4 / 74
第一章
4.美女に叱られました
しおりを挟む
「で、貴方はなんで森で迷ってたの? 計画的に午前中に出れば、隣町に着いたでしょう?」
「それは……」
僕は今までのことをかいつまんで話した。ミクタで職人見習いをしていたが、10回もクビになっていたこと。色々な商品を作ったけど才能がないと言われたこと。クビになって再就職しようとしたら、ギルド長の話を聞いてしまい、たまらず飛び出したこと。話しているうちに情けなくなって、涙が止まらなくなってしまう。
「なるほどね。でもそれ、ホントに悪いのはギルド長だけ?」
「え?!」
「え? じゃないわよ、貴方は職人でしょ? 職人なら自分の技能がどの位置にあるか把握して当然じゃないの? 今まで作り出してきたもの、開発した技術、親方の技能だって見ていたはずでしょ? 今までの親方と貴方、技能が高いと思うのはどっちよ?」
「わかりません……いつも仕事に夢中で、親方と話すのは新しい技術を開発するときだけでした。でも最後に雇ってくれた親方は、間違いなく僕より上です」
「10人も親方に師事して、確かに自分より上と思うのが最後の親方だけぇ?! 馬鹿じゃないの? 職人なら親方をちゃんと見なさいよ! そんなんだから搾取されても気が付かないんでしょ!」
返す言葉がない。確かに僕は言われるがままに仕事をしてきた。モノを作るのは好きだし、楽しかったからいつも夢中で周りなんて見ていなかった。職人はそれでいいって思っていた。だけど、それは一流の職人だけだ。僕はまだ見習いだったのだから、もっと周りを見ればよかったんだ。親方の仕事、同僚の仕事を見ていれば自分のレベルは分かったはずだ。それなのに、いつも才能がないと言われればそうなんだと思い込んでいた。実際、僕は自分がどの程度のレベルなのか知らない。
「その職人ギルドとやらも大概だけどね。貴方が開発したものが売れたなら、ロイヤリティを払うのは当然なのに」
「ろいやりてぃ?」
聞いたことない言葉なので聞いてみると、使用料ということらしい。僕が作ったもので100Gの利益が出れば、その何割かをもらえるらしい。なんだよそれ! 僕が開発したものは100を超える。どのくらい売れているかは知らないけど、いろいろな店で売ってるのは見かける。その度に誇らしい気持ちだったけど、なんてもったいないことをしていたんだ。
「コンビニなら5割から3割程度のロイヤリティね」
コンビニは知らないが、5割って何ですか?!
「ご、ごわり?!」
「まぁ、あれは取りすぎね。色々問題にもなっていたし。せいぜい純利益の2割か3割ってとこが妥当な線かしら」
それでもすごいよ! ものすごくもったいないことをしてたんじゃないかと思う。
「でもいまさら言っても無理よ。こういうのは最初が肝心なんだから」
「確かに、その通りです……」
「まぁ、暇だったし次は搾取されないように面接の練習をしましょ? どんなことができるのか、私にプレゼンしてくれる?」
「それは……」
僕は今までのことをかいつまんで話した。ミクタで職人見習いをしていたが、10回もクビになっていたこと。色々な商品を作ったけど才能がないと言われたこと。クビになって再就職しようとしたら、ギルド長の話を聞いてしまい、たまらず飛び出したこと。話しているうちに情けなくなって、涙が止まらなくなってしまう。
「なるほどね。でもそれ、ホントに悪いのはギルド長だけ?」
「え?!」
「え? じゃないわよ、貴方は職人でしょ? 職人なら自分の技能がどの位置にあるか把握して当然じゃないの? 今まで作り出してきたもの、開発した技術、親方の技能だって見ていたはずでしょ? 今までの親方と貴方、技能が高いと思うのはどっちよ?」
「わかりません……いつも仕事に夢中で、親方と話すのは新しい技術を開発するときだけでした。でも最後に雇ってくれた親方は、間違いなく僕より上です」
「10人も親方に師事して、確かに自分より上と思うのが最後の親方だけぇ?! 馬鹿じゃないの? 職人なら親方をちゃんと見なさいよ! そんなんだから搾取されても気が付かないんでしょ!」
返す言葉がない。確かに僕は言われるがままに仕事をしてきた。モノを作るのは好きだし、楽しかったからいつも夢中で周りなんて見ていなかった。職人はそれでいいって思っていた。だけど、それは一流の職人だけだ。僕はまだ見習いだったのだから、もっと周りを見ればよかったんだ。親方の仕事、同僚の仕事を見ていれば自分のレベルは分かったはずだ。それなのに、いつも才能がないと言われればそうなんだと思い込んでいた。実際、僕は自分がどの程度のレベルなのか知らない。
「その職人ギルドとやらも大概だけどね。貴方が開発したものが売れたなら、ロイヤリティを払うのは当然なのに」
「ろいやりてぃ?」
聞いたことない言葉なので聞いてみると、使用料ということらしい。僕が作ったもので100Gの利益が出れば、その何割かをもらえるらしい。なんだよそれ! 僕が開発したものは100を超える。どのくらい売れているかは知らないけど、いろいろな店で売ってるのは見かける。その度に誇らしい気持ちだったけど、なんてもったいないことをしていたんだ。
「コンビニなら5割から3割程度のロイヤリティね」
コンビニは知らないが、5割って何ですか?!
「ご、ごわり?!」
「まぁ、あれは取りすぎね。色々問題にもなっていたし。せいぜい純利益の2割か3割ってとこが妥当な線かしら」
それでもすごいよ! ものすごくもったいないことをしてたんじゃないかと思う。
「でもいまさら言っても無理よ。こういうのは最初が肝心なんだから」
「確かに、その通りです……」
「まぁ、暇だったし次は搾取されないように面接の練習をしましょ? どんなことができるのか、私にプレゼンしてくれる?」
1
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる