天竜川で逢いましょう 〜日本史教師が石田三成とか無理なので平和な世界を目指します〜

岩 大志

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第92話

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船はゆっくりと天竜川右岸に着く。

誰もいない。

先には古びた寺院が目に止まるだけだ。

「内府は約定をお守り頂いているようですな。」

と、左近は言う。

「ですね。」

と、二人は船を降りながら話した。

「これにて。」

と、後ろから半蔵の声がした。

「え?」

と、津久見は振り向くと、そこにはもう半蔵の姿は無かった。

ただ呆然と口を開け半蔵の早業に驚く船頭がいるだけであった。

「ふう。行きましょうか。」

と、津久見は歩き始めた。

西国とは違う風を肌に感じ取っていた。

風自体は変わらないが、津久見にはそう感じていた。

誰もいない道をただ無言で歩く。

そして、寺院に到着した。

門を開くとここの寺院の小姓が奥の間へ案内をする。

津久見の緊張は最大限に高まる。

「こちらです。」

と、小姓は部屋を案内すると、どこかへ消えて行った。

(いよいよだ…。)

津久見は大きな深呼吸をすると、部屋の襖を開いた。

そこには家康と本多正信の姿があった。

「!!」

「!!」

3カ月ぶりの再会である。

しかし、同僚のそれではない。

声には出さないが、お互いがお互いの名を呼んでいるのが分かった。

「治部殿。よくここまでいらした。そちらへ。」

と正信が言う。

「…。」

言われるままに津久見と左近は座った。

4人は対峙する様に座った。

「…。」

左近の目が忙しく動く。

そこへ

「ご安心なされよ。忍びなどは配しておりませぬ。」

正信が言う。

「…。」

左近はちょっとイラっとしながら座りなおした。

(島森!!!生きてたか!!!!!)

と、目の奥で語りかける。

が、伝わるはずもないが、家康こと島森も同じ目をしていた。

「では、始めまする。なおこの会談は諸大名に変な噂が立たぬ様小一時間で終わりといたしまする。」

「え??」

「今もって、猜疑《さいぎ》の念を持つ大名も多い故、密談はあまり得策ではござらん。」

「…。」

(猜疑の念???家康側か…。)

津久見は考える。

「では、本日の議題でござるが…。」

と、正信は淡々と進める。

「天下分け目の大戦になるはずが、急遽の和議。いささか東国では混乱をきたしておりまする。」

「…。」

「真善院でのあの短時間での和議強行は、徳川家が三河で独立して以来の努力を一瞬にして壊されてしまいましての。」

正信は顔を引きつらせながら続ける。

「まずは、西国へ帰参希望の大名をこれに。」

と、正信は一枚の紙を差し出した。

『京極高知  10万石
 堀尾忠氏  12万石
 池田輝政  15万石
 田中吉正  12万石
 ・・・ 』

と、各家の名前と石高が記されていた。

津久見はじっとその大名家を見つめる。

(この4人は天竜川以西近くの大名だ。前の領地に戻りたいという事だな。)

ここまでは想定内。

『細川忠興 11万石
 筒井定次 10万石
 藤堂高虎 8万石
 九鬼盛高 2万石
 浅野幸長23万石
 個人
 黒田長政…』

(黒田のおじきの嫡男か。)

『真田信繁』

「ん??」

(真田家から???)

「以上でござる。皆元々の領土への帰参を求めておる」

正信が言う。

「あのこれって真田幸村さんですよね?」

と、津久見が聞く。

「ん?ああ、真田家の。はあ。」

家と正信は言うと大きくため息をついた。

「幸村さんが個人でこちらに来たいと?」

「ああ。そうじゃ。」

「なんで?」

「分かるか。あそこは何を考えておるかもう分からん。」

「…。」

「まあ、その真田のせがれは昔秀吉殿の側近として仕えておった経緯もあろう、それがじゃろうな。」

「大義名分?」

「知らん!あそこはもう…。」

「色々とあるんですね…。」

と津久見は少し同情した。

「こちらからはこれです。」

と、同じく紙を取り出し正信の前に出した。

正信は食いつくようにその紙を見た。

そして驚愕した。

なんとその紙は白紙であったのだ。

「ななななんと???東軍へ帰参希望はおらんと???」

「一旦はです。触れも出しましたし、直接会いに行ったりもしましたので。」

「黒田や加藤は??」

「今のままでと。」

「お主が?」

「はい。」

「なんと!!!」

正信は驚愕した。

一時はその手であの加藤清正に直接会ったと…。

それは正信の算段を遥かに超えていた。

正信も知恵の者。今日ここに至るまでに、西国諸国の帰参希望大名の算段はしていた。が、その算段が大きく外れたのであった。

「な、な、ならば、東軍からの帰参大名の受け入れをお願い致す。」

「はい。天竜川左岸でお待ちしております。」

「で、では、次に明確な国土の線引きでござるが、加賀の前田殿はどっちつかずであったが、最終的に家康様側に付きたいとの事でござるので、前田殿の領地を一つの区切りとしても良いでござるか。」

