気弱ドワーフと転生エルフの産業革命

編端みどり

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第一章

5.面接の練習をしました

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「えっと、マイスといいます。今まで、馬車の幌を制作したり、銀細工、ガラス細工、楽器制作、鍋制作、大工、水路整備、農具制作、宝石加工、魔道具作成をやっていました」

美少女エルフのお姉さんが、面接の練習をしてくれる。緊張するなぁ。

「多いわ!!!」

「え?! すいません、すいません」

「すいません禁止。いい? そうやって謝るだけで自信がないと思われるわ! それだけ渡り歩いてるのも、できないからだと思われる! そうなるとどうなる!」

「雇って貰えません」

「そうよ! ここは自信満々にいくのよ! 自信がある技術から順に伝えるのは基本! いつくかはまとめちゃいなさい。特に自信があるものは複数回言ってアピールよ!」

「マイスといいます。魔道具作成が得意ですが、他にも細工物や、大工として建物なども作れます。また、生活用品や楽器を作る事も可能です。魔道具は、特に自信があります!」

「よし! 分かりやすい!」

「ありがとうございます」

褒められる事が少なかったから、嬉しくなる。この人、良い人だね。

「明日がんばって面接してきなさい! 今日はこの部屋貸してあげるからゆっくり寝なさい」

「はい、あ、お礼に宿泊代とか」

「そんなのいいわ」

「でも、申し訳ないですし……」

「貴方、お金ないんでしょ? 就職してもすぐ給与は出ないのよ? 隣町で住むところも探さなきゃいけないし、お金は多い方が良いでしょ?」

「それは……そうですけど、せめて何かお礼をさせてください」

そう言うと、彼女は家のちょっとした修理を頼んできた。ドアが開きにくいそうだ。これくらいなら大した事ないし、すぐに修理した。

「すごい……めちゃくちゃ早いし、丁寧。これが本物の職人の技術なの……?」

すごく褒めてくれるね。嬉しいな。

「あの、他にもあればやりますよ?」

「他は良いわ。それより、もし良ければで良いんだけど、貴方が今まで作ったものを色々教えてくれないかな?」

「え? あ、はい」

僕は、今まで作ったものを全部話した。最初はニコニコしていた美女の顔がみるみる曇っていく。なんだろ、たいしたことないもの作りやがってとか思われてる? 最後に、師匠と作ったマジックバッグを見せる。

「貴方ねぇ……」

「は、はぃ!」

美女がお怒りだ。これは明らかに怒っている。やばい、目が吊り上がって無茶苦茶コワイ。

「なんでこんだけのものを作成できて、才能がないと思うのよ。最後のマジックバッグって古代の遺跡にしかないやつよ? それを作れるって自分がどれだけの価値があるか分からないの?」

「すすす、すいませぇん!」
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