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第三章 リベラティオへの旅路
第211話 緊急事態
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「ピュ~カナ! ピュ~ピュ~カナ!」
ミコ声がする……?
うっ……頭が。頭痛と共に、意識が朦朧としている。
そう言えば俺は何をしていたのだろうか?
眠っていたかの様なうっすらとした意識が、時間と共に徐々にハッキリしてきた。
「──な、な、な! 何だこれ!」
目を開けると、俺は限りなく地面に近いところで浮いていたのだ。
しかも、その地面はかなりの早さで動いている、驚かない訳がない。
「──あ、カナデさん~! 起きましたか~!」
上からハーモニーの声がするぞ?
体と首を捻り何とか上を見ると、ソコにはハーモニーとティアが二人乗りで、馬のような生き物に乗っている姿が見えた。
思い出した! 確か、俺は何かに引かれたんだ。
あの時確か、ハーモニーが何か言っていたような……。
そうだ、メスコーンの名前を出していたぞ! じゃぁこの馬って。
更に体を捻ると、俺の甚平を咥えながら走るメスコーンの姿が見えた。
「お前か~! お前が俺を引いたのか!!」
見えた……確かに見えたぞ! 吹っ飛ぶ瞬間、白くて大きな塊が!
普通召喚者とか転生者って、異世界に来る前に引かれるのが定番だろ?
何でここで引かれないといけないんだよ!?
マジックバックではしゃいでいたミコが、急に真顔になり俺を見てきた。──なんだかんだ言って、ミコも俺を心配してくれたのか? もう長い付き合いだけど、素直に嬉しいぜ。
「ミコ……危ないから、マジックバックの中に」
しかしミコは、俺の忠告を聞かず何かを口にしたのだ。
「──うんまぁ! 芳しい、芳しいわ! 垂れちゃう、ヨダレが垂れちゃう……! カナデ、お気の毒カナ」
「お、おいメスコーン、マジでやめてくれ!」
何の心配だよ、聞きたくなかった……本当に聞きたくなかった!
しかし、身動きが取れない今の俺にはどうすることもできないのだ……。
「カナデさん、ヨダレ所じゃ無いんです! トゥナさんが……トゥナさんが!」
ハーモニーの言葉に冷静さを取り戻す。──な、なんだって!
「トゥ、トゥナがどうかしたのか!」
彼女の慌てぶりが尋常じゃない。町中の移動に、メスコーンを持ち出すほどだ。もしかして、余程酷い病だったのか?
「ハッキリとは分かりません……急に意識を失ってとてもつらそうにうなされているのです~! 勿論、お医者さんにも見せました……。でも『キメラだ……』と一言だけ残して、匙を投げ逃げ出したのです~!」
おいおい、どうなってるんだよ!? 意味がわからないぞ? キメラってなんだよ……。
この前まで、あんなに元気に大活躍してたのに。──そうだティアもこの事知って!
先程からティアの様子がおかしい……余程心配なのだろうな?
顔面を蒼白にして、ハーモニー抱き締めながらも小刻みに震えている様にも見える。
「ティ……ティア……」
トゥナの事も勿論心配だ。
しかし俺は、同時に今までトゥナに依存していたティアの事も心配になった。
「や、宿にもうじき着きますよ~……見えました~!」
看板が出ている建物の前で、メスコーンは急停止した。そして咥えてた俺を離し、俺は無事に突っ伏した状態で地面に降りる事が出来た。
「──ハーモニー、部屋の場所を教えてくれ!」
「中に入って、右の通路の突き当たりの部屋です~!」
右の通路だな、よし!
「分かった。すまないが、ハーモニーはメスコーンを頼む! ティア行くぞ!」
ティアの手を握ると、震えているのが分かる。
もしかしたら、彼女には先ほどの【キメラ】の言葉に、思い当たる節があるのかもしれない……。
手を引き、宿屋に入るなり俺達はトゥナがいる部屋に向かった。
「この部屋か? トゥナ、大丈夫か! トゥナ!」
ドアノブを回すが、扉には鍵がかかっていた。俺は居ても立っても居られずに、大声を上げて乱暴にドアをノックした。
すると錠の開く音と共に、扉が開かれたのだ。
「なんや……病人がいるんやで、静かに」
「──フォ、フォルトゥナ様!」
ドアの前に居たルームを押し退けるように、ティアがトゥナの元へと駆け寄った。
「すまないな、ルーム……心配だったんだ」と、彼女に声を掛け、俺もトゥナの様子を見るため近づいた。
「こんなにも苦しそうにうなされて……さぞかしお辛いのですね」
ティアはトゥナの手を握り、瞳からポロポロと涙を次々と流す。
その姿を見て、俺は立っている事しかできなかった。
「私はバカです。フォルトゥナ様がこんなにも苦しんでいるのに、うつつを抜かしておりました……申し訳ありません。本当に……申し訳ありません!」
ハーモニーもルームも、いつの間にか俺の隣に立っていた。──くそ、いったいどうなっているんだ!