「…。はい。」

津久見は一瞬考えた。

が、これは二者択一。吉継との話し合いで前田利長の動き次第で国境が決まる、と。

西国行脚で一杯であった津久見は北陸にまで目を配る事ができずにいた。

そこへ吉継は、本多正信の事だから懐柔に走っているはず、と助言してきていた。

前田家が東国に属すると言えばそれで良い、と。

こうして大体の国境が決定して来た。

「では、次に…」

正信はどこか急いでいる。何となくこの会談を早く終わらせたいと考えているようであった。

「…。」

「我が居城駿府・岡崎等々に置いてある物品の移動についてだが。」

「どうぞ。」

「ん?」

「細かい事は大丈夫です。仰せのままに受け入れます。」

「???」

「それより…。」

「何か?」

「内府殿と二人でお話がしたいと思います。」

「何と!!!」

これには左近の眉が驚いて動いた。

「治部よ!わきまえろ!!!お主はたかが豊家の使いじゃぞ!」

「はい。分かっておりまする。しかし、内府殿はどうお考えか。」

と、津久見は家康の方を見る。

家康はキョロキョロしながら慌てて頷いた。

「殿!!!」

「内府殿もご希望とあれば、左近、正信殿ご退席を。」

「いや、殿!!!!」

正信は狼狽しながら家康の方を向く。

「良い。」

家康はそうとだけ言う。

「しかし…。」

「正信殿。」

口を開いたのは左近であった。

「内府様もそう仰っておりまする。それに我々は帯刀しておりませぬ。ここは…。」

と、言いながら立ち上がると、正信の背後に回り小柄な体をヒョイと持ち上げた。

「な、何をする!!!」

「双方主君の言う事に従うだけでございまする。」

と言うと、二人で外に出ようとする。

そこで左近が言う。

「殿。この感じあまり時間が無さそうでございまする。」

「ですね。」

「では、頃合いを見て再度お伺いいたしまする。行きましょう正信殿。」

と、抱きかかえられた正信に向かって言うと外に出て行った。

「殿~!!!!くれぐれも安直なご決断をなさらぬ様に!!!それに一刻も早く会談の打ち切りを~。」

と、正信はそう言葉だけを残すと、左近と一緒に消えて行った。


遂に家康と二人きりになった。

______________________________________

「……。」

どこか気まずい雰囲気が流れる。

久しぶりの対面であるし、何と言っても、見た目も立場も違うが中身は同僚。不思議な状況だ。

「津久見か…?」

家康が口を開いた。

「島森!!!そうだ!!津久見だ!!!!」

「わ~!!!」

と、二人は泣きながら抱き合う。

「会いたかった~津久見~。」

「俺もだよ~!!!」

「わ~!!!!」

と、二人は抱き合った。

徳川家康と石田三成が涙して抱き合っている…。

「あ!!!」

と、津久見が何かに気付き小声になった。

「ん?どうしたん?」

「あまり大きな声だと二人に聞こえちゃうかもしれないから。」

「うん。せやな。」

「…。」

「わ~!!!!」

再び抱き合った。

「大変だったな島森!」

「ほんまやで!ほんまかなんて!!!」

「どうした?この3カ月の事ゆっくり聞きたいけど、正信さん、何か時間無いって言うし…。」

「あ~あのおっちゃんやろ。頭ええねんけど、堅い堅い。」

「ははは。そういう人なんだね。」

「ああ。いつも自分で答え持ってるくせにやで?『殿。如何お考えで』とか聞いてくんねん。」

「ははは。そっくりだね。で、お前は何て答えるの?」

「『正信。お主と同じ考えよ』ってね。」

「ははは。そりゃ名案だ!!!」

津久見は笑う。島森も笑う。

「ほんで、あの言うてた黒田?加藤?なんなん?えらいあのおっちゃん驚いてたけど。」

「いや、大変だったよ~。だけどね、黒田って黒田官兵衛……。」

と、言うと津久見は急に黙った。

「ん?どうしたん?そのカンベエが。」

「いや、待てよ。」

「ん?」

「島森。何で本多正信はあんなに焦っているんだ?」

「いや、ええやん。聞かせてやカンベエの話。」

「いや、凄い大事な気がするんだ。島森、何でだ?」

「え、んまあ。こっちも色々あんねん。」

「色々とは?」

「色々言うたら色々やん?」

島森は話をたぶらかしているわけではなく、単純に津久見と話したいだけなのを津久見は察知していた。

「島森!!大事な事なんだ。もしかしたらお前を助けられるかもしれない。」

「ん?俺をか?」

「ああ。」

津久見は家康の、いや島森の目をジッと見つめる。

「話してくれ、島森。」

「ん~、まあ、何て言うん。色々な奴と戦ってんねん。まだ。」

「!!!!???って事はまだ戦をしてるのか??」

「ん~まあ小さな戦は何回かあったけど、大きな戦が始まりそうな感じなんよ。」

「…。やっぱり…。」

「ん?やっぱり?」

「という事は、戦で解決していっているって事か?」

「ん?まあ、そうやな。あのおっちゃんに相談したりしてな。でも、まあ俺家康やから、中々ええ家来おんねん。」

「井伊に本多に榊原…。」

「おっ知ってるん?やっぱ日本史の先生やな。ははは。」

「いや、島森笑い事じゃないぞ。」

「ん?」

「お前がさっき言ってた大きな戦って…。」

「なんや?」

「真田・上杉・伊達・佐竹か?」

「え!!!???なんで?」

「どうなんだ?」

「それや。あいつらや。」

「はあ。やっぱりな、大谷さんの読み通りだ。」

津久見は下を向く。

「大谷さん?」

島森が聞くが津久見は黙っている。

「なんで分かったん?」

島森が聞くと、津久見は島森の肩を持ち言う。

「良いか、島森。武力では制圧しても禍根が残る。それにお前の言う強い武将達もその四大名をが一気にかかってきたらどうなる?それに今お前に従順の意を示している大名が裏切ったらどうなる?」

「…。」

「関ヶ原の戦いで勝った家康はとことん頭を使った。織田信長の時代から今に至るまで耐えに耐え、生き抜いてきた男だ。それが下手な戦をしてみろ。一瞬で終わりだぞ。」

「せやけど…。」

「あっ。」

津久見は何かに気付いた。

「島森。もしかして正信があんなに急いでいるのは、この会談自体を怪しんでいる大名がいるって事か?」

島森は驚いた様子で

「な、何で分かるん?」

と言う。

「はあ。やっぱりそういう事か。」

ため息交じりで津久見は続ける

「つまり、お前の家康としての求心力の低下で、東国の諸大名は関ヶ原の戦いで誓ったお前への忠義が揺らぎ始めてるんだな?」

「…。」

図星の様である。

「だからここでコソコソ俺と話してるっていうのを知られたく無いって事か。」

「…。ああ。」

意気消沈した声で島森は答えた。

その時だった。外から声がした。

「殿!!!!そろそろでございまするぞ!!!」

信正の声だ。

「あ~あと5分や!!!黙ってろ!!!」

島森がキレ口調で言う。

「良いか島森。お前は徳川家康なんだ。お前ならできる。下手に血を流せば、大混乱が続くぞ!!」

「そんなん分かってるわい。でも…。」

そこに津久見は胸元から書状を出した。

「なんやこれ?」

と、島森が手に取る。

「お前を助けれるかもしれない手紙だ。」

「手紙?俺にか?」

島森は少し照れて言う。

「違う!!真田・上杉・伊達・佐竹宛だ。」

「え??」

「これは豊臣家として日本を二つに分けた経緯と、東はお前に託すって秀頼様の押印付の手紙だ。」

「秀頼って、お前ほんまに石田三成やん~」

「島森!!真剣な話なんだ。これを各大名に届けろ。効果があるかは定かじゃない。でも、お前に抵抗してくる者達の大義名分はこれで無くなるかもしれない。」

「…。」

「良いか。そいつらがどう考えてるか。何を欲しているかを考えて動け。戦を止めるんだ。」

「そんなん…。できるん?」

「できる!!!俺にもできた!お前もできるはずだ。」

「…。」

島森は考え込む。

そこにまた正信の声がした。

「殿!!!もうお時間で!!!」

二人は外の方に視線をやる。

「良いか島森。この世界に移ってから3カ月だ。寝ても覚めてもには戻れないんだ。だったらやるしかないんだ。」

「…。」

「俺がお前を守る!!だから立ち上がれ!!!家康!!!」

と、島森の背中を強く叩いた。

すると、とうとう正信が襖を開けて入って来た。

「殿。」

家康と三成は対峙して座っている。

「お時間で。」

正信が再三言う。

すると島森はゆっくり立ち上がり津久見に向かって言う。

「治部殿。そういう事じゃ。当面の会見は1年に一度、来年の今日には天竜川に橋をかけそこの詰所で合議と致そう。」

「!!!!」

「正信、行くぞ。」

と、島森は信昌の待つ方へ歩いて行く。

畳の端に数回つまづいたが、その後姿は正真正銘の徳川家康であった。

「殿。我々も。」

と、左近が促す。

「ああ。」

津久見は立ち上がり、寺院の外に出る。

もう島森と正信は馬上にいた。

「では。」

と、正信が言うと馬に鞭を入れようとした時、津久見が言った。

「正信さん!!!内府殿を宜しくお願い致します。」

と、深々と頭を下げた。

「????」

正信は一瞬きょとんとしたが、馬に鞭を入れながら叫んだ。

!!!!家康に正信ありと歴史書に刻んでみせましょうぞ。」

と、言葉を残すと二人は遠くへ走り出して行ってしまった。

(島森…。死ぬな。頑張れ!!!友よ…。)

津久見は暫く頭を下げたまま強く願った。

こうして初めての天竜川会議は終わったのであった。
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