67 / 866
第一章・救国の王女
62.一通の報せ2
しおりを挟む
「おねぇちゃん? おーい、おねぇちゃーん?」
「っはぁ!? 突然の胸きゅんシチュに脳がキャパオーバーしてたわ………」
「きゃぱ…なんて?」
「いやなんでもない気にしないで」
シュヴァルツの声でようやく現実に引き戻された私は、太鼓でも叩いてるのかってぐらいうるさい心臓を落ち着かせる為に何度か深呼吸する。
現実逃避から戻った際に変な事を口走ったが、まぁ大丈夫でしょう。完璧に誤魔化せたし。
手紙と食料の手配はもう済んだ体でいよう。次は現地で手洗いうがいを広める事と、治癒をする事……そして感染方法と草死病の発生源の究明。
それを明らかにしない限り、例え今、首の皮一枚繋がろうとも後々第二波第三波でトドメを刺される事だろう。
この三つの項目は実際にオセロマイト王国にまで行かないと不可能だ。
「…よし、今からケイリオル卿の所に行くわよ。長期間外出する事になるから、それについて伝えておかないと」
流石に無断で暫く皇宮を空けては、大なり小なり問題になりかねない。だからこそケイリオルさんに一言残しておいた方がいいだろうと思ったのだ。
私の発言を聞いて、頬に冷や汗を滲ませるマクベスタが恐る恐るとばかりに口を開いた。
「お前、まさか、オセロマイトまで行くつもりなのか…?」
「えぇそうよ」
そう返すと、マクベスタはぎょっと目を見開いた。
突き動かされたようにこちらまで駆け寄って来たかと思えば、私の両肩を鷲掴みにして必死の形相を作る。
「今のオセロマイトは危険なんだ、お前だって病に罹って死んでしまうかもしれないんだぞ!?」
目と鼻の先にマクベスタの顔が見える。いつも眩しいと思っていた翡翠の瞳が、悲痛に歪んでいる。
「それは貴方だって同じよ。貴方、あの手紙を見た瞬間…絶対一人で帰ろうと思ったでしょう」
「っ!?」
驚愕するマクベスタ。彼の性格からして、こんな報せが齎されてじっとしている筈が無い。
「お見通しよ、それぐらい。でも貴方一人が行った所で何も出来ないでしょう? 病にだって罹る可能性があるじゃない」
「…っだが! 今もなお祖国が危機に晒されていると言うのに何もしない訳には!!」
マクベスタは今、冷静さを欠いている。そりゃああんな手紙が送られてきたら誰だって冷静じゃなくなる。
冷静だろうが冷静じゃなかろうが、彼が一人で国に戻った所で出来る事なんてたかが知れてる。
このままではマクベスタが無駄に犠牲になるだけだ。
「だから私が動くのよ! 私なら、まだ何とか出来る可能性がある!! 貴方一人じゃ無理でも、私の力かあればまだ何とかなるかもしれない。例えマクベスタが私を拒否したとしても、私は自分の意思でオセロマイト王国へと向かう。誰かが不可能だと言っても、私は可能な限り足掻いてみせる!」
こうなると知っていたにも関わらずここまで何も出来なかった事への贖罪。
破滅を見過ごせないと言う私の残り数少ない人間らしい感情の衝動。
いつかの未来でやるせない表情で哀しみを語るマクベスタを救いたい偽善。
これは、そんな自分勝手なものでしかないのだ。
「………そういう訳だから、私はこれから長期外出の許可を取ってその足でオセロマイト王国へと向かう。貴方はどうするの、マクベスタ?」
私の肩を鷲掴みにしていた彼の手からは力が完全に抜け、重力に従うかのようにぶらりと垂れ下がっていた。
しかし程なくしてその手に力が入る。震える程に強く握られたその拳は、まるでマクベスタの決意の程を物語っているかのようだった。
「……オレも一緒行かせてくれ。お前の言う通り、この状況でオレに出来る事なんて何も無い。だけどそれでも、祖国を放ってはおけないんだ」
俯くマクベスタからそんな思いが聞こえてくる。
「他国の…それも王女たるお前にこんな事を頼むのはどうかと思うが、だが頼む……っ! オセロマイトを、オレの国を救ってくれ!!」
目の前でマクベスタは深く頭を下げた。彼の切実な願いに、私はある台詞を思い出した──『オレには、帰る家が…もう無いんだ』……今から数年後の彼が言う事になる筈だった、悲しい言葉。
