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十
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「勝った」
間抜けな声が出た。せっかく勝てたのに、その実感が湧かない。むしろ、なぜか負けた気分だ。
「さすが泉井さんは強いですね」
「これで二勝二敗だな」
いつも弟に押され負けしている気がする。公式的には二勝二敗と言いつつ、そんな気分はしていない。結果として楽しければいいのだけれど。
片付けながら、俺は「あのさ」と問いかけてみることにした。こんなことを訊いていいものかどうか迷ったが、純粋に気になったのである。
「弟はいないの?」
「何がですか?」
「付き合ってる人とか」
「え」
弟の手から、石がごろんと落ちた。衝撃的な顔をしているが、俺は恋人の存在の有無を訊いただけである。紀ノ川さん一家ほどの顔面の持ち主なら、小学生、いや幼稚園時代から色恋沙汰に巻き込まれていそうなものだ。佐野だって、小学生時代から女子とのいざこざがあった。
「ちょっと思ってたんだけど、俺、弟のことあんまり知らない。いつもそっちばっかり質問してくるから、訊く隙がないっていうか」
「い、泉井さんは、僕のことが知りたいんですか? 何でもお教えしますよ!」
「俄然元気だな」
弟は石を握り締めると、ぐいと距離を縮めて来た。
「何が知りたいですか? じゃあ自己紹介してもいいですか?」
「自己紹介?」
突然の展開に、俺はぽかんとした。弟は元気よく立ち上がると、ぴんとまっすぐ立って一礼した。
「紀ノ川樹、中学二年生、二月十四日生まれ、身長百六十センチ、体重五十キロ。好きな食べ物はカレー、嫌いな食べ物はグリーンピース、趣味はオセロ、囲碁部と陸上部に所属しています。好きな科目は歴史、苦手な科目は音楽です。恋人はいませんが好きな人はいます」
マシンガンのようなトークである。息継ぎなしの自己紹介だった。
「お、おう」
「他に何が知りたいですか?」
「ちょっと落ち着け」
「すいません。泉井さんからそういうことを言ってもらえるとは思わなかったので、つい」
「や、よく分かったよ。ありがとう」
弟はゆるゆると座ると、照れたように微笑む。そして、「どうですか」と問いかけて来た。弟の自己紹介について、感想を言わねばならない。それは、そこまで気負いするものでもなく、俺はするすると言葉を繋げた。
「カレーが好きだから、カレーだけは作れるってこと?」
「そうです」
「ていうか、陸上部なんだ」
「足はそれなりに速いです」
「音楽苦手って、意外だな。めっちゃギターとか弾けそうな顔してるのに」
「楽器全般は無理なんです。やったことないですし、歌も下手で」
「はは、一回聞かせてよ。今度カラオケでも行くか」
「え! いや、お誘いは嬉しいんですけど、泉井さんの耳を汚してしまう可能性があるので」
「ジャイアンくらいの歌唱力か?」
「ジャイアンよりはましです。主観的な判断です」
「はは、じゃあ分かんないってことか。あと」
好きな人って誰?
そんな質問が頭を過った。
「どうかしました?」
「ああ、いや、何でもない」
手で口を覆う。もしそう尋ねたら、弟は何と答えるだろう。好きな人は泉井さんです、なんて言われる想像をして、俺は目を伏せた。いや、そんなことは有り得ない。
ちらと視線を上げれば、目が合った。にっこりと微笑まれて、何となくむず痒い気持ちになる。まあ、好かれていると言えばそうなのだろうが、でも、別に。
「あー、ほら。バレンタインデーが誕生日だったら、毎年プレゼントとかチョコとかすごそうだよな」
明るい調子で笑ってみたものの、その笑顔はもしかしたら嘘っぽかったかもしれない。しかし、弟からは何の指摘もなかった。爽やかな笑みのまま、「正直持ち帰るのが大変です」なんて冗談のような真実を語っている。
「友達に、持って帰るのを手伝ってもらうこともあったんですけど、申し訳なくて」
「弟は正直だな」
俺も自然と笑みが出た。こういうことをあっけらかんとした調子で言うのは、弟の良いところだと思っている。嫌味のないその告白は、俺にとってはアリである。佐野が駄目で弟が良い理由についてははっきり理解していないけれど、たぶん、人間性の違いだろう。弟は、中学生的な純粋さを持っているのだ。
「でも、泉井さんもでしょう。僕よりたくさんもらうんじゃないですか?」
「そんなわけあるか。チョコなんてそうそうもらえない」
「またまたご謙遜を」
謙遜なんて一つもしていない。しかし、そう言ったところで信じてもらえないのは明白なので、俺は諦めることにした。弟の目には、両手にチョコレートいっぱいの俺が映っているに違いなかった。
「僕が女子だったら、泉井さんに十個くらいチョコを用意してると思います」
「十個は多くない?」
「そうですか? じゃあ五個くらいにしておきます」
「一個で十分だろ」
弟との他愛ない雑談は、嫌いじゃなかった。期待するような目とか、近い距離感に対しては思うところはあるけれど、やはり嫌いではない。弟との会話で、俺は話題探しをしたことがなかった。変な緊張感はいつの間にか消え、それなりに楽しい時間が過ぎていた。
ふいに、弟が時計を見上げた。
「もうこんな時間ですね」
残念そうな表情が、俺の視線を掠める。前もそうだった。帰りたくないと言い出しそうな表情で、俺を見つめるのだ。そんな顔をされても困る。
「そろそろ帰ります」
切り出したのは弟だった。外を見れば、もう薄暗い。そうか、と乾いた声が喉から出た。こんな時間ももう終わりである。
「送って行こうか」
「いえ! 滅相もありません! 泉井さんはごゆっくりどうぞ」
弟は立ち上がると、さっと鞄を持った。
「すいません、長居してしまって」
「今日は、どうせ親も遅いからさ。もうちょっと居てくれても良いくらいだよ」
「あ。そ、そうなんですか」
「でも、そっちの家族が心配するだろうしな。ジャムありがとうって、お母さんに伝えといて」
「はい」
俺も立ち上がり、玄関まで見送ることにする。弟は行儀よく靴を履きながら、「恋人を作るなら、あらかじめ報告して下さいね」なんて背を向けている。
「はいはい」
生返事をしていると、靴を履き終えた弟が振り返った。
「じゃあ、また今度」
そして、さも当然のように右手を出してきた。例の、謎の握手タイムだ。右手を出すと、ぎゅうと握られた。俺の方が手が大きいので、ちょっとせせこましい気分だ。日常的に握手をすることがない俺にとって、この時間は毎回不思議体験である。
「弟はアメリカ人か何かか?」
「いいえ、れっきとした日本男児です」
「ああそう」
「泉井さんの手は、大きいですよね」
「え? まあ、普通じゃない?」
「そうですか。今日は、本当にありがとうございました」
弟は、「お邪魔しました」と四十五度ほど頭を下げ、姿を消した。扉が静かに閉まる。靴音がしだいに遠ざかって行った。鍵を閉めて、部屋へと戻る。
一人だった。部屋の温度が、急に下がったようだ。明るいはずの部屋に、どことなく薄暗さを覚える。いや、これはいつも通りの光景だ。
「……寂しんぼかっつの」
一人ツッコミをして、ごろんと床に寝転がる。いろいろ思うところはありつつ、結局楽しいのだ。またボードゲームがやりたいなあと思いつつ、何気なく右手を空に翳した。弟の体温は、とっくに消え去っている。
案外あいつも人間らしいところがあったんだなと思いながら、今日得た弟の情報を反芻した。得体の知れない奴と思っていた弟も、知ってみれば普通の人間なのだ。まあ、血統書付きではあるが。
さてこれから何をしようか、宿題や家事と、何なりある。白い天井を眺めていると、突然違和感が頭を過った。
何かがおかしい気がする。俺は上半身を起こした。何かとは、つまりは弟だ。何がおかしいのか、俺は弟の会話を一から思い出そうとする。しかし、俺の頭はあまり出来が良くないらしく、大まかな流れしか思い出せない。記憶の引き出しを探り、あれでもないこれでもない、としばらく考える。
そうだ、と俺は気付いた。半分聞き流していたけれど、冷静な気持ちで考えてみれば、おかしなことがある。
「恋人を作るなら、あらかじめ報告して下さいね」
この言葉だ。
もし弟が俺のことをそういう意味で好きだとすれば、そんなことは言わないのではないか。いや、言わないはずだ。だって、好きな人に恋人が出来たら、ショックじゃないか。あえてそんなことを本人に向かって言うなんて、そんなの。
さーっと、気分が変わる。感情が、さ迷い始めた。あれ、おかしいな。そんな文字が頭の中をぐるぐると回った。
「…………勘違いか」
自分の喉から、思いのほか低い声が出た。
全ては、俺の勘違いだった。
動揺していた。動揺している自分に動揺した。赤いやら青いやら、きっと今は百面相していることだろう。
弟が俺に向けている感情は、恋愛的なものとは異なっているのだ。当然そうだ。何を勘違いして、勝手に悩んでいたのだろう。馬鹿みたいだ。あいつには、ちゃんと好きな人がいて、それは俺じゃないのである。結論が出て、床に大きな穴が開いたような気分になった。
しばらく、自分の感情を受け止めきれず、俺はぼんやりとしていた。きっと、困惑しているだけなのだ。気持ちが混乱し、動揺している。落ち着け俺。
頭を抱えた。浮かぶのは、弟の笑顔だ。
「…………」
時間だけが、無駄に過ぎて行った。時間は有限である。俺だって暇ではない。
重い腰を上げ、夕食作りを始めた。
間抜けな声が出た。せっかく勝てたのに、その実感が湧かない。むしろ、なぜか負けた気分だ。
「さすが泉井さんは強いですね」
「これで二勝二敗だな」
いつも弟に押され負けしている気がする。公式的には二勝二敗と言いつつ、そんな気分はしていない。結果として楽しければいいのだけれど。
片付けながら、俺は「あのさ」と問いかけてみることにした。こんなことを訊いていいものかどうか迷ったが、純粋に気になったのである。
「弟はいないの?」
「何がですか?」
「付き合ってる人とか」
「え」
弟の手から、石がごろんと落ちた。衝撃的な顔をしているが、俺は恋人の存在の有無を訊いただけである。紀ノ川さん一家ほどの顔面の持ち主なら、小学生、いや幼稚園時代から色恋沙汰に巻き込まれていそうなものだ。佐野だって、小学生時代から女子とのいざこざがあった。
「ちょっと思ってたんだけど、俺、弟のことあんまり知らない。いつもそっちばっかり質問してくるから、訊く隙がないっていうか」
「い、泉井さんは、僕のことが知りたいんですか? 何でもお教えしますよ!」
「俄然元気だな」
弟は石を握り締めると、ぐいと距離を縮めて来た。
「何が知りたいですか? じゃあ自己紹介してもいいですか?」
「自己紹介?」
突然の展開に、俺はぽかんとした。弟は元気よく立ち上がると、ぴんとまっすぐ立って一礼した。
「紀ノ川樹、中学二年生、二月十四日生まれ、身長百六十センチ、体重五十キロ。好きな食べ物はカレー、嫌いな食べ物はグリーンピース、趣味はオセロ、囲碁部と陸上部に所属しています。好きな科目は歴史、苦手な科目は音楽です。恋人はいませんが好きな人はいます」
マシンガンのようなトークである。息継ぎなしの自己紹介だった。
「お、おう」
「他に何が知りたいですか?」
「ちょっと落ち着け」
「すいません。泉井さんからそういうことを言ってもらえるとは思わなかったので、つい」
「や、よく分かったよ。ありがとう」
弟はゆるゆると座ると、照れたように微笑む。そして、「どうですか」と問いかけて来た。弟の自己紹介について、感想を言わねばならない。それは、そこまで気負いするものでもなく、俺はするすると言葉を繋げた。
「カレーが好きだから、カレーだけは作れるってこと?」
「そうです」
「ていうか、陸上部なんだ」
「足はそれなりに速いです」
「音楽苦手って、意外だな。めっちゃギターとか弾けそうな顔してるのに」
「楽器全般は無理なんです。やったことないですし、歌も下手で」
「はは、一回聞かせてよ。今度カラオケでも行くか」
「え! いや、お誘いは嬉しいんですけど、泉井さんの耳を汚してしまう可能性があるので」
「ジャイアンくらいの歌唱力か?」
「ジャイアンよりはましです。主観的な判断です」
「はは、じゃあ分かんないってことか。あと」
好きな人って誰?
そんな質問が頭を過った。
「どうかしました?」
「ああ、いや、何でもない」
手で口を覆う。もしそう尋ねたら、弟は何と答えるだろう。好きな人は泉井さんです、なんて言われる想像をして、俺は目を伏せた。いや、そんなことは有り得ない。
ちらと視線を上げれば、目が合った。にっこりと微笑まれて、何となくむず痒い気持ちになる。まあ、好かれていると言えばそうなのだろうが、でも、別に。
「あー、ほら。バレンタインデーが誕生日だったら、毎年プレゼントとかチョコとかすごそうだよな」
明るい調子で笑ってみたものの、その笑顔はもしかしたら嘘っぽかったかもしれない。しかし、弟からは何の指摘もなかった。爽やかな笑みのまま、「正直持ち帰るのが大変です」なんて冗談のような真実を語っている。
「友達に、持って帰るのを手伝ってもらうこともあったんですけど、申し訳なくて」
「弟は正直だな」
俺も自然と笑みが出た。こういうことをあっけらかんとした調子で言うのは、弟の良いところだと思っている。嫌味のないその告白は、俺にとってはアリである。佐野が駄目で弟が良い理由についてははっきり理解していないけれど、たぶん、人間性の違いだろう。弟は、中学生的な純粋さを持っているのだ。
「でも、泉井さんもでしょう。僕よりたくさんもらうんじゃないですか?」
「そんなわけあるか。チョコなんてそうそうもらえない」
「またまたご謙遜を」
謙遜なんて一つもしていない。しかし、そう言ったところで信じてもらえないのは明白なので、俺は諦めることにした。弟の目には、両手にチョコレートいっぱいの俺が映っているに違いなかった。
「僕が女子だったら、泉井さんに十個くらいチョコを用意してると思います」
「十個は多くない?」
「そうですか? じゃあ五個くらいにしておきます」
「一個で十分だろ」
弟との他愛ない雑談は、嫌いじゃなかった。期待するような目とか、近い距離感に対しては思うところはあるけれど、やはり嫌いではない。弟との会話で、俺は話題探しをしたことがなかった。変な緊張感はいつの間にか消え、それなりに楽しい時間が過ぎていた。
ふいに、弟が時計を見上げた。
「もうこんな時間ですね」
残念そうな表情が、俺の視線を掠める。前もそうだった。帰りたくないと言い出しそうな表情で、俺を見つめるのだ。そんな顔をされても困る。
「そろそろ帰ります」
切り出したのは弟だった。外を見れば、もう薄暗い。そうか、と乾いた声が喉から出た。こんな時間ももう終わりである。
「送って行こうか」
「いえ! 滅相もありません! 泉井さんはごゆっくりどうぞ」
弟は立ち上がると、さっと鞄を持った。
「すいません、長居してしまって」
「今日は、どうせ親も遅いからさ。もうちょっと居てくれても良いくらいだよ」
「あ。そ、そうなんですか」
「でも、そっちの家族が心配するだろうしな。ジャムありがとうって、お母さんに伝えといて」
「はい」
俺も立ち上がり、玄関まで見送ることにする。弟は行儀よく靴を履きながら、「恋人を作るなら、あらかじめ報告して下さいね」なんて背を向けている。
「はいはい」
生返事をしていると、靴を履き終えた弟が振り返った。
「じゃあ、また今度」
そして、さも当然のように右手を出してきた。例の、謎の握手タイムだ。右手を出すと、ぎゅうと握られた。俺の方が手が大きいので、ちょっとせせこましい気分だ。日常的に握手をすることがない俺にとって、この時間は毎回不思議体験である。
「弟はアメリカ人か何かか?」
「いいえ、れっきとした日本男児です」
「ああそう」
「泉井さんの手は、大きいですよね」
「え? まあ、普通じゃない?」
「そうですか。今日は、本当にありがとうございました」
弟は、「お邪魔しました」と四十五度ほど頭を下げ、姿を消した。扉が静かに閉まる。靴音がしだいに遠ざかって行った。鍵を閉めて、部屋へと戻る。
一人だった。部屋の温度が、急に下がったようだ。明るいはずの部屋に、どことなく薄暗さを覚える。いや、これはいつも通りの光景だ。
「……寂しんぼかっつの」
一人ツッコミをして、ごろんと床に寝転がる。いろいろ思うところはありつつ、結局楽しいのだ。またボードゲームがやりたいなあと思いつつ、何気なく右手を空に翳した。弟の体温は、とっくに消え去っている。
案外あいつも人間らしいところがあったんだなと思いながら、今日得た弟の情報を反芻した。得体の知れない奴と思っていた弟も、知ってみれば普通の人間なのだ。まあ、血統書付きではあるが。
さてこれから何をしようか、宿題や家事と、何なりある。白い天井を眺めていると、突然違和感が頭を過った。
何かがおかしい気がする。俺は上半身を起こした。何かとは、つまりは弟だ。何がおかしいのか、俺は弟の会話を一から思い出そうとする。しかし、俺の頭はあまり出来が良くないらしく、大まかな流れしか思い出せない。記憶の引き出しを探り、あれでもないこれでもない、としばらく考える。
そうだ、と俺は気付いた。半分聞き流していたけれど、冷静な気持ちで考えてみれば、おかしなことがある。
「恋人を作るなら、あらかじめ報告して下さいね」
この言葉だ。
もし弟が俺のことをそういう意味で好きだとすれば、そんなことは言わないのではないか。いや、言わないはずだ。だって、好きな人に恋人が出来たら、ショックじゃないか。あえてそんなことを本人に向かって言うなんて、そんなの。
さーっと、気分が変わる。感情が、さ迷い始めた。あれ、おかしいな。そんな文字が頭の中をぐるぐると回った。
「…………勘違いか」
自分の喉から、思いのほか低い声が出た。
全ては、俺の勘違いだった。
動揺していた。動揺している自分に動揺した。赤いやら青いやら、きっと今は百面相していることだろう。
弟が俺に向けている感情は、恋愛的なものとは異なっているのだ。当然そうだ。何を勘違いして、勝手に悩んでいたのだろう。馬鹿みたいだ。あいつには、ちゃんと好きな人がいて、それは俺じゃないのである。結論が出て、床に大きな穴が開いたような気分になった。
しばらく、自分の感情を受け止めきれず、俺はぼんやりとしていた。きっと、困惑しているだけなのだ。気持ちが混乱し、動揺している。落ち着け俺。
頭を抱えた。浮かぶのは、弟の笑顔だ。
「…………」
時間だけが、無駄に過ぎて行った。時間は有限である。俺だって暇ではない。
重い腰を上げ、夕食作りを始めた。
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