321 / 466
327話
しおりを挟む
「レヴィ、美味しいね」
口の中に広がる芳醇な甘さ。
それを紅茶の少しの渋みが引き立てていつにも無い美味しさだった。
「癖になりそう……頻繁に食べたくなっちゃう」
「別に毎日食べていいんだぞ?」
レヴィがそう言うが、俺は頭を横に振る。
「今度は三人で来よう?チョコレートは美味しいけど、絶対に太るし……」
美味しいものは総じてカロリーが高い。
そう言えば、獣人皆筋肉質が多いことに気づく。
ダイエットしなきゃダメじゃないか俺……。
そんな事を思いながらもついつい食べてしまう。
「リクトはもっと太れ……リルも軽すぎて心配してたぞ?ミラとそんなに変わらないだろ?」
レヴィの言葉にそれは無いだろうと相手を見る。
ミラはまだまだ子供なのだ。
いや、これが成人した女性ならミラに失礼だぞ?
「そんな訳ないって、食べたら頑張って歩くよ……」
3個目のチョコレートを口に入れてそうレヴィに伝える。
「なら、少し遠回りするか?たまには聖樹の所に行ってもいいしな。王宮の聖樹を見ていたが街の聖樹は久しぶりだろ?」
「あ、そうだね!たまには行きたい……王宮の聖樹も育ったかなぁ」
今はルスとライで手一杯だが、ゆくゆくはもう何人か子供が欲しいと思っているから、そっとリボンに刺繍出来るように準備はしている。
「近いうちに王宮も行かなきゃならないから、その時に見てこような?」
「うん」
口の中のチョコレートが溶けると、俺は紅茶を飲み干した。
口内の甘さが喉を通りそれを感じてからカップを置いた。
「じゃあ、そろそろ行くか」
先に立ち上がったレヴィの手にある袋の中身はほぼほぼ無いようで、とても美味しかったらしい。
「レヴィ、もしよかったら俺のはまだ残ってるから食べて?」
そう言ってチョコレートを押し付けた。レヴィは苦笑しながらお土産を含めた全てをバッグに袋ごと入れると行こうかと手を差し出してきた。
俺はその手を掴んで店を出た。
口の中に広がる芳醇な甘さ。
それを紅茶の少しの渋みが引き立てていつにも無い美味しさだった。
「癖になりそう……頻繁に食べたくなっちゃう」
「別に毎日食べていいんだぞ?」
レヴィがそう言うが、俺は頭を横に振る。
「今度は三人で来よう?チョコレートは美味しいけど、絶対に太るし……」
美味しいものは総じてカロリーが高い。
そう言えば、獣人皆筋肉質が多いことに気づく。
ダイエットしなきゃダメじゃないか俺……。
そんな事を思いながらもついつい食べてしまう。
「リクトはもっと太れ……リルも軽すぎて心配してたぞ?ミラとそんなに変わらないだろ?」
レヴィの言葉にそれは無いだろうと相手を見る。
ミラはまだまだ子供なのだ。
いや、これが成人した女性ならミラに失礼だぞ?
「そんな訳ないって、食べたら頑張って歩くよ……」
3個目のチョコレートを口に入れてそうレヴィに伝える。
「なら、少し遠回りするか?たまには聖樹の所に行ってもいいしな。王宮の聖樹を見ていたが街の聖樹は久しぶりだろ?」
「あ、そうだね!たまには行きたい……王宮の聖樹も育ったかなぁ」
今はルスとライで手一杯だが、ゆくゆくはもう何人か子供が欲しいと思っているから、そっとリボンに刺繍出来るように準備はしている。
「近いうちに王宮も行かなきゃならないから、その時に見てこような?」
「うん」
口の中のチョコレートが溶けると、俺は紅茶を飲み干した。
口内の甘さが喉を通りそれを感じてからカップを置いた。
「じゃあ、そろそろ行くか」
先に立ち上がったレヴィの手にある袋の中身はほぼほぼ無いようで、とても美味しかったらしい。
「レヴィ、もしよかったら俺のはまだ残ってるから食べて?」
そう言ってチョコレートを押し付けた。レヴィは苦笑しながらお土産を含めた全てをバッグに袋ごと入れると行こうかと手を差し出してきた。
俺はその手を掴んで店を出た。
205
お気に入りに追加
5,319
あなたにおすすめの小説


獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。

僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します

異世界へ下宿屋と共にトリップしたようで。
やの有麻
BL
山に囲まれた小さな村で下宿屋を営んでる倉科 静。29歳で独身。
昨日泊めた外国人を玄関の前で見送り家の中へ入ると、疲労が溜まってたのか急に眠くなり玄関の前で倒れてしまった。そして気付いたら住み慣れた下宿屋と共に異世界へとトリップしてしまったらしい!・・・え?どーゆうこと?
前編・後編・あとがきの3話です。1話7~8千文字。0時に更新。
*ご都合主義で適当に書きました。実際にこんな村はありません。
*フィクションです。感想は受付ますが、法律が~国が~など現実を突き詰めないでください。あくまで私が描いた空想世界です。
*男性出産関連の表現がちょっと入ってます。苦手な方はオススメしません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる