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閑話・セフィーリア-1-
しおりを挟む(何故?何故、あたくしの結婚相手はレオルナード様ではないの?!)
纏っている純白のウェディングドレスも典型的な貴族のボンボンであるマティウス(18)ではなく、美形になる事が確実で魔力・身体能力共に常人離れしているレオルナード(15)の為であればどんなに嬉しかった事か───。
本日の華燭の典の主役の一人であるセフィーリア(18)は悲愴な面持ちで溜め息を漏らす。
(レオルナード様・・・)
「セフィーリア、マティウスと共に幸せになるのだよ」
「お父様・・・」
(あたくしがレオルナード様をお慕いしている事を知った上でマティウスに嫁げと仰る。お父様・・・貴方には人の心がないのですか!?)
マティウスが待つ祭壇まで花嫁と共にバージンロードを歩くエセルバードの言葉に深く傷ついたセフィーリアは静かに涙を流す。
(レオルナード様・・・どうかマティウスからあたくしを攫って下さいませ!!)
精霊王と人間との間に産まれたイケメンでありながら身分が低い故に王女と引き裂かれた男が結婚式当日に現れて、神の前で愛を誓う前に王女と共に外見・能力共に平凡な結婚相手から連れ去るという小説をベースにしている演劇がセフィーリアは好きだった。
だって、その物語は自分達の関係をそのまま表しているようなものだから。
(レオルナード様!)
そのような展開になる事を神に祈りながらセフィーリアはマティウスの隣に立つのだった。
※セフィーリアはレオルナードの身体能力が常人離れしているのは母親が異世界人だからという事と、異世界人を親に持つ子供の身体能力が常人離れしているのがフリューリングでは普通だからです。
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