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第7話 婚約を受け入れます
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だが、婚約者の男に悪戯にドッキリを仕掛けられたり、都合のいいように利用されてきた過去が頭を巡ると自分が男に人気があるとは思えなかった。
「どうせ私なんか……」
「君はどうも自分を過小評価している傾向にある。あのカリブラと我儘な妹のせいなんだろう。そんな二人のせいで君は自分の価値がよく分からないんだ。本当に結構人気なんだよ? 君の今目の前にいる男だってそうなんだから」
眼の前の男。今、アスーナ目の前にいるのはハラドしかいない。
「え? それって……」
「そういうこと。俺も前から君のことが気になっていたんだ。簡単に言えば好きってことだね」
「ええええ~!?」
ハラドは頬を赤らめてニカッと笑った。その意味を悟ったアスーナは顔を真っ赤に染める。
「そ、そそそそんなことってありうるのですか!? 私なんかが……妹の、ソルティアのほうが……」
「私なんかって言うなよ。君は自分が思っているよりも魅力的だ。妹と比べなくてもいいさ。人は外見と中身が大事って言うだろ? 中身が最悪の妹ならカリブラとお似合いさ」
「まあ、それは分かりますが……」
「それとも、やっぱり俺じゃだめかな?」
「…………」
困った顔で微笑むハラドを眺めるアスーナは、実は少し酔った頭で思考する。相手がカリブラとはいえ婚約破棄した以上、この先新たな婚約者を見つけるのは難しい。それならば、ハラドのことを深く知っていなくても今の誘いを受けるほうが良いかもしれない。相手は印象強い公爵令息、婚約者としては優良物件……アスーナの心は決まった。
「いいえ、は、ハラド様が私で良いのなら……その婚約を受け入れます! ふ、不束者ですが、よろしくお願いしたいです……!」
「そうか……受け入れてくれるか……!」
アスーナは受け入れると口にした。すると、ハラドの顔は満面の笑みへと変わった。
「まさか、俺みたいな変な男の求婚を一回目で受け入れられるとは思わなかったよ……! 何度もアタックする覚悟だっただけに本当に嬉しいよ!」
「えっ!? ハラド様がそんなご心配を? 普段のハラド様はいつも余裕をもっていらっしゃるご様子でしたが?」
「それは俺だって不安だったり心配することだってあるさ。だから、やるなら今しかないと思って君に思いを打ち明けたんだから」
「え? それって……」
要するに、アスーナが婚約破棄されてショックを受けている今がチャンスだと思って告白したようなものだった。それに気づいたアスーナは少しむくれた。
「ちょっと、ずるくないですか?」
「うん、ずるいね。でも、それくらいは大目に見てほしいな」
「……ふふ、仕方がないですね。だから、これからよろしくお願いします」
「うん、よろしく!」
アスーナとハラド、二人はお互いに手を取った。
「どうせ私なんか……」
「君はどうも自分を過小評価している傾向にある。あのカリブラと我儘な妹のせいなんだろう。そんな二人のせいで君は自分の価値がよく分からないんだ。本当に結構人気なんだよ? 君の今目の前にいる男だってそうなんだから」
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「え? それって……」
「そういうこと。俺も前から君のことが気になっていたんだ。簡単に言えば好きってことだね」
「ええええ~!?」
ハラドは頬を赤らめてニカッと笑った。その意味を悟ったアスーナは顔を真っ赤に染める。
「そ、そそそそんなことってありうるのですか!? 私なんかが……妹の、ソルティアのほうが……」
「私なんかって言うなよ。君は自分が思っているよりも魅力的だ。妹と比べなくてもいいさ。人は外見と中身が大事って言うだろ? 中身が最悪の妹ならカリブラとお似合いさ」
「まあ、それは分かりますが……」
「それとも、やっぱり俺じゃだめかな?」
「…………」
困った顔で微笑むハラドを眺めるアスーナは、実は少し酔った頭で思考する。相手がカリブラとはいえ婚約破棄した以上、この先新たな婚約者を見つけるのは難しい。それならば、ハラドのことを深く知っていなくても今の誘いを受けるほうが良いかもしれない。相手は印象強い公爵令息、婚約者としては優良物件……アスーナの心は決まった。
「いいえ、は、ハラド様が私で良いのなら……その婚約を受け入れます! ふ、不束者ですが、よろしくお願いしたいです……!」
「そうか……受け入れてくれるか……!」
アスーナは受け入れると口にした。すると、ハラドの顔は満面の笑みへと変わった。
「まさか、俺みたいな変な男の求婚を一回目で受け入れられるとは思わなかったよ……! 何度もアタックする覚悟だっただけに本当に嬉しいよ!」
「えっ!? ハラド様がそんなご心配を? 普段のハラド様はいつも余裕をもっていらっしゃるご様子でしたが?」
「それは俺だって不安だったり心配することだってあるさ。だから、やるなら今しかないと思って君に思いを打ち明けたんだから」
「え? それって……」
要するに、アスーナが婚約破棄されてショックを受けている今がチャンスだと思って告白したようなものだった。それに気づいたアスーナは少しむくれた。
「ちょっと、ずるくないですか?」
「うん、ずるいね。でも、それくらいは大目に見てほしいな」
「……ふふ、仕方がないですね。だから、これからよろしくお願いします」
「うん、よろしく!」
アスーナとハラド、二人はお互いに手を取った。
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