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第五章――③
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アリサはぽかんとした顔を上げ、ルカがロイの言葉を引きつぐように口を開く。
「俺たちは知ってた。お前のそういう汚いところ。でも、お前がどれだけ他人に傷つけられてきたかもなんとなく分かってたから、俺たちの傷を癒してくれた分だけは黙認しようって、付き合ってやろうって思ってた。けど、これ以上はもうダメだ」
「そうだよ。ボクはアリサが笑ってくれればそれでいいって思ってたけど、だんだんキレイな笑顔が見れなくなって寂しかった。元のアリサに戻ってよ」
「出会った頃、君は本当に美しい心をしていた。僕たちはそれに惹かれて忠誠を誓ったんだ。その心はまだ失われていないだろう。今なら取り戻すのは容易いはずだ」
リュイもキーリも、真摯にアリサに語りかける。
彼らは篭絡なんかされていなかった。
それどころか、黒い本性を知りながらも本気でアリサを慕っていた。
意外な事実だ。痛みも忘れて彼らの言葉に耳を傾けた。
しかし、アリサは心動かされることはなく、むしろ憤慨した様子で表情を歪めた。
「つまらないわね。“私”を受け入れてくれない騎士なんかいらないわ」
「アリサ……」
失望か絶望か、騎士たちは愕然とつぶやく。
ここまで言ってくれる人がいるのに、どうして拒絶するのか私には理解できなかった。
「たとえどんなに好きでも、受け入れられることとそうでないことは、誰にでもあるわ。好かれたいなら、愛されたいなら、努力しなきゃいけないことはあることくらい、あなたくらいの歳なら分かるでしょう?」
「そういうクソみたいな正論、反吐が出る」
もはや怒る気も起きない中二病だ。相当こじらせてるな。
「あーあ。戦力としてあてにしてたんだけど、使えない奴に用はないわ」
イーダ、とアリサが口の動きだけで呼ぶと、再び黒い影が音もなく現れ、身構える騎士たちに魔力の弾幕を浴びせた。
各々結界を張って防御して事なきを得たが、しばらくあたりは粉塵が舞い散り灰色に包まれ視界不良になった。
次にどこから攻撃が来るのかと身構えていたが、その煙が晴れた先にはアリサもイーダもいなくなっていた。
「ちっ。何者なんだ、あれは……」
「魔王イーダよ。アリサと契約してるって聞いたけど」
アリサから聞いた話をざっくりと話すと、騎士たちは沈鬱な表情で肩を落とした。
「そうか……でも、なんでイーダとアリサが接触できたんだか。俺たちが言えた義理じゃないが、使徒のユマも気づかなかったのか?」
「ああ。気づかないどころか、あれを前にしても魔王だとは思いもしなかった。あれ自体も巧みに気配を隠しているようだが、契約の影響でアリサの魔力にかなり同化していたから、こちらの目を欺けていたんだろうな。今すぐ追いたいところだが、どこに向かったかも分からないし、杖が……」
そう言いながら、ユマは気落ちした視線を向ける。
彼の言わんとするところを察し、私は慌てて口を挟んだ。
「あの、ユマ。壊れたあれは偽物よ」
「は?」
目をしばたかせるユマに、申し訳ないと思う反面してやったりとも思ったりしながら、タネ明かしをする。
「吹っ飛ばされたのは……というか、始めから持ってたのは幻影の杖よ。あらかじめ作っておいたの。ユマに杖の力を移植してもらったあと、こっそりすり替えて本物はホルスターにしまって、偽物をずっと手に持ってただけ」
そう言って、腰のホルスターに収納された杖を取り出す。
手に杖を持っていれば、ホルスターを注視する者はほとんどいない。し
かも魔法を目の前で使って見せれば、それが偽物だとは誰も思わない。単純にして初歩的なトリックだ。
あくまで杖の力を移植されてる状態だったからできる話であって、単に偽物の杖を持っているだけなら瞬く間に看破されていただろうが。
