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第三章:傾国の姫君
第30話 それぞれの思惑
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「イルーシャ!!」
ブラッドが退室して少したった頃、カディスがノックもせずに部屋に飛び込んで来た。……毎度のことながら、いい加減にしろ!
わたしがこめかみをひきつらせていると、カディスの後ろからイザトさんが現れた。
「……陛下、女性の部屋に入るのに、取り次ぎもなしではまずすぎます。イルーシャ様、申し訳ありません」
あれ、今回は珍しい人が付いてきたなあ。
「あ、いいえ。イザトさんが謝る必要はないです。いくら言っても学習しないカディスが悪いんで」
「……おまえも容赦ないな」
「カディス、今度やったら叩き出すからね」
わたしは有無を言わせない笑顔でカディスに通告する。
「……一応、俺は王なんだが」
カディスがぼやいたけど、無視。
二人を応接セットに案内すると、わたしも長椅子に腰を下ろした。
「……ブラッドレイから報告を受けたんだが」
「ああ、求婚の件でしょ」
さすがに二回目になると、そう驚かない。……こんなこと何回もある方がどうかしてるけど。
「ブラッドレイに話を聞いたが、おまえがなにかと可愛らしい言動をするから好きなんだそうだ。……しかし、どうしておまえはこう次から次へと面倒を起こすんだ」
カディスにそう言われたことで、わたしはブラッドからわたしを好きになった理由を聞いてなかったことに気が付いた。
「……面倒って、ちょっとそれ、わたしのせい? わたしはブラッドの気持ちをついさっき知ったんだけど」
「ついさっき? ……おまえ、やつになにもされてないだろうな?」
「う、えーと……」
ブラッドに思い切りディープキスされました、などと言えるわけもなく、わたしは真っ赤になって口ごもる。
「イルーシャ様、分かり易すぎです」
わたしが視線をあちこち彷徨わせていると、イザトさんが苦笑する。
「なにをされた。言え」
「なんでそんなことカディスに言わなきゃならないの?」
そんな報告、恥ずかしすぎてやだよ。
「では、質問を変える。やつに口づけられたか?」
「……」
わたしは熱くなる頬を押さえて、黙秘。
「……おまえ、本当に分かり易すぎるぞ」
カディスが呆れたように溜息をつく。うああ、なにも言ってないのにバレバレだよ!
「まさかヒューイにもされていないだろうな」
「されてない、されてない」
わたしは手を横に振って答えた。これは自信を持って言える。ヒューとわたしは清らかな関係だ。
「……まあ、おまえがおもしろい人と言っているくらいだからな。念のため確認したが、ヒューイはそんなに心配することもなさそうだな」
「陛下、その楽観が命取りになるときもありますよ。安心するのは早計かと」
「イ、イザトさん、カディスを焚き付けにきたの?」
イザトさんはカディスを諫めてくれると思ってたから、ちょっとびっくりだ。
「い、いえ、むしろその逆なのですが。逆上した陛下があなたに無体なことをしないかと思って同行したのですが」
わたしはイザトさんの意外な優しさにちょっと感動した。
「あ、そうだったんですか。わざわざすみません。助かります」
「いえ」
わたしがぺこりと頭を下げると、イザトさんも同じように返す。
わたし、今までイザトさんのこと誤解していたみたいだ。取っ付きづらい、お堅そうな人だと思ってたけど、わざわざ心配して来てくれるなんて、とってもいい人じゃない。
「……おまえ達、俺に対して随分な言いようだな」
カディスは足を組むと、そこに頬杖をついた。……ちょっと、拗ねないでよ。
「これで求婚者が四名になったわけだが、イルーシャ、おまえは誰に決めるんだ」
……うー、面倒だなあ。
こんなこと思うのは、わたしに求婚してくれてる人にかなり失礼だと思うけど、これがわたしの正直な気持ちだ。
「……そんなこと言われても、わたしは誰に決めるとかそんなこと全然考えてないよ」
「そうは言うが、いつかは誰かを選ばねばならんぞ」
「わたしは別に一生一人でもいいけど」
今のままでも特に生活に困らないし。
わたしがそう言ったら、カディスはちょっと驚いたみたいだった。
「おまえ、それは枯れすぎだろう」
「陛下はさかりすぎです」
イ、イザトさん、今カディスに向かってさかってるって言ったよ! 実はこういう人だったんだね、びっくり。
「俺の場合はイルーシャ限定だぞ。……どうしたイルーシャ」
カディスの前からイザトさんの前に移動したわたしをカディスが不思議そうに見る。
「身の危険を感じるから近寄らないで」
「……いつも自重しているだろうが」
……あれで、自重しているのか。していなかったらどうなんだ、カディス。
