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④砂金を売る-1-
しおりを挟む秋から冬へと変わりゆく景色を眺めながら道を歩き、襲ってくるモンスターは【暁の剣】が倒して解体。
食べる事が出来るモンスターの肉は奈緒美が美味しく調理する。
対モンスター戦において奈緒美はというと、ただ見ているだけだった。
奈緒美は柔道・空手・剣道の有段者であってもモンスターとの戦い方なんて知らない。
そんな人間が戦いに割り込んでしまったら彼等の邪魔になるだけだと判断したからだ。
その代わりと言っては何だが、奈緒美は【暁の剣】のメンバーに見られないように種でこっそり栽培した調味料と野菜、そしてモンスターの肉を使った料理を出すいう風に雑用に徹していた。
暁の剣と行動を共にする事二週間。
遂に一行は目的地であるアームズの町に到着した。
町に入る時は身分証明書を出さないといけないのだが、奈緒美はサファイアス帝国の召喚に巻き込まれた日本人。
ルヴァンの世界というか、サファイアス帝国かパールディア王国で発行している身分証明書なんて持っていない。
過疎化が進んで誰も居なくなった小さな島から来たという設定にしている奈緒美は運転免許証を出す事にした。
「何て書いてあるんだ?」
門番らしき兵士達は見た事のない文字に首を傾げるが、高ランク冒険者である暁の剣のメンバーが『奈緒美は他国の、それも遥かに遠い島からやって来た人間だから自分達が知らない文字を使っていても不思議ではない』という説明に納得してくれたようだ。
冒険者として生きて行くなら冒険者ギルド、商いをするなら商業ギルド、職人として生きて行くなら職人ギルドに登録して身分証明書を発行するようにと言うと、兵士達は奈緒美を町に入れてくれた。
「ナオミさんとはここでお別れだな・・・」
奈緒美が作る料理が美味しい事もあるが、性格も気に入っていたバーナード達は名残惜しそうに声を掛ける。
「ナオミさんはこれからどうするんだ?」
「・・・・・・まだ決めていませんが、まずはアームズの町でどこかの店でウェイトレス・・・給仕かメイド、或いは商いをしようかと思っています」
柔道・空手・剣道で対人戦は出来るかも知れないが、自分は死と隣り合わせの世界で生きてきた訳ではない。
アデライトのように魔法が使えたら冒険者になる選択肢もあったのかも知れないが、魔法を使えない自分が冒険者として生きて行くのは難易度が高すぎる。
「もし商人となった私が成功して・・・アームズの町から商売で別の町に行く時は皆さんに護衛依頼を冒険者ギルドに出しますよ」
「その日が来るのを、俺達は首を長くして待っているぜ!」
短い間だったが奈緒美と過ごした時間は楽しかったと言ったバーナード達は、自分達が倒したモンスターの素材を売る為に冒険者ギルドへと向かう。
「まずはお金を作らないといけないのよね・・・」
スキル【種】から作った砂金を売る為、奈緒美は商業ギルドへと向かうのだった。
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