「どうしてそんなことを……」
「単に、アリサとの対決で私に杖がないと絵的に締まらないって理由だったけど、意外な形で相手の慢心を誘えたみたいだし、結果的には作戦勝ち――」
「ふざけるな!」
ホールにユマの叫びが響く。
「そんなくだらない理由で命を危険に晒したのか? 最初から本物の杖を持っていれば、あんな怪我をせずに済んだし、一歩間違えれば殺されていたかもしれない! なのに、どうして笑っていられるんだ! あんたがこんなに愚かだとは思わなかった!」
ユマらしからぬ激情をほとばしらせた声は、私の心に深く突き刺さった。
彼の言うことはもっともだ。結果的に無事で済んだが、本当に一歩間違えればハティエットごと消し飛んでいた可能性だってあった。
何も知らず傍から見ていたユマからすれば、この怒りは当然だ。甘んじて受け入れねばならない。
謝らなければと思うが、口がうまく動かなかった。
失望されたかもしれない。見放されたかもしれない。
そう思うと、頭が真っ白になって涙が出そうになる。
これは私が感じていることなのか、ハティエットが感じていることなのかは分からない。
どっちにしろ、みっともない顔を見られたくなくて、私は唇を引きむすんでうつむいた。
それを反抗的な態度だと受け取ったのか、ユマは眉をひそめてさらに言い募ろうとしたが、それまで傍観していた騎士たちから制止の声がかかる。
「おい、ユマ。説教よりもまず事情を説明してくれ。俺たちは何がなんだかさっぱりだ」
ユマは舌打ちでもしそうな表情で渋々うなずくと、「場所を変えるか」と言って立ち上がった。
私も彼らについて行こうとしたが、無言で首を振って拒否された。
ショックで体が強張る。今、自分がまともな顔をしている自信がない。
「君は着替えて休んでろってことさ。僭越ながら僕が部屋までエスコートしよう。どうせこの人数が集まるなら食堂だろう。先に行っていてくれ」
フォローするようにキーリは優雅に微笑むと、芝居がかった仕草で私の手を取り、颯爽と歩き出した。
私の部屋とはまったく方向が違うのだが、グルっと回れば行けなくはないし、ユマと顔を合わせたくなくてなすがまま従った。
「あの、ここまででいいわ。気を遣わせてごめんなさい」
みんなの姿が見えなくなるまで歩くと、私は足を止めてキーリの手をほどいた。
「おや、心配しなくても送り狼にはならないよ。淑女のエスコートは紳士の嗜み、いや、この場合は義務かな。そういうわけだから、心置きなく僕を頼ってくれ」
「頼るも何も、私の部屋を知らないでしょう?」
冷静に突っ込みを入れると、しん、と沈黙が落ちる。
「……そういえばそうだな。だが、今の君を一人で帰すのは僕のポリシーに反する。部屋の前まで同行しよう」
しかし、キーリはくじけなかった。どうしてもついて来る気らしい。
これ以上の押し問答は不毛だ。仕方なくキーリの半歩先を歩き、客室までの道のりをたどる。
どちらかといえばおしゃべりな(はずの)キーリだが、空気を読んでいるのか私を警戒しているのか、無駄口は一切叩かず宣言通り部屋の前まで送り届けてくれた。
「ありがとう。今度こそここでいいわ」
「礼などいい。淑女の役に立つのが紳士の喜びだ」
にこりと笑って慇懃に頭を下げ、一度は踵を返したキーリだが、ふと思い出したように振り返ってこう告げた。
「ユマは随分怒ってたけど、決して君のことを嫌いになったわけじゃないよ。むしろ大切だからこそ、あらぬ方向に気持ちが爆発しちゃった感じかな。だから、そんなに悲しそうな顔をしないで、ね?」
眉間のあたりをチョンと突き、キーリは今度こそ去っていた。
大切だから、か。
そりゃあ私も一応は聖女としてこの世界に呼ばれたみたいだし、教育係としては大切にしなきゃいけないよね。
でも、それだけだとしたらなんだかショック……って、三十路にもなって乙女ごっこしてる場合じゃない!
ユマに嫌われたかどうかはさておき、やっちゃったことに落ち込むよりも名誉挽回のために行動しないと。
そう意気込んで私は部屋に戻った。
「俺たちは知ってた。お前のそういう汚いところ。でも、お前がどれだけ他人に傷つけられてきたかもなんとなく分かってたから、俺たちの傷を癒してくれた分だけは黙認しようって、付き合ってやろうって思ってた。けど、これ以上はもうダメだ」
「そうだよ。ボクはアリサが笑ってくれればそれでいいって思ってたけど、だんだんキレイな笑顔が見れなくなって寂しかった。元のアリサに戻ってよ」
「出会った頃、君は本当に美しい心をしていた。僕たちはそれに惹かれて忠誠を誓ったんだ。その心はまだ失われていないだろう。今なら取り戻すのは容易いはずだ」
リュイもキーリも、真摯にアリサに語りかける。
彼らは篭絡なんかされていなかった。
それどころか、黒い本性を知りながらも本気でアリサを慕っていた。
意外な事実だ。痛みも忘れて彼らの言葉に耳を傾けた。
しかし、アリサは心動かされることはなく、むしろ憤慨した様子で表情を歪めた。
「つまらないわね。“私”を受け入れてくれない騎士なんかいらないわ」
「アリサ……」
失望か絶望か、騎士たちは愕然とつぶやく。
ここまで言ってくれる人がいるのに、どうして拒絶するのか私には理解できなかった。
「たとえどんなに好きでも、受け入れられることとそうでないことは、誰にでもあるわ。好かれたいなら、愛されたいなら、努力しなきゃいけないことはあることくらい、あなたくらいの歳なら分かるでしょう?」
「そういうクソみたいな正論、反吐が出る」
もはや怒る気も起きない中二病だ。相当こじらせてるな。
「あーあ。戦力としてあてにしてたんだけど、使えない奴に用はないわ」
イーダ、とアリサが口の動きだけで呼ぶと、再び黒い影が音もなく現れ、身構える騎士たちに魔力の弾幕を浴びせた。
各々結界を張って防御して事なきを得たが、しばらくあたりは粉塵が舞い散り灰色に包まれ視界不良になった。
次にどこから攻撃が来るのかと身構えていたが、その煙が晴れた先にはアリサもイーダもいなくなっていた。
「ちっ。何者なんだ、あれは……」
「魔王イーダよ。アリサと契約してるって聞いたけど」
アリサから聞いた話をざっくりと話すと、騎士たちは沈鬱な表情で肩を落とした。
「そうか……でも、なんでイーダとアリサが接触できたんだか。俺たちが言えた義理じゃないが、使徒のユマも気づかなかったのか?」
「ああ。気づかないどころか、あれを前にしても魔王だとは思いもしなかった。あれ自体も巧みに気配を隠しているようだが、契約の影響でアリサの魔力にかなり同化していたから、こちらの目を欺けていたんだろうな。今すぐ追いたいところだが、どこに向かったかも分からないし、杖が……」
そう言いながら、ユマは気落ちした視線を向ける。
彼の言わんとするところを察し、私は慌てて口を挟んだ。
「あの、ユマ。壊れたあれは偽物よ」
「は?」
目をしばたかせるユマに、申し訳ないと思う反面してやったりとも思ったりしながら、タネ明かしをする。
「吹っ飛ばされたのは……というか、始めから持ってたのは幻影の杖よ。あらかじめ作っておいたの。ユマに杖の力を移植してもらったあと、こっそりすり替えて本物はホルスターにしまって、偽物をずっと手に持ってただけ」
そう言って、腰のホルスターに収納された杖を取り出す。
手に杖を持っていれば、ホルスターを注視する者はほとんどいない。し
かも魔法を目の前で使って見せれば、それが偽物だとは誰も思わない。単純にして初歩的なトリックだ。
あくまで杖の力を移植されてる状態だったからできる話であって、単に偽物の杖を持っているだけなら瞬く間に看破されていただろうが。
「どうしてそんなことを……」
