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その後の2人
前編
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カーティスとの結婚から2年、ジェーンが妊娠した。
初産の妻を過保護なまでに心配したカーティスの命令で妊娠初期は面会謝絶であったが、ジェーンが安定期に入ったことでようやく許されることになった。
この日はジェーンの両親、そして3歳の弟ミモザがお祝いの挨拶に来た。
両親が王室への贈り物を確認している間、ジェーンの部屋でミモザが1人で兄への口上を述べていた。
「みもじゃ・あんてのーるがけいあいちゅるおうひちゃまにごあいちゃつちまちゅ。このたびはごかいにんおめでとうごじゃいまちゅ」
「ありがとう、ミモザ」
たどたどしい滑舌ながらも一生懸命覚えた口上を噛むことなく披露できたミモザはパーっと光り輝くような笑顔を見せる。
「おにいちゃま!みもじゃ、じょうじゅにできた?できた?」
「えぇ!とっても上手!さすがミモザ!」
「うふふー!」
ジェーンは自分とそっくりな弟のブロンドを可愛くて仕方ないと言わんばかりに撫でる。
ミモザも大好きな兄に褒められて、とても嬉しそうにはにかむ。
そんな微笑ましい兄弟の姿をカーティスはジェーンに寄り添いながら優しげな表情で見つめていた。
「ミモザ、美味しいクッキーを用意したから一緒に食べようね」
「はぁい!」
初産の妻を過保護なまでに心配したカーティスの命令で妊娠初期は面会謝絶であったが、ジェーンが安定期に入ったことでようやく許されることになった。
この日はジェーンの両親、そして3歳の弟ミモザがお祝いの挨拶に来た。
両親が王室への贈り物を確認している間、ジェーンの部屋でミモザが1人で兄への口上を述べていた。
「みもじゃ・あんてのーるがけいあいちゅるおうひちゃまにごあいちゃつちまちゅ。このたびはごかいにんおめでとうごじゃいまちゅ」
「ありがとう、ミモザ」
たどたどしい滑舌ながらも一生懸命覚えた口上を噛むことなく披露できたミモザはパーっと光り輝くような笑顔を見せる。
「おにいちゃま!みもじゃ、じょうじゅにできた?できた?」
「えぇ!とっても上手!さすがミモザ!」
「うふふー!」
ジェーンは自分とそっくりな弟のブロンドを可愛くて仕方ないと言わんばかりに撫でる。
ミモザも大好きな兄に褒められて、とても嬉しそうにはにかむ。
そんな微笑ましい兄弟の姿をカーティスはジェーンに寄り添いながら優しげな表情で見つめていた。
「ミモザ、美味しいクッキーを用意したから一緒に食べようね」
「はぁい!」
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