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61.あれはお前のファーストキスだったのか
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リリオ王が去った後、俺はキースの横顔を盗み見た。
俺の勝手な行動にキースを巻き込んでしまったという罪悪感が遅ればせながら沸き上がってきたのだ。
だが、すぐに気付かれてしまい、2人の視線が交わる。
「どうした?」
「えっと…。さっきはごめん。ワガママ言っちゃって…。それなのに受け入れてくれて嬉しかった。ありがとう」
「別に大したことはしてない」
「でも…、関税引き上げの話し合いが進んだのはキースの言葉が追い風になったからだと思う。あと、昨日のことも。キースがあの時助けに来てくれなかったら、リリオ王に俺のファーストキス奪われちゃってただろうし。本当に助かった」
「結局その後俺にキスされたけどな。…そうか、あれはお前のファーストキスだったのか」
キースがどこか満足気な表情を見せる一方で、俺は恥ずかしさから顔がかぁーっと熱くなるのを感じた。
「いちいち口にするなよっ!そもそもこれまで俺のファーストキスの機会を逃したのはお前のせいなんだぞっ!」
「俺?何で?」
「俺たちの結婚式は同時に行われた即位式がメインで、キス1つなかっただろ!その上、今まで夫婦らしいことなんて何もしてこなかったんだから!」
「…その口ぶりだと『俺とキスしたかった』って言っているようなものだが?そういう理解で構わないか?」
俺の勝手な行動にキースを巻き込んでしまったという罪悪感が遅ればせながら沸き上がってきたのだ。
だが、すぐに気付かれてしまい、2人の視線が交わる。
「どうした?」
「えっと…。さっきはごめん。ワガママ言っちゃって…。それなのに受け入れてくれて嬉しかった。ありがとう」
「別に大したことはしてない」
「でも…、関税引き上げの話し合いが進んだのはキースの言葉が追い風になったからだと思う。あと、昨日のことも。キースがあの時助けに来てくれなかったら、リリオ王に俺のファーストキス奪われちゃってただろうし。本当に助かった」
「結局その後俺にキスされたけどな。…そうか、あれはお前のファーストキスだったのか」
キースがどこか満足気な表情を見せる一方で、俺は恥ずかしさから顔がかぁーっと熱くなるのを感じた。
「いちいち口にするなよっ!そもそもこれまで俺のファーストキスの機会を逃したのはお前のせいなんだぞっ!」
「俺?何で?」
「俺たちの結婚式は同時に行われた即位式がメインで、キス1つなかっただろ!その上、今まで夫婦らしいことなんて何もしてこなかったんだから!」
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