だが私はそれを許さない。絶対に、マクベスタにこんな事を言わせない。
「──任せて。貴方の帰る家は、私が絶対に守ってみせるから」
まだ何とかなると決まりきった訳では無いが、私が何とかするのは確定している事だ。
だからこそ私は宣言しよう。もう後戻りなんて出来ない……まぁ、するつもりもないけどね。
絶対に後には引けなくなってしまったんだ、これはもう、私の命を賭けてでもやり遂げてみせる。
「……おねぇちゃんおねぇちゃん、それぼくも行っていい?」
その時、突然シュヴァルツが私のドレスをくいっと引っ張り、上目遣いで見上げてくる。
「え? いや、でも危ないよ?」
「ぼくねぇ、すっごく健康なの。だから病気なんてへっちゃらなんだ!」
「そ、そうなんだ…危ないから絶対に私から離れないって約束出来る?」
「うん!」
多分駄目って言ってもこの子は駄々をこねるだろうからなぁ…と私はシュヴァルツの要求を受け入れる事にした。その代わりにちょっとだけ約束して貰ったけども。
兎のようにぴょんぴょん跳ね回りながら「わぁいお出かけだぁ~!」と騒ぐ辺り、神経が図太いのか事態を理解していないのか……後者かな、シュヴァルツの場合。
「とにかく」
パンっと手を鳴らすとシュヴァルツは騒ぎ回るのを止めて、その場で立ち止まってこちらを見た。
マクベスタも顔を上げたのを確認し、私はこの後の動きについて話す。
「今からケイリオル卿に許可を取って、ある程度の荷物を纏めて…まずはリードさんの所に向かう。この件にはあの人の協力が必要不可欠だから」
状態異常を治す治癒魔法なんてもう上級も上級の部類らしいのだが……何せリードさんはポンポン治癒魔法を使い付与魔法まであっさりと使う人だ。
相当な実力者である事は間違いない。なので、多分、状態異常を治す治癒魔法だって使えるだろう…と言う希望的観測に過ぎないのだが。とにかく頼るだけ頼りたいのだ。
しかしここでリードさんを知らないマクベスタが、リードとやらは一体誰なんだと零す。
奴隷商の一件でお世話になったお兄さんだと簡単に説明するとマクベスタは、
(どうしてそうすぐに見知らぬ人と仲良くなるんだお前は)
と言いたげな瞳でじっとこちらを見て、ため息をついた。
リードさんがいい人なのが悪いのよーと心の中で文句を垂れる。
するとシュヴァルツが「はぁい」と言って緩く挙手したので、私は何事かと尋ねた。
「病気を治すんだったらあの眼帯の人の所の目が悪い人にも頼むべきだと思うよぉー」
「…シャルに? なんで?」
「だってあの人毒の魔力持ちでしょぉ? 病を相殺出来るのは病だけって昔から相場が決まってるじゃーん」
シュヴァルツの言っている意味が分からず…私とマクベスタは顔を見合わせ、
(どゆこと?)
(分からん)
と首を傾げたり首を横に振ったりしていた。
確かにシャルは毒の魔力を持っているようなのだが、それが何故病を相殺するなんて話に繋がるのか……全く分からない。
うーんと顎に手を当てて悩む私達を見て、シュヴァルツが不服そうに頬を丸く膨らませて続けた。
「人間の定義では病と毒は相違ないものでしょう? どちらも人体を害するもの、どちらも生命を枯らすもの……だからね、毒の魔力は病も消せちゃうの。病の魔力でも毒を消せちゃうようにね!」
シュヴァルツの話を、私達は唖然としながら聞いていた。まさに寝耳に水……なんだそのめちゃくちゃな話は。
何でそんな事をシュヴァルツが知っているのかはとりあえず置いといて、私はそれを聞いて一つ、頭に電撃が走るように気づいた事があったのだ。
「…つまり、人間の体にとっては病は『毒』だから……毒の魔力で病を治せるって事?」
「そうそう! 流石だよおねぇちゃんっ、ぼくが言いたかったのはそれー!」
シュヴァルツが満足そうに無邪気な笑顔を咲かせる。
しかし私の頭の中は未だに混乱していた。何なんだその主観に拠る魔法の使い方は……私が言えた限りでは無いかもしれないが。
確かに人体にとって病とは毒のようなもの。だからって病を毒の魔力で消せるとかありなんですかそれ…? 毒の魔力最強じゃねそれ……?