うーん、聞きたいような、聞きたくないような。でも聞いたら後悔しそうだからやめておこう。危ない橋は渡らないに越したことはないよね。
「あ、そうだ。そう言えば、過去視でハーメイ国王の死の場面を見たんだけど」
これはカディスに報告しようと思ってたんで、彼が来てくれたのはちょうどよかった。
「またおまえは厄介なものを見るな」
カディスが渋い顔するのもまあ分かる。なにせ死因があれだからなあ。
「ハーメイ国王が死ぬ前にウィルローと話してた。ウィルローは声だけだったけど」
わたしは二人に見た内容をざっと説明した。
「……新しい王か。たぶん王太子のロアディールのことだろうな」
あ、そうか。王が亡くなれば、次は王太子に王位が移るもんね。
「ハーメイの王太子はギリング王と違って思慮深く、国民の人気も高いそうですが、今のところなにも言ってきませんね」
「しかし、あちらにはウィルローがいる。どう出てくるか分からん」
うーん、世界情勢になると、わたしにはさっぱり分からないや。これからこれについても勉強しないとなあ。
そうして、しばらく二人は話し込んだ後、執務室に帰っていった。
「さて、じゃあ訓練するかな」
わたしはさっきと同じ環境で、カードを使っての訓練を再開した。
もう、一日二日で結果がすぐ出るなんて思わずにじっくりやっていこう。焦っても仕方ないしね。でも、いつか必ず自由に使えるようにするんだ。
わたしは休憩や読書を挟みつつ、就寝前まで訓練に勤しんだ。
──陽が少し傾きかけている。
あ、ブラッドとリューシャが見える。これは昼間の過去視だな。
「わざわざわたしに返すために待っていたのですか」
騎士団の駐屯地の前。待っていたというから、たぶんブラッドが城から帰ってきたときの映像だろう。
「は、はい。どうしてもブラッドレイ様にお会いしたくて。あのっ、マントお返しします! ありがとうございましたっ」
リューシャがぎゅっと目を瞑ってブラッドに綺麗に畳んだマントを差し出す。
「こちらこそありがとうございます」
ブラッドがマントを受け取ると、リューシャが意を決したように顔を上げた。
「あのっ、ブラッドレイ様、いつまでこの村に滞在なされますか?」
「明日には城に戻る予定ですが」
「……明日」
愕然とした表情のリューシャに、わたしは胸が痛んだ。仕方のないこととはいえ、かわいそうだ。
「ではわたしはこれで」
立ち去ろうとするブラッドにリューシャが慌てたように引き留める。
「お、お待ちください! わ、わたし、ブラッドレイ様をお慕いしています!」
振り返ったブラッドの視線を受けて、リューシャは耳まで真っ赤に染めていた。
ああ、可愛いな。……なんでブラッドの好きなのが彼女じゃなくてわたしなんだろう。世の中うまくいかないものだな。
「……申し訳ありません。わたしはあなたの気持ちには応えることができません」
「ブラッドレイ様とわたしでは身分違いなのは分かっています」
どこまでも必死なリューシャ。できるなら彼女には幸せになってもらいたいけれど。
「そういうことではありません」
「では、わ、わたしが汚れているからですか?」
そこでリューシャは泣きそうな顔をした。たぶん、襲われたときのことを思い出しちゃったんだろう。
「違います。わたしには既に求婚している方がいるのです」
ブラッドの言葉にリューシャはかなり衝撃を受けたようだった。胸の前で握りしめる手が震えている。
「そ、その方とご結婚されるのですか!?」
「……それは難しいでしょうね。かの方には身分の高い求婚者が何名もいますから」
「そ、その方はさぞお美しい方なんでしょうね。イルーシャ姫様のような」
無理に笑いながらリューシャが冗談めかして言う。その言葉にブラッドが瞳を見開いた。
そこでブラッドの動揺を感じ取ったリューシャは信じられないと言うように首を横に振る。
「……まさか、本当にイルーシャ姫様なのですか?」
ブラッドは一瞬しまったというような顔をすると、珍しく迷うような様子を見せる。そして、彼はやがて頷いた。
「そうです。ですから、あなたのお気持ちには応えられません。申し訳ありません」
「そ、そうですか。イルーシャ姫様相手に、わたしなんかがかなうわけないですものね……」
──そんなことない。リューシャは可愛いよ!
呆然とするリューシャに、ブラッドが頭を下げる。それが彼女に見えていたかはかなり怪しい。
「誠に申し訳ありません。失礼します」
ブラッドがそう言って立ち去った後も、リューシャはその場にずっと立ちすくんでいた。
そして場面が変わる。かなり暗い、夜かな。
暗闇に目が慣れてきたところで、馬が何頭もいるのが確認できた。厩だろうか。
ぐるっと見回していると、なにかが天井からぶら下がっているのに気が付いた。近寄るとそれは人だった。
ブラッドが退室して少したった頃、カディスがノックもせずに部屋に飛び込んで来た。……毎度のことながら、いい加減にしろ!
