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44.王妃は隣国の王に口説かれる

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「リリオ王っ!ダ、ダメですってば!やめっ!」
「いいじゃん、いいじゃん!エスメラルダは俺の後宮に入るんだから!」
「どうしてそうなるんですかっ!とにかく一旦離れましょう!そして落ち着きましょう!」
「へへっ、やだー!俺、エスメラルダと結婚するー!」

2人で飲み始めてから約2時間後。
俺はリリオ王に抱きつかれ、キスされそうになっている。
誰がこんなことになるなんて予想できただろうか?

序盤は確かにリリオ王との会話が楽しく弾んでいた。
その上、貴重な品を含めた様々な種類のお酒に、一目で高級食材をふんだんに使っていると分かる豪華な軽食が用意されており、そのどれもが素晴らしく美味しかった。

控えめに言っても最高だったのだ。
けれども、それは結婚の話題で一変した。

「お昼に話していた結婚の件なんだけどね、本当は自信ないんだ。俺なんかと結婚生活上手くいく人いるのかなーって」
「俺なんかって、リリオ王は美形で明るくて素敵じゃないですか!」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、俺ずっと好きだった人に振られちゃってさ、やっぱり魅力ないんだよ」
「それはその人に見る目がなかっただけですってば!もし俺が結婚をやり直せるならキースよりもリリオ王を選びますよ!」
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