人間とはこの世界にとって毒だ! とか決めつけたら人間も消せるって事?? え、本当のチートですか??
「何をもってして毒と決めるかはその人次第だけどぉ、毒の魔力が干渉出来る他の魔力は今の所…えーっと、病と腐だけだったと思うからそれ以外の魔力の分野の事は出来ないと思うよぉ~」
まるで私の疑問に答えるかのようにシュヴァルツが話す。
ニコニコヘラヘラとしながら彼が話すそれは、この世界の魔法研究ではまだ辿り着いていない境地のものだった。
前々から変な子とは思っていたけれど、今日になってそれが一気に加速した。
(シュヴァルツって何者なの!?)
(いやお前が連れて来た子供だろう)
(私だって何も知らないんですけど)
(何で何も知らない子供を連れて来たんだ…?)
もう一度マクベスタの方を見て、私達はそうやって目で会話していた。勿論これで合ってる保証は無い。何となくの感じだ。
しかし…思わずこんな事をしてしまう程、シュヴァルツと言う少年の知識や言動の不可解さが凄まじいのだ。
「…魔法に随分詳しいね、シュヴァルツ」
「本当っ? えへへ、魔法の事はたっくさん研究してたからねー!」
あまりにも気になって仕方なかったので、そう声をかけてみた所……シュヴァルツからは目が浄化されそうな程に眩しい笑顔が帰ってきた。
ご両親が研究者とかだったのかしら。親の影響で特定の分野に詳しくなるなんて言う話はよく聞くし。ひとまずこれで辻褄は合う筈だ。
でも…だとしたら何故シュヴァルツのご両親は研究成果の発表とかをしなかったのか、その疑問が残る。
ただ、この事に言及しても何となくではあるがはぐらかされる気がしてしまうのだ。シュヴァルツは妙に自分の事を話したがらないから。
「っはぁ!? 突然の胸きゅんシチュに脳がキャパオーバーしてたわ………」
「きゃぱ…なんて?」
「いやなんでもない気にしないで」
シュヴァルツの声でようやく現実に引き戻された私は、太鼓でも叩いてるのかってぐらいうるさい心臓を落ち着かせる為に何度か深呼吸する。
現実逃避から戻った際に変な事を口走ったが、まぁ大丈夫でしょう。完璧に誤魔化せたし。
手紙と食料の手配はもう済んだ体でいよう。次は現地で手洗いうがいを広める事と、治癒をする事……そして感染方法と草死病の発生源の究明。
それを明らかにしない限り、例え今、首の皮一枚繋がろうとも後々第二波第三波でトドメを刺される事だろう。
この三つの項目は実際にオセロマイト王国にまで行かないと不可能だ。
「…よし、今からケイリオル卿の所に行くわよ。長期間外出する事になるから、それについて伝えておかないと」
流石に無断で暫く皇宮を空けては、大なり小なり問題になりかねない。だからこそケイリオルさんに一言残しておいた方がいいだろうと思ったのだ。
私の発言を聞いて、頬に冷や汗を滲ませるマクベスタが恐る恐るとばかりに口を開いた。
「お前、まさか、オセロマイトまで行くつもりなのか…?」
「えぇそうよ」
そう返すと、マクベスタはぎょっと目を見開いた。
突き動かされたようにこちらまで駆け寄って来たかと思えば、私の両肩を鷲掴みにして必死の形相を作る。
「今のオセロマイトは危険なんだ、お前だって病に罹って死んでしまうかもしれないんだぞ!?」
目と鼻の先にマクベスタの顔が見える。いつも眩しいと思っていた翡翠の瞳が、悲痛に歪んでいる。
「それは貴方だって同じよ。貴方、あの手紙を見た瞬間…絶対一人で帰ろうと思ったでしょう」
「っ!?」
驚愕するマクベスタ。彼の性格からして、こんな報せが齎されてじっとしている筈が無い。
「お見通しよ、それぐらい。でも貴方一人が行った所で何も出来ないでしょう? 病にだって罹る可能性があるじゃない」
「…っだが! 今もなお祖国が危機に晒されていると言うのに何もしない訳には!!」
マクベスタは今、冷静さを欠いている。そりゃああんな手紙が送られてきたら誰だって冷静じゃなくなる。
冷静だろうが冷静じゃなかろうが、彼が一人で国に戻った所で出来る事なんてたかが知れてる。
このままではマクベスタが無駄に犠牲になるだけだ。