わたしがこめかみをひきつらせていると、カディスの後ろからイザトさんが現れた。
「……陛下、女性の部屋に入るのに、取り次ぎもなしではまずすぎます。イルーシャ様、申し訳ありません」
あれ、今回は珍しい人が付いてきたなあ。
「あ、いいえ。イザトさんが謝る必要はないです。いくら言っても学習しないカディスが悪いんで」
「……おまえも容赦ないな」
「カディス、今度やったら叩き出すからね」
わたしは有無を言わせない笑顔でカディスに通告する。
「……一応、俺は王なんだが」
カディスがぼやいたけど、無視。
二人を応接セットに案内すると、わたしも長椅子に腰を下ろした。
「……ブラッドレイから報告を受けたんだが」
「ああ、求婚の件でしょ」
さすがに二回目になると、そう驚かない。……こんなこと何回もある方がどうかしてるけど。
「ブラッドレイに話を聞いたが、おまえがなにかと可愛らしい言動をするから好きなんだそうだ。……しかし、どうしておまえはこう次から次へと面倒を起こすんだ」
カディスにそう言われたことで、わたしはブラッドからわたしを好きになった理由を聞いてなかったことに気が付いた。
「……面倒って、ちょっとそれ、わたしのせい? わたしはブラッドの気持ちをついさっき知ったんだけど」
「ついさっき? ……おまえ、やつになにもされてないだろうな?」
「う、えーと……」
ブラッドに思い切りディープキスされました、などと言えるわけもなく、わたしは真っ赤になって口ごもる。
「イルーシャ様、分かり易すぎです」
わたしが視線をあちこち彷徨わせていると、イザトさんが苦笑する。
「なにをされた。言え」
「なんでそんなことカディスに言わなきゃならないの?」
そんな報告、恥ずかしすぎてやだよ。
「では、質問を変える。やつに口づけられたか?」
「……」
わたしは熱くなる頬を押さえて、黙秘。
「……おまえ、本当に分かり易すぎるぞ」
カディスが呆れたように溜息をつく。うああ、なにも言ってないのにバレバレだよ!
「まさかヒューイにもされていないだろうな」
「されてない、されてない」
わたしは手を横に振って答えた。これは自信を持って言える。ヒューとわたしは清らかな関係だ。
「……まあ、おまえがおもしろい人と言っているくらいだからな。念のため確認したが、ヒューイはそんなに心配することもなさそうだな」
「陛下、その楽観が命取りになるときもありますよ。安心するのは早計かと」
「イ、イザトさん、カディスを焚き付けにきたの?」
イザトさんはカディスを諫めてくれると思ってたから、ちょっとびっくりだ。
「い、いえ、むしろその逆なのですが。逆上した陛下があなたに無体なことをしないかと思って同行したのですが」
わたしはイザトさんの意外な優しさにちょっと感動した。
「あ、そうだったんですか。わざわざすみません。助かります」
「いえ」
わたしがぺこりと頭を下げると、イザトさんも同じように返す。
わたし、今までイザトさんのこと誤解していたみたいだ。取っ付きづらい、お堅そうな人だと思ってたけど、わざわざ心配して来てくれるなんて、とってもいい人じゃない。
「……おまえ達、俺に対して随分な言いようだな」
カディスは足を組むと、そこに頬杖をついた。……ちょっと、拗ねないでよ。
「これで求婚者が四名になったわけだが、イルーシャ、おまえは誰に決めるんだ」
……うー、面倒だなあ。
こんなこと思うのは、わたしに求婚してくれてる人にかなり失礼だと思うけど、これがわたしの正直な気持ちだ。
「……そんなこと言われても、わたしは誰に決めるとかそんなこと全然考えてないよ」
「そうは言うが、いつかは誰かを選ばねばならんぞ」
「わたしは別に一生一人でもいいけど」
今のままでも特に生活に困らないし。
わたしがそう言ったら、カディスはちょっと驚いたみたいだった。
「おまえ、それは枯れすぎだろう」
「陛下はさかりすぎです」
イ、イザトさん、今カディスに向かってさかってるって言ったよ! 実はこういう人だったんだね、びっくり。
「俺の場合はイルーシャ限定だぞ。……どうしたイルーシャ」
カディスの前からイザトさんの前に移動したわたしをカディスが不思議そうに見る。
「身の危険を感じるから近寄らないで」
「……いつも自重しているだろうが」
……あれで、自重しているのか。していなかったらどうなんだ、カディス。
うーん、聞きたいような、聞きたくないような。でも聞いたら後悔しそうだからやめておこう。危ない橋は渡らないに越したことはないよね。
「あ、そうだ。そう言えば、過去視でハーメイ国王の死の場面を見たんだけど」
これはカディスに報告しようと思ってたんで、彼が来てくれたのはちょうどよかった。
「またおまえは厄介なものを見るな」
カディスが渋い顔するのもまあ分かる。なにせ死因があれだからなあ。
「ハーメイ国王が死ぬ前にウィルローと話してた。ウィルローは声だけだったけど」
わたしは二人に見た内容をざっと説明した。
「……新しい王か。たぶん王太子のロアディールのことだろうな」
あ、そうか。王が亡くなれば、次は王太子に王位が移るもんね。
「ハーメイの王太子はギリング王と違って思慮深く、国民の人気も高いそうですが、今のところなにも言ってきませんね」
「しかし、あちらにはウィルローがいる。どう出てくるか分からん」
うーん、世界情勢になると、わたしにはさっぱり分からないや。これからこれについても勉強しないとなあ。
そうして、しばらく二人は話し込んだ後、執務室に帰っていった。
「さて、じゃあ訓練するかな」
わたしはさっきと同じ環境で、カードを使っての訓練を再開した。
もう、一日二日で結果がすぐ出るなんて思わずにじっくりやっていこう。焦っても仕方ないしね。でも、いつか必ず自由に使えるようにするんだ。
わたしは休憩や読書を挟みつつ、就寝前まで訓練に勤しんだ。
──陽が少し傾きかけている。
あ、ブラッドとリューシャが見える。これは昼間の過去視だな。
「わざわざわたしに返すために待っていたのですか」
騎士団の駐屯地の前。待っていたというから、たぶんブラッドが城から帰ってきたときの映像だろう。
「は、はい。どうしてもブラッドレイ様にお会いしたくて。あのっ、マントお返しします! ありがとうございましたっ」
リューシャがぎゅっと目を瞑ってブラッドに綺麗に畳んだマントを差し出す。
「こちらこそありがとうございます」
ブラッドがマントを受け取ると、リューシャが意を決したように顔を上げた。
「あのっ、ブラッドレイ様、いつまでこの村に滞在なされますか?」
「明日には城に戻る予定ですが」
「……明日」
愕然とした表情のリューシャに、わたしは胸が痛んだ。仕方のないこととはいえ、かわいそうだ。
「ではわたしはこれで」
立ち去ろうとするブラッドにリューシャが慌てたように引き留める。
「お、お待ちください! わ、わたし、ブラッドレイ様をお慕いしています!」
振り返ったブラッドの視線を受けて、リューシャは耳まで真っ赤に染めていた。
ああ、可愛いな。……なんでブラッドの好きなのが彼女じゃなくてわたしなんだろう。世の中うまくいかないものだな。
「……申し訳ありません。わたしはあなたの気持ちには応えることができません」
「ブラッドレイ様とわたしでは身分違いなのは分かっています」
どこまでも必死なリューシャ。できるなら彼女には幸せになってもらいたいけれど。
「そういうことではありません」
「では、わ、わたしが汚れているからですか?」
そこでリューシャは泣きそうな顔をした。たぶん、襲われたときのことを思い出しちゃったんだろう。
「違います。わたしには既に求婚している方がいるのです」
ブラッドの言葉にリューシャはかなり衝撃を受けたようだった。胸の前で握りしめる手が震えている。
「そ、その方とご結婚されるのですか!?」
「……それは難しいでしょうね。かの方には身分の高い求婚者が何名もいますから」
「そ、その方はさぞお美しい方なんでしょうね。イルーシャ姫様のような」
無理に笑いながらリューシャが冗談めかして言う。その言葉にブラッドが瞳を見開いた。
そこでブラッドの動揺を感じ取ったリューシャは信じられないと言うように首を横に振る。
「……まさか、本当にイルーシャ姫様なのですか?」
ブラッドは一瞬しまったというような顔をすると、珍しく迷うような様子を見せる。そして、彼はやがて頷いた。
「そうです。ですから、あなたのお気持ちには応えられません。申し訳ありません」
「そ、そうですか。イルーシャ姫様相手に、わたしなんかがかなうわけないですものね……」
──そんなことない。リューシャは可愛いよ!
呆然とするリューシャに、ブラッドが頭を下げる。それが彼女に見えていたかはかなり怪しい。
「誠に申し訳ありません。失礼します」
ブラッドがそう言って立ち去った後も、リューシャはその場にずっと立ちすくんでいた。
そして場面が変わる。かなり暗い、夜かな。
暗闇に目が慣れてきたところで、馬が何頭もいるのが確認できた。厩だろうか。
ぐるっと見回していると、なにかが天井からぶら下がっているのに気が付いた。近寄るとそれは人だった。
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