった。
ある日、女の子が大人に襲われていた。何度も子供相手に踏み続けた。そんな大人に腹立って、俺はその女の子を助けた。
女の子と目が合う。
「ありがとう・・・ありがとう・・・」
泣きながら言った。
「エリーゼ!」
その時、3人の子供が駆け付けた。
それがロビンとエリーゼの出会いで、俺の人生を一番関わっていた。
それからグルーブで行動することになった。
作戦を立てて、金目のものを盗んでいた。何度も成功していたからグループから信頼された。
ロビンは、グループのリーダー的な存在で皆をまとめていた。最初は親しく接していたが、少しずつ俺に対する態度が変わっていた。それを比例するようにエリーゼは俺のことを気にしていた。
エリーゼとロビンは幼馴染のようで、それもロビンが気に食わない理由だろう。
もしかしたら、もうその時からエリーゼにかけてしまったかもしれない。俺も気付かずに。
そんなある日、作戦が失敗して仲間の1人を死なせてしまった。
「おまえのせいだ」とロビンは俺に責めた。それでもエリーゼは俺のことをかばった。
それからグループ内で重い空気を作ってしまった。さらに追い込むようにこんな噂を聞いてしまった。
「訊いているか。最近この辺で人間狩りが起きているみたいだ」
「ほんとか。別のグループがやられたって」
「見つかる前に逃げようよ」
グループ内で不安が高まった。
「明日出よう」
思いっきり提案した。
「おい。噂だぞ。ガゼかもしれないぞ」とロビンは言う。
「流れた時点で警戒するべきだ。どっちにしてもこんなことは長く続かない」
「だとしても俺たちには・・・」
「金ならある。皆には黙っていたが、しばらく暮らせるほどの金はある。だから今夜この街から出よう」
「おい!その金をどうやって!」
ロビンと二人きりで話していた。
「金は地下室にあるからそれを使え。俺はこのまま消える」
「消えるって・・・」
「俺のことを気に入らないのは知っている。丁度いいだろ」
「ぐ!おまえがいつも勝手だからだ!」
「他にもあるくせに」
ロビンから離れた。
そうだ。あの夜からだった。
貧富の格差が激しく、スラム街で当時はレナードと名乗っていた。あの時の俺はまだ人間だったと思う。茶髪で顔も違っていた。
最初は一人でやっていた。食べ物や金目のものを盗んだ日々だった。
ある日、女の子が大人に襲われていた。何度も子供相手に踏み続けた。そんな大人に腹立って、俺はその女の子を助けた。
女の子と目が合う。
「ありがとう・・・ありがとう・・・」
泣きながら言った。
「エリーゼ!」
その時、3人の子供が駆け付けた。
それがロビンとエリーゼの出会いで、俺の人生を一番関わっていた。
それからグルーブで行動することになった。
作戦を立てて、金目のものを盗んでいた。何度も成功していたからグループから信頼された。
ロビンは、グループのリーダー的な存在で皆をまとめていた。最初は親しく接していたが、少しずつ俺に対する態度が変わっていた。それを比例するようにエリーゼは俺のことを気にしていた。
エリーゼとロビンは幼馴染のようで、それもロビンが気に食わない理由だろう。
もしかしたら、もうその時からエリーゼにかけてしまったかもしれない。俺も気付かずに。
そんなある日、作戦が失敗して仲間の1人を死なせてしまった。
「おまえのせいだ」とロビンは俺に責めた。それでもエリーゼは俺のことをかばった。
それからグループ内で重い空気を作ってしまった。さらに追い込むようにこんな噂を聞いてしまった。
「訊いているか。最近この辺で人間狩りが起きているみたいだ」
「ほんとか。別のグループがやられたって」
「見つかる前に逃げようよ」
グループ内で不安が高まった。
「明日出よう」
思いっきり提案した。
「おい。噂だぞ。ガゼかもしれないぞ」とロビンは言う。
「流れた時点で警戒するべきだ。どっちにしてもこんなことは長く続かない」
「だとしても俺たちには・・・」
「金ならある。皆には黙っていたが、しばらく暮らせるほどの金はある。だから今夜この街から出よう」
「おい!その金をどうやって!」
ロビンと二人きりで話していた。
「金は地下室にあるからそれを使え。俺はこのまま消える」
「消えるって・・・」
「俺のことを気に入らないのは知っている。丁度いいだろ」
「ぐ!おまえがいつも勝手だからだ!」
「他にもあるくせに」
ロビンから離れた。
そうだ。あの夜からだった。
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