「だから私が動くのよ! 私なら、まだ何とか出来る可能性がある!! 貴方一人じゃ無理でも、私の力かあればまだ何とかなるかもしれない。例えマクベスタが私を拒否したとしても、私は自分の意思でオセロマイト王国へと向かう。誰かが不可能だと言っても、私は可能な限り足掻いてみせる!」
こうなると知っていたにも関わらずここまで何も出来なかった事への贖罪。
破滅を見過ごせないと言う私の残り数少ない人間らしい感情の衝動。
いつかの未来でやるせない表情で哀しみを語るマクベスタを救いたい偽善。
これは、そんな自分勝手なものでしかないのだ。
「………そういう訳だから、私はこれから長期外出の許可を取ってその足でオセロマイト王国へと向かう。貴方はどうするの、マクベスタ?」
私の肩を鷲掴みにしていた彼の手からは力が完全に抜け、重力に従うかのようにぶらりと垂れ下がっていた。
しかし程なくしてその手に力が入る。震える程に強く握られたその拳は、まるでマクベスタの決意の程を物語っているかのようだった。
「……オレも一緒行かせてくれ。お前の言う通り、この状況でオレに出来る事なんて何も無い。だけどそれでも、祖国を放ってはおけないんだ」
俯くマクベスタからそんな思いが聞こえてくる。
「他国の…それも王女たるお前にこんな事を頼むのはどうかと思うが、だが頼む……っ! オセロマイトを、オレの国を救ってくれ!!」
目の前でマクベスタは深く頭を下げた。彼の切実な願いに、私はある台詞を思い出した──『オレには、帰る家が…もう無いんだ』……今から数年後の彼が言う事になる筈だった、悲しい言葉。
だが私はそれを許さない。絶対に、マクベスタにこんな事を言わせない。
「──任せて。貴方の帰る家は、私が絶対に守ってみせるから」
まだ何とかなると決まりきった訳では無いが、私が何とかするのは確定している事だ。
だからこそ私は宣言しよう。もう後戻りなんて出来ない……まぁ、するつもりもないけどね。
絶対に後には引けなくなってしまったんだ、これはもう、私の命を賭けてでもやり遂げてみせる。
「……おねぇちゃんおねぇちゃん、それぼくも行っていい?」
その時、突然シュヴァルツが私のドレスをくいっと引っ張り、上目遣いで見上げてくる。
「え? いや、でも危ないよ?」
「ぼくねぇ、すっごく健康なの。だから病気なんてへっちゃらなんだ!」
「そ、そうなんだ…危ないから絶対に私から離れないって約束出来る?」
「うん!」
多分駄目って言ってもこの子は駄々をこねるだろうからなぁ…と私はシュヴァルツの要求を受け入れる事にした。その代わりにちょっとだけ約束して貰ったけども。
兎のようにぴょんぴょん跳ね回りながら「わぁいお出かけだぁ~!」と騒ぐ辺り、神経が図太いのか事態を理解していないのか……後者かな、シュヴァルツの場合。
「とにかく」
パンっと手を鳴らすとシュヴァルツは騒ぎ回るのを止めて、その場で立ち止まってこちらを見た。
マクベスタも顔を上げたのを確認し、私はこの後の動きについて話す。
「今からケイリオル卿に許可を取って、ある程度の荷物を纏めて…まずはリードさんの所に向かう。この件にはあの人の協力が必要不可欠だから」
状態異常を治す治癒魔法なんてもう上級も上級の部類らしいのだが……何せリードさんはポンポン治癒魔法を使い付与魔法まであっさりと使う人だ。
相当な実力者である事は間違いない。なので、多分、状態異常を治す治癒魔法だって使えるだろう…と言う希望的観測に過ぎないのだが。とにかく頼るだけ頼りたいのだ。
しかしここでリードさんを知らないマクベスタが、リードとやらは一体誰なんだと零す。
奴隷商の一件でお世話になったお兄さんだと簡単に説明するとマクベスタは、
(どうしてそうすぐに見知らぬ人と仲良くなるんだお前は)
と言いたげな瞳でじっとこちらを見て、ため息をついた。
リードさんがいい人なのが悪いのよーと心の中で文句を垂れる。
するとシュヴァルツが「はぁい」と言って緩く挙手したので、私は何事かと尋ねた。
「病気を治すんだったらあの眼帯の人の所の目が悪い人にも頼むべきだと思うよぉー」
「…シャルに? なんで?」
「だってあの人毒の魔力持ちでしょぉ? 病を相殺出来るのは病だけって昔から相場が決まってるじゃーん」
シュヴァルツの言っている意味が分からず…私とマクベスタは顔を見合わせ、
(どゆこと?)
