1日休んだだけなのに

東門 大

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第1章 保健室に呼ばれただけなのに

1-4 訴えてやる

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「最近、私に変なあだ名をつけた子がいるらしいんだけどー中川は知らないかなあ」

 そう言うとお尻を思いっきりツネってきた。

「うぐっ、やめて」

 僕は、日頃からムカついていたこの独身女教師が芸人のオカリナに似ていたことから、影でオカリナと呼んで馬鹿にしていたのだった。

 つねられた痛さで足をバタバタさせていると、沙知代先生はお尻から手を離し、これまで黙って見ていた加奈子先生に話しかけた。

「頑張りすぎて、手がいたくなってしまったわ。先生、あれ取ってちょうだいよ」

「えっ、沙知代先生、あれはまだ早いんじゃないの?中川君初めてだし」

 僕はこの会話を聞きながら、お尻ペンペンをされる格好のままでいる恥ずかしさと、お尻の痛さ、そしてこれから起こるであろうことに恐怖を感じ、とにかく逃げ出したいという気持ちが強くなってきた。

「やっぱりこんなのおかしい。体罰だ!教育委員会に訴えてやる」

 残った力を絞り出し、最後の抵抗をしてみせた。

「あら、まだそんなことが言えるのね。うれしいわ中川君。こんなお猿さんみたいに真っ赤なお尻にされているのに、なかなか男の子なのね」

 僕のお尻をなでながらうれしそうに答えたのは、加奈子先生だった。そして絶望的なことを告げてきた。

「でもどうやって報告するの?まさか、体重測定の時ボッキしたら、お尻ペンペンされましたってママに報告するの?」

 そんなこと言えるはずがない……。僕は思った。今起きている出来事は、誰にも知られてはならないのだ、こんな恥ずかしいことがみんなに知られたら、学校にいられなくなってしまう。

「よかったわ、中川君あまりヒイヒイ言うから、もうダメだと思ったけど……まだまだ元気がありそうね。沙知代先生おやりなさいよ。」

 その後、ガサガサと机の引き出しを探る音と、パチンとゴムを弾くような音が聞こえてきた。

 僕は何か恐ろしいことが起きるのでないかと思い、動くことができなかった。

 すると膝まで下ろされていたブリーフが完全に脱がされ、足の拘束が解かれた。
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