「単に、アリサとの対決で私に杖がないと絵的に締まらないって理由だったけど、意外な形で相手の慢心を誘えたみたいだし、結果的には作戦勝ち――」
「ふざけるな!」
ホールにユマの叫びが響く。
「そんなくだらない理由で命を危険に晒したのか? 最初から本物の杖を持っていれば、あんな怪我をせずに済んだし、一歩間違えれば殺されていたかもしれない! なのに、どうして笑っていられるんだ! あんたがこんなに愚かだとは思わなかった!」
ユマらしからぬ激情をほとばしらせた声は、私の心に深く突き刺さった。
彼の言うことはもっともだ。結果的に無事で済んだが、本当に一歩間違えればハティエットごと消し飛んでいた可能性だってあった。
何も知らず傍から見ていたユマからすれば、この怒りは当然だ。甘んじて受け入れねばならない。
謝らなければと思うが、口がうまく動かなかった。
失望されたかもしれない。見放されたかもしれない。
そう思うと、頭が真っ白になって涙が出そうになる。
これは私が感じていることなのか、ハティエットが感じていることなのかは分からない。
どっちにしろ、みっともない顔を見られたくなくて、私は唇を引きむすんでうつむいた。
それを反抗的な態度だと受け取ったのか、ユマは眉をひそめてさらに言い募ろうとしたが、それまで傍観していた騎士たちから制止の声がかかる。
「おい、ユマ。説教よりもまず事情を説明してくれ。俺たちは何がなんだかさっぱりだ」
ユマは舌打ちでもしそうな表情で渋々うなずくと、「場所を変えるか」と言って立ち上がった。
私も彼らについて行こうとしたが、無言で首を振って拒否された。
ショックで体が強張る。今、自分がまともな顔をしている自信がない。
「君は着替えて休んでろってことさ。僭越ながら僕が部屋までエスコートしよう。どうせこの人数が集まるなら食堂だろう。先に行っていてくれ」
フォローするようにキーリは優雅に微笑むと、芝居がかった仕草で私の手を取り、颯爽と歩き出した。
私の部屋とはまったく方向が違うのだが、グルっと回れば行けなくはないし、ユマと顔を合わせたくなくてなすがまま従った。
「あの、ここまででいいわ。気を遣わせてごめんなさい」
みんなの姿が見えなくなるまで歩くと、私は足を止めてキーリの手をほどいた。
「おや、心配しなくても送り狼にはならないよ。淑女のエスコートは紳士の嗜み、いや、この場合は義務かな。そういうわけだから、心置きなく僕を頼ってくれ」
「頼るも何も、私の部屋を知らないでしょう?」
冷静に突っ込みを入れると、しん、と沈黙が落ちる。
「……そういえばそうだな。だが、今の君を一人で帰すのは僕のポリシーに反する。部屋の前まで同行しよう」
しかし、キーリはくじけなかった。どうしてもついて来る気らしい。
これ以上の押し問答は不毛だ。仕方なくキーリの半歩先を歩き、客室までの道のりをたどる。
どちらかといえばおしゃべりな(はずの)キーリだが、空気を読んでいるのか私を警戒しているのか、無駄口は一切叩かず宣言通り部屋の前まで送り届けてくれた。
「ありがとう。今度こそここでいいわ」
「礼などいい。淑女の役に立つのが紳士の喜びだ」
にこりと笑って慇懃に頭を下げ、一度は踵を返したキーリだが、ふと思い出したように振り返ってこう告げた。
「ユマは随分怒ってたけど、決して君のことを嫌いになったわけじゃないよ。むしろ大切だからこそ、あらぬ方向に気持ちが爆発しちゃった感じかな。だから、そんなに悲しそうな顔をしないで、ね?」
眉間のあたりをチョンと突き、キーリは今度こそ去っていた。
大切だから、か。
そりゃあ私も一応は聖女としてこの世界に呼ばれたみたいだし、教育係としては大切にしなきゃいけないよね。
でも、それだけだとしたらなんだかショック……って、三十路にもなって乙女ごっこしてる場合じゃない!
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