ミコ声がする……?
うっ……頭が。頭痛と共に、意識が朦朧としている。
そう言えば俺は何をしていたのだろうか?
眠っていたかの様なうっすらとした意識が、時間と共に徐々にハッキリしてきた。
「──な、な、な! 何だこれ!」
目を開けると、俺は限りなく地面に近いところで浮いていたのだ。
しかも、その地面はかなりの早さで動いている、驚かない訳がない。
「──あ、カナデさん~! 起きましたか~!」
上からハーモニーの声がするぞ?
体と首を捻り何とか上を見ると、ソコにはハーモニーとティアが二人乗りで、馬のような生き物に乗っている姿が見えた。
思い出した! 確か、俺は何かに引かれたんだ。
あの時確か、ハーモニーが何か言っていたような……。
そうだ、メスコーンの名前を出していたぞ! じゃぁこの馬って。
更に体を捻ると、俺の甚平を咥えながら走るメスコーンの姿が見えた。
「お前か~! お前が俺を引いたのか!!」
見えた……確かに見えたぞ! 吹っ飛ぶ瞬間、白くて大きな塊が!
普通召喚者とか転生者って、異世界に来る前に引かれるのが定番だろ?
何でここで引かれないといけないんだよ!?
マジックバックではしゃいでいたミコが、急に真顔になり俺を見てきた。──なんだかんだ言って、ミコも俺を心配してくれたのか? もう長い付き合いだけど、素直に嬉しいぜ。
「ミコ……危ないから、マジックバックの中に」
しかしミコは、俺の忠告を聞かず何かを口にしたのだ。
「──うんまぁ! 芳しい、芳しいわ! 垂れちゃう、ヨダレが垂れちゃう……! カナデ、お気の毒カナ」
「お、おいメスコーン、マジでやめてくれ!」
何の心配だよ、聞きたくなかった……本当に聞きたくなかった!
しかし、身動きが取れない今の俺にはどうすることもできないのだ……。
「カナデさん、ヨダレ所じゃ無いんです! トゥナさんが……トゥナさんが!」
ハーモニーの言葉に冷静さを取り戻す。──な、なんだって!
「トゥ、トゥナがどうかしたのか!」
彼女の慌てぶりが尋常じゃない。町中の移動に、メスコーンを持ち出すほどだ。もしかして、余程酷い病だったのか?
「ハッキリとは分かりません……急に意識を失ってとてもつらそうにうなされているのです~! 勿論、お医者さんにも見せました……。でも『キメラだ……』と一言だけ残して、匙を投げ逃げ出したのです~!」
おいおい、どうなってるんだよ!? 意味がわからないぞ? キメラってなんだよ……。
この前まで、あんなに元気に大活躍してたのに。──そうだティアもこの事知って!
先程からティアの様子がおかしい……余程心配なのだろうな?
顔面を蒼白にして、ハーモニー抱き締めながらも小刻みに震えている様にも見える。
「ティ……ティア……」
トゥナの事も勿論心配だ。
しかし俺は、同時に今までトゥナに依存していたティアの事も心配になった。
「や、宿にもうじき着きますよ~……見えました~!」
看板が出ている建物の前で、メスコーンは急停止した。そして咥えてた俺を離し、俺は無事に突っ伏した状態で地面に降りる事が出来た。
「──ハーモニー、部屋の場所を教えてくれ!」
「中に入って、右の通路の突き当たりの部屋です~!」
右の通路だな、よし!
「分かった。すまないが、ハーモニーはメスコーンを頼む! ティア行くぞ!」
ティアの手を握ると、震えているのが分かる。
もしかしたら、彼女には先ほどの【キメラ】の言葉に、思い当たる節があるのかもしれない……。
手を引き、宿屋に入るなり俺達はトゥナがいる部屋に向かった。
「この部屋か? トゥナ、大丈夫か! トゥナ!」
ドアノブを回すが、扉には鍵がかかっていた。俺は居ても立っても居られずに、大声を上げて乱暴にドアをノックした。
すると錠の開く音と共に、扉が開かれたのだ。
「なんや……病人がいるんやで、静かに」
「──フォ、フォルトゥナ様!」
ドアの前に居たルームを押し退けるように、ティアがトゥナの元へと駆け寄った。
「すまないな、ルーム……心配だったんだ」と、彼女に声を掛け、俺もトゥナの様子を見るため近づいた。
「こんなにも苦しそうにうなされて……さぞかしお辛いのですね」
ティアはトゥナの手を握り、瞳からポロポロと涙を次々と流す。
その姿を見て、俺は立っている事しかできなかった。
「私はバカです。フォルトゥナ様がこんなにも苦しんでいるのに、うつつを抜かしておりました……申し訳ありません。本当に……申し訳ありません!」
ハーモニーもルームも、いつの間にか俺の隣に立っていた。──くそ、いったいどうなっているんだ!
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