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全ての陰謀を終わらせる陰謀

4次元空間

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思えば行き当たりばったりの人生だった。地元には幼なじみ以外に味方がいないことも、内申が足りないが故に地元最底辺の高校にすら入れなかったことも、才能を見出されて学園横浜に幼なじみと共に入ったことも、そこでやはり友だちはできなかったことも、そして今、4次元空間に閉じ込められて立ち往生していることも。
「気づくのが遅いよ…。この空間は私を会して存在している。つまりは、私がもう1回3次元に繋げなければ、外に出ることも叶わない…。あの子たちになんの恨みがあるのか知らないけど…外に出す気は1厘たりともない…!」
冷気はより強まり、氷点下40°の空間は遅かれ早かれ未来の行動すべてを停止させるだろう。優希の冷気量自在超能力は、3次元であれば即座に氷点下状態を解除できるが、この未来が即興で作りあげた別の次元空間においてそれは通用しない。未来が死んだとして、その次に死ぬのは自分、優希自身だ。
「あんた…死にたいの?」
「愚直な疑問を言わないでよ…。死にたくないに決まってるじゃない。死にたくて死にたくてしょうがなかったのはもう卒業した…のよ…。」
肌寒さが最盛状態の日本列島に住んでいるからには、2人ともそれなりに厚着ではある。だが、さすがに-40°に対応できるほどの服装ではない。もう先は見えていた。
「………」
それでも未来の顔に絶望はない。まるで生き延びられるのが分かっているように。この不安定な状況を変貌させる切り札があるように。
「寒くて仕方が無いみたいだから…お話してあげよか?…この空間は私が作りだしたもの…。特殊な術式を打ち込むことで作りあげた模擬的な4次元空間…。私はいつも1人ぼっちで…そんな私にも唯一無二の親友ができた…。いつもカッコ良くて、強くて、そして誰よりも優しい子…。」
「何が言いたいの?自慢?そこまで私を貶したいの?」
優希の思考回路は被害妄想がかなりの割合を締めている。決して自慢でも貶す目的でもない未来のお喋りは、彼女からすれば不快なもの以外の何者でもない。それでも未来は話を続ける。
1…その子は必ず私を助けに来る…!」
この場合は、優希の考えていることが正論になるだろう。仮にアクセス権を持っていたとしても、この現状を知らなければ何もすることはない。外界にてこの状態を知っている者は2人いるが、その2人は未来の言うのことを知っているわけがない。強がりやはったりに似た戯言にしか聞こえないのだ。
「馬鹿じゃないの!?私もあんたも!ここで死ぬのよ!仕方ないでしょうが!」
自暴自棄になった者と、全く諦めていない者、対照的なのは、外界から来る助けであった。
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