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第18話 話を広めた
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「実は、母上に会う前に取り巻きの連中と合流して、ドッキリのことでアスーナと婚約破棄したこととソルティアと婚約したことを話したんですよ。もちろん、アスーナがあのハラドと婚約したこともね」
「はあぁっ!? なんでそんな真似を!?」
「何って、部下たちとの情報共有は当然でしょう? それから懇意にしている貴族の方々にも話しました」
「な、なんですって!?」
取り巻きだけなら、後で口裏を合わせればいいが侯爵家と縁のある貴族にまで話したとなれば話は違う。だが、カリブラは更に取り返しがつかない発言も口にした。
「あとついでに、第一王子のエーム・タースグバ殿下にもあったので話を聞いてもらいました」
「お、王太子殿下にも!?」
第一王子のエーム・タースグバは王太子だ。カリブラとて上級貴族の嫡男であるがゆえに話をする機会はあった。ただ、王太子の方はカリブラと関わりたがらないのだが、カリブラはそんなこともお構いなしと言うか分かっていなかったので、一方的に自身にあったことを話したのだ。
カリブラ自身に不利益な話になるとも知らずに。
「勿論、全く同じ話をしました。どうです? 殿下にも周知となれば僕とソルティアの婚約は盤石です。母上が何を言おうがもう遅いと思いませんか?」
「~~~~っ!?」
何故か自慢気に笑うカリブラの姿に対して、マキナは無言で頭を抱えた。もう実の息子にかける言葉が見つからないのもあるが、取り巻きから王子に至る多くの人々にカリブラの非常識さが広まってしまったことに頭を痛めたのだ。おそらく侯爵家は笑いものになるだろう。マキナには嫌でも侯爵家のみっともない未来が見えてしまった。
(こ、ここまで馬鹿というか後先考えないと言うか……もう、何を言えばいいの?)
そんなカリブラとマキナを眺めながらもソルティアは自分のことだけを考えていた。
(……嫌なおばさんね。この可愛い私がカリブラ様と婚約してあげるというのに。お姉様と比べるなんて……)
二人の会話から自分とカリブラの婚約が白紙になることは無さそうだと察して安心していた。ただ、義母となるだろうマキナが自分を嫌っていることだけは不安材料だ。だが、それがもとで婚約破棄になったときの手段もすでに考えていた。
(いざとなればお姉様の婚約者のハラド様を誘惑すればいい。お姉様を婚約者にしたがる人だから楽勝だわ)
自分の美貌ならどんな男でも引っ掛けられる。秘密裏で男遊びをしていたソルティアにはそんな自信もあったのだ。しかし、それは比較的格下の男たちだけを相手にしていただけの話だったのだが、ソルティアは自分の美貌ならハラドも籠絡できると信じて疑っていなかった。
(公爵ほどならば最低でも愛人にしてくれるだけでも楽できそうだしね)
ソルティアは分かっていなかった。美貌以上に性格の悪さが目立っていたことにも。
「はあぁっ!? なんでそんな真似を!?」
「何って、部下たちとの情報共有は当然でしょう? それから懇意にしている貴族の方々にも話しました」
「な、なんですって!?」
取り巻きだけなら、後で口裏を合わせればいいが侯爵家と縁のある貴族にまで話したとなれば話は違う。だが、カリブラは更に取り返しがつかない発言も口にした。
「あとついでに、第一王子のエーム・タースグバ殿下にもあったので話を聞いてもらいました」
「お、王太子殿下にも!?」
第一王子のエーム・タースグバは王太子だ。カリブラとて上級貴族の嫡男であるがゆえに話をする機会はあった。ただ、王太子の方はカリブラと関わりたがらないのだが、カリブラはそんなこともお構いなしと言うか分かっていなかったので、一方的に自身にあったことを話したのだ。
カリブラ自身に不利益な話になるとも知らずに。
「勿論、全く同じ話をしました。どうです? 殿下にも周知となれば僕とソルティアの婚約は盤石です。母上が何を言おうがもう遅いと思いませんか?」
「~~~~っ!?」
何故か自慢気に笑うカリブラの姿に対して、マキナは無言で頭を抱えた。もう実の息子にかける言葉が見つからないのもあるが、取り巻きから王子に至る多くの人々にカリブラの非常識さが広まってしまったことに頭を痛めたのだ。おそらく侯爵家は笑いものになるだろう。マキナには嫌でも侯爵家のみっともない未来が見えてしまった。
(こ、ここまで馬鹿というか後先考えないと言うか……もう、何を言えばいいの?)
そんなカリブラとマキナを眺めながらもソルティアは自分のことだけを考えていた。
(……嫌なおばさんね。この可愛い私がカリブラ様と婚約してあげるというのに。お姉様と比べるなんて……)
二人の会話から自分とカリブラの婚約が白紙になることは無さそうだと察して安心していた。ただ、義母となるだろうマキナが自分を嫌っていることだけは不安材料だ。だが、それがもとで婚約破棄になったときの手段もすでに考えていた。
(いざとなればお姉様の婚約者のハラド様を誘惑すればいい。お姉様を婚約者にしたがる人だから楽勝だわ)
自分の美貌ならどんな男でも引っ掛けられる。秘密裏で男遊びをしていたソルティアにはそんな自信もあったのだ。しかし、それは比較的格下の男たちだけを相手にしていただけの話だったのだが、ソルティアは自分の美貌ならハラドも籠絡できると信じて疑っていなかった。
(公爵ほどならば最低でも愛人にしてくれるだけでも楽できそうだしね)
ソルティアは分かっていなかった。美貌以上に性格の悪さが目立っていたことにも。
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