40 / 159
40話
しおりを挟む
美味しそう!
ホカホカと湯気の上がる食事。
神殿では、大丈夫だと言っても毒味されて冷えたものを口にするしかなかった。
毒が入っていても解毒できるし気にしないでと言ってもダメだった。
それが、筆頭聖女。
「うわぁ…温かいだけでご馳走ですね」
呟いてしまった声が食堂に響いて、俺はあわてて口を押さえた。
一斉に振り向かれる事はなかったが、食事中の騎士達の耳がこちらを向いているのがわかる。
「すみません…あの、団長と、自分のなのですが…」
ワゴンを押しながら配膳の騎士見習いに声を掛ける。
すると、何故か大盛りの食事が出てきた。
「たっぷり食べてな?それと、これ…おまけ」
何故か甘味…プディングだろうか、それが3個。
団長が2個?
それにしても甘味が出るのも嬉しい。
「ありがとうございます。
今度、時間があったら配膳だけでも手伝いに来ますね?」
何もやらないわけにいかないからと、そう伝えて頭を下げる。
トレイを乗せると、温かいうちにとミゲル様の執務室に向かった。
俺の姿を見たミゲル様は、ペンを置いてからソファーの方でふたりで食べるかと言う。
向かい合ってですか?と、驚くと何か問題かあるのかと首を傾げた。
言われるままに食事を置くと、新しいお茶を用意してからテーブルに付く。
温かい食事なんて久し振りだと溢すと、今まで何を食っていたのかと笑われた。
軍医見習いの時もあまり温かい食事はなくて、冷めたものばかりだったが慣れていたからそんなものだと思っていた。
ミゲル様が俺のトレイにプディングを乗せてくれたため、結局3個残さず食べてお腹一杯になり、俺は苦しみながら食器を片付けた。
そのついでに厨房で皿洗いを始める。
厨房担当が慌てて飛び出してきたが、やらせてくれと拝み倒して任せてもらい、シンクの中の食器は全て洗い上げて片付けた。
ホカホカと湯気の上がる食事。
神殿では、大丈夫だと言っても毒味されて冷えたものを口にするしかなかった。
毒が入っていても解毒できるし気にしないでと言ってもダメだった。
それが、筆頭聖女。
「うわぁ…温かいだけでご馳走ですね」
呟いてしまった声が食堂に響いて、俺はあわてて口を押さえた。
一斉に振り向かれる事はなかったが、食事中の騎士達の耳がこちらを向いているのがわかる。
「すみません…あの、団長と、自分のなのですが…」
ワゴンを押しながら配膳の騎士見習いに声を掛ける。
すると、何故か大盛りの食事が出てきた。
「たっぷり食べてな?それと、これ…おまけ」
何故か甘味…プディングだろうか、それが3個。
団長が2個?
それにしても甘味が出るのも嬉しい。
「ありがとうございます。
今度、時間があったら配膳だけでも手伝いに来ますね?」
何もやらないわけにいかないからと、そう伝えて頭を下げる。
トレイを乗せると、温かいうちにとミゲル様の執務室に向かった。
俺の姿を見たミゲル様は、ペンを置いてからソファーの方でふたりで食べるかと言う。
向かい合ってですか?と、驚くと何か問題かあるのかと首を傾げた。
言われるままに食事を置くと、新しいお茶を用意してからテーブルに付く。
温かい食事なんて久し振りだと溢すと、今まで何を食っていたのかと笑われた。
軍医見習いの時もあまり温かい食事はなくて、冷めたものばかりだったが慣れていたからそんなものだと思っていた。
ミゲル様が俺のトレイにプディングを乗せてくれたため、結局3個残さず食べてお腹一杯になり、俺は苦しみながら食器を片付けた。
そのついでに厨房で皿洗いを始める。
厨房担当が慌てて飛び出してきたが、やらせてくれと拝み倒して任せてもらい、シンクの中の食器は全て洗い上げて片付けた。
64
お気に入りに追加
2,132
あなたにおすすめの小説
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
【BL】婚約破棄で『不能男』認定された公爵に憑依したから、やり返すことにした。~計画で元婚約者の相手を狙ったら溺愛された~
楠ノ木雫
BL
俺が憑依したのは、容姿端麗で由緒正しい公爵家の当主だった。憑依する前日、婚約者に婚約破棄をされ『不能男認定』をされた、クズ公爵に。
これから俺がこの公爵として生きていくことになっしまったが、流石の俺も『不能男』にはキレたため、元婚約者に仕返しをする事を決意する。
計画のために、元婚約者の今の婚約者、第二皇子を狙うが……
※以前作ったものを改稿しBL版にリメイクしました。
※他のサイトにも投稿しています。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる