【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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326話

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「これ、美味しそう」
中にチョコレートクリームが入っているという、粒状のチョコレート。
「レヴィはどれにする?こっちのホワイトチョコレートもいいけど」
先に自分達が食べたい物を選んでからお土産を買おうと決めた。 
「どれも美味しそう......」
俺はゆっくりチョコレートを選ぶ。
トレイに俺が選んだチョコレートを店員が取って行ってくれる。一つ二つとトレイにチョコレートが増えていく。
そして、食べられないくらいに増えてしまうと諦めて袋に入れてもらう事にした。
「随分と選んだな」
クスクスと笑うレヴィが選んだのは俺の倍近くあった。
「レヴィこそ、食べ切れる?」
「あぁ、大丈夫だ」
レヴィも包んで貰いながら、今度はお土産を選ぶ。
リルには先程のお酒の入ったチョコレート。ミトさんとルーファスさんにはフルーツピューレの入ったものを選んだ。
ミラには、まだ早いかもしれないと思いながらも一番大きな薔薇を型取り一枚ずつ花弁を外して食べられるものを選んだ。これなら目でも楽しめるだろうと。
それぞれを綺麗にラッピングしてもらうのと、お菓子用に割れたチョコレートやチョコレートチップも購入すると、俺達は支払いを済ませてから併設している喫茶店へ入る。
そこでは購入したチョコレートを食べたり、ホットチョコレート等の飲み物があったりする。
甘い香りに包まれたその空間を楽しみながら、レヴィとテーブルについて購入したチョコレートを取り出すと、店員さんが取り分け用のお皿とメニューを運んでくれた。
ホットチョコレートに目を惹かれたが、甘い物尽くしになってしまうからと俺は紅茶にした。
ミルクティーだと甘さが打ち消しあってしまうから。
レヴィも同じものにするらしく、紅茶を注文すると俺は少し置かれた皿にチョコレートを取り出した。
三粒取り出したチョコレートの一つを口にすると、ふわりと鼻に抜けるのはラム酒だと思う。
お酒はあまり飲まないが、このくらいなら酔わないだろう。
「うわぁ、いい匂いで美味しい」
溶けるような舌触りは日本で味わっていた高級チョコレート店のものと代わりない。
「そうか、良かったな」
そう笑うレヴィの皿には沢山のチョコレート。
それをひょいと口に入れる。レヴィの大きな手と比べると凄くチョコレートが小さく見えた。
「そう言えば生チョコレートやトリュフが無かったなぁ……あれも美味しいんだけど、作り方がわからないから帰ったら調べてみようかな……冷蔵庫にいれておかなきゃいけないから扱うのは大変だけど」
俺は運ばれてきた紅茶を口にしてホッと息を吐き出した。
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