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新興宗教の奇天烈乱舞
未知の術式
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彼が失せていく。危機の時にこそ、第六感は進化を遂げる。
激しい流動によって、優希とサラは彼方に飛ばされる思いだった。実際の所はイリイチの射程範囲から離れただけではあるものの、驚きのあまり誰もが息を呑むのだ。
「こ、これが第六感?金と赤の放射線がアイツを守るように纏って…。ね、ねェ、イリイチ!あんた大丈夫なの?」
優希の声を遮り、彼を装う放射線が、人を喰い殺し、生命を吸い取る人喰い鬼が直感で怯えを覚える。逃げ出そうとする彼らは、イリイチの放つ無差別爆撃によって肉体の1部と残さずに消え去ったのだった。
「あァ…。不思議といい気分だ。電子制御によって生まれた金の鷲の羽根。一号式による意思解析の先鋭化。気持ち悪いはずなのに…。とてもいい気分だ。」
遠くを見つめる彼を止める術はない。同じく第六感を持つ妹はこの場には居らず、因果の末に対比的な超能力を持つ翔も同様だ。
意思を吸い続けないと第一号式は崩壊する。少しづつではあるが、周りに散らばる信者たちの意思が抜け出されていく。黒い炎のようなそれは、人間が人間として最も必要なもの、そして人間が人間であるために唯一必要なもの。意思が抜けた人間はこの世の記憶から消えてしまう。
「……本当の意味での殺人鬼。意思の集合体として、その頂点に立つものが第六感。今までは止める人間がいたようですが…。美味しい所を頂けるようですなァ。」
誰も近寄れない異様な舞台に、乱入して来た者がそこに立つ。
「初めましてお嬢さんたち。創始真理会の会長です。早速ですが、取引と行きましょう。今、彼ことイリイチを置いて立ち去るのなら、この宗教を畳んであらゆる犯罪の実行者を出頭させましょう。貴方たち学園横浜の顔も立ちますし、私にとってもその方が得ですのでね。」
「……狂ってる。イリイチさんが教祖に気を配ってたってことの意味はそういうことだったのか。」
「そういうことです。サラ・ルビンシュタインさん。棚からぼたもちと言いましょうか、親が生きていればこの集団は復活出来る。だから私は隠れようとしていましたが…。彼の超能力は神が宿っている。悔しいですが、負けを認めるしかない。だから彼が欲しい。よろしいd…!」
自分のことは自分が1番理解している。その彼が未知の世界と言うからには、その世界には、何が起きても不思議ではない。
狂気がこびり付いた笑顔が全員確かに確認出来た。蛇に見込まれた蛙の如くに、教祖は緩やかに自らに向かってくるイリイチに何も出来ずに立ち尽くす。
「……ヒヒッ!」
骨が軋む音が鳴り響くと、教祖の首はへし折られた。生命維持状態は相変わらずデットゾーンにも到達していないが、呼吸が出来ない彼は遅かれ早かれ死ぬ定めだろう。
「Kkわわなささややはたなやあや!!!」
感情が昂り、ロシア語、英語、日本語、中国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、その他言語を訛りなく話すことが出来る彼の面影が消えていく。
「…も、こ、て、く、r!」
サラと優希は、一切の躊躇のない無慈悲に行われる死体蹴りに恐怖以外の感情が出てこない。自然と繋いだ手のまま、無意識の内に抱き合うのだった。
激しい流動によって、優希とサラは彼方に飛ばされる思いだった。実際の所はイリイチの射程範囲から離れただけではあるものの、驚きのあまり誰もが息を呑むのだ。
「こ、これが第六感?金と赤の放射線がアイツを守るように纏って…。ね、ねェ、イリイチ!あんた大丈夫なの?」
優希の声を遮り、彼を装う放射線が、人を喰い殺し、生命を吸い取る人喰い鬼が直感で怯えを覚える。逃げ出そうとする彼らは、イリイチの放つ無差別爆撃によって肉体の1部と残さずに消え去ったのだった。
「あァ…。不思議といい気分だ。電子制御によって生まれた金の鷲の羽根。一号式による意思解析の先鋭化。気持ち悪いはずなのに…。とてもいい気分だ。」
遠くを見つめる彼を止める術はない。同じく第六感を持つ妹はこの場には居らず、因果の末に対比的な超能力を持つ翔も同様だ。
意思を吸い続けないと第一号式は崩壊する。少しづつではあるが、周りに散らばる信者たちの意思が抜け出されていく。黒い炎のようなそれは、人間が人間として最も必要なもの、そして人間が人間であるために唯一必要なもの。意思が抜けた人間はこの世の記憶から消えてしまう。
「……本当の意味での殺人鬼。意思の集合体として、その頂点に立つものが第六感。今までは止める人間がいたようですが…。美味しい所を頂けるようですなァ。」
誰も近寄れない異様な舞台に、乱入して来た者がそこに立つ。
「初めましてお嬢さんたち。創始真理会の会長です。早速ですが、取引と行きましょう。今、彼ことイリイチを置いて立ち去るのなら、この宗教を畳んであらゆる犯罪の実行者を出頭させましょう。貴方たち学園横浜の顔も立ちますし、私にとってもその方が得ですのでね。」
「……狂ってる。イリイチさんが教祖に気を配ってたってことの意味はそういうことだったのか。」
「そういうことです。サラ・ルビンシュタインさん。棚からぼたもちと言いましょうか、親が生きていればこの集団は復活出来る。だから私は隠れようとしていましたが…。彼の超能力は神が宿っている。悔しいですが、負けを認めるしかない。だから彼が欲しい。よろしいd…!」
自分のことは自分が1番理解している。その彼が未知の世界と言うからには、その世界には、何が起きても不思議ではない。
狂気がこびり付いた笑顔が全員確かに確認出来た。蛇に見込まれた蛙の如くに、教祖は緩やかに自らに向かってくるイリイチに何も出来ずに立ち尽くす。
「……ヒヒッ!」
骨が軋む音が鳴り響くと、教祖の首はへし折られた。生命維持状態は相変わらずデットゾーンにも到達していないが、呼吸が出来ない彼は遅かれ早かれ死ぬ定めだろう。
「Kkわわなささややはたなやあや!!!」
感情が昂り、ロシア語、英語、日本語、中国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、その他言語を訛りなく話すことが出来る彼の面影が消えていく。
「…も、こ、て、く、r!」
サラと優希は、一切の躊躇のない無慈悲に行われる死体蹴りに恐怖以外の感情が出てこない。自然と繋いだ手のまま、無意識の内に抱き合うのだった。
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