(分からん)
と首を傾げたり首を横に振ったりしていた。
確かにシャルは毒の魔力を持っているようなのだが、それが何故病を相殺するなんて話に繋がるのか……全く分からない。
うーんと顎に手を当てて悩む私達を見て、シュヴァルツが不服そうに頬を丸く膨らませて続けた。
「人間の定義では病と毒は相違ないものでしょう? どちらも人体を害するもの、どちらも生命を枯らすもの……だからね、毒の魔力は病も消せちゃうの。病の魔力でも毒を消せちゃうようにね!」
シュヴァルツの話を、私達は唖然としながら聞いていた。まさに寝耳に水……なんだそのめちゃくちゃな話は。
何でそんな事をシュヴァルツが知っているのかはとりあえず置いといて、私はそれを聞いて一つ、頭に電撃が走るように気づいた事があったのだ。
「…つまり、人間の体にとっては病は『毒』だから……毒の魔力で病を治せるって事?」
「そうそう! 流石だよおねぇちゃんっ、ぼくが言いたかったのはそれー!」
シュヴァルツが満足そうに無邪気な笑顔を咲かせる。
しかし私の頭の中は未だに混乱していた。何なんだその主観に拠る魔法の使い方は……私が言えた限りでは無いかもしれないが。
確かに人体にとって病とは毒のようなもの。だからって病を毒の魔力で消せるとかありなんですかそれ…? 毒の魔力最強じゃねそれ……?
人間とはこの世界にとって毒だ! とか決めつけたら人間も消せるって事?? え、本当のチートですか??
「何をもってして毒と決めるかはその人次第だけどぉ、毒の魔力が干渉出来る他の魔力は今の所…えーっと、病と腐だけだったと思うからそれ以外の魔力の分野の事は出来ないと思うよぉ~」
まるで私の疑問に答えるかのようにシュヴァルツが話す。
ニコニコヘラヘラとしながら彼が話すそれは、この世界の魔法研究ではまだ辿り着いていない境地のものだった。
前々から変な子とは思っていたけれど、今日になってそれが一気に加速した。
(シュヴァルツって何者なの!?)
(いやお前が連れて来た子供だろう)
(私だって何も知らないんですけど)
(何で何も知らない子供を連れて来たんだ…?)
もう一度マクベスタの方を見て、私達はそうやって目で会話していた。勿論これで合ってる保証は無い。何となくの感じだ。
しかし…思わずこんな事をしてしまう程、シュヴァルツと言う少年の知識や言動の不可解さが凄まじいのだ。
「…魔法に随分詳しいね、シュヴァルツ」
「本当っ? えへへ、魔法の事はたっくさん研究してたからねー!」
あまりにも気になって仕方なかったので、そう声をかけてみた所……シュヴァルツからは目が浄化されそうな程に眩しい笑顔が帰ってきた。
ご両親が研究者とかだったのかしら。親の影響で特定の分野に詳しくなるなんて言う話はよく聞くし。ひとまずこれで辻褄は合う筈だ。
でも…だとしたら何故シュヴァルツのご両親は研究成果の発表とかをしなかったのか、その疑問が残る。
ただ、この事に言及しても何となくではあるがはぐらかされる気がしてしまうのだ。シュヴァルツは妙に自分の事を話したがらないから。
5
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
能天気な私は今日も愛される
具なっしー
恋愛
日本でJKライフを謳歌していた凪紗は遅刻しそうになって全力疾走してたらトラックとバコーン衝突して死んじゃったー。そんで、神様とお話しして、目が覚めたら男女比50:1の世界に転生してたー!この世界では女性は宝物のように扱われ猿のようにやりたい放題の女性ばっかり!?そんな中、凪紗ことポピーは日本の常識があるから、天使だ!天使だ!と溺愛されている。この世界と日本のギャップに苦しみながらも、楽観的で能天気な性格で周りに心配される女の子のおはなし。
はじめて小説を書くので誤字とか色々拙いところが多いと思いますが優しく見てくれたら嬉しいです。自分で読みたいのをかいてみます。残酷な描写とかシリアスが苦手なのでかかないです。定番な展開が続きます。飽き性なので褒めてくれたら続くと思いますよろしくお願いします。
※表紙はAI画像です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる