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第157.3話 泥舟
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(元王太子視点)
「何か、だと!? それだけか!? この僕の方から求婚してやったのにそれだけとはどういうことだ!?」
「だからなんですか?」
「だからなん……ぼ、僕はちゃんと謝ったじゃないか!」
なんだこいつの態度は!? この僕が誠心誠意謝ってやったのに嬉しいと思わないのかよ!?
「謝ったからなんですか? それを受け入れたとしても私がもう一度ガンマ殿下なんかと婚約する理由にはなりません。ましてや恋慕うなどもってのほかですよ?」
「な、何だと!?」
僕なんか、だと!?
「王太子の立場を失って将来男爵になるような泥舟に乗るほど私も愚かではありませんよ」
「んなっ……!?」
ど、泥舟……? 僕のことを言ってるのか?
「嘗ての私はあまりにも人を見る目がありませんでした。しかし、今は違います」
「ち、違うだと……!?」
何が違う……いや、変わったのは分かるけど……。
「今はガンマ殿下に恋した過去は恥の記憶でしかありません」
「な、何~!?」
恥の記憶~!? この僕を思うことが恥だって!? 最高の思い出の間違いだろ!
「ガンマ殿下。私が貴方を嫌気が差すほど追いかけ回したことについては私の非を認めましょう。ですが、面と向かって向き合ってくださるのが遅すぎ……いえ、向き合ってくださりませんでした。婚約者であったときに真剣に向き合って言ってくだされば、最悪でも命じてくださればよかったものを……」
なんてことを言うんだ!? っていうか命じてもよかったのか!?
「何っ!? 命令すれば良かったのか!?」
「……最悪ですよ」
お前がそれを言うのか!? 自分で言いだしたくせに……それ以前に今まで散々追いかけ回してきたくせに!
「ば、僕だけが悪いみたいに言いやがって! 仮にも王子であるこの僕に!」
「むしろ人の上に立たねばならない王族……王子であるなら冷静に聞いて考えなさい。今も昔も変わらない癇癪を起こす子供のままで居続けないでください。見苦しくて吐き気がします」
「き、貴様っ!?」
こ、この女~っ!
「何か、だと!? それだけか!? この僕の方から求婚してやったのにそれだけとはどういうことだ!?」
「だからなんですか?」
「だからなん……ぼ、僕はちゃんと謝ったじゃないか!」
なんだこいつの態度は!? この僕が誠心誠意謝ってやったのに嬉しいと思わないのかよ!?
「謝ったからなんですか? それを受け入れたとしても私がもう一度ガンマ殿下なんかと婚約する理由にはなりません。ましてや恋慕うなどもってのほかですよ?」
「な、何だと!?」
僕なんか、だと!?
「王太子の立場を失って将来男爵になるような泥舟に乗るほど私も愚かではありませんよ」
「んなっ……!?」
ど、泥舟……? 僕のことを言ってるのか?
「嘗ての私はあまりにも人を見る目がありませんでした。しかし、今は違います」
「ち、違うだと……!?」
何が違う……いや、変わったのは分かるけど……。
「今はガンマ殿下に恋した過去は恥の記憶でしかありません」
「な、何~!?」
恥の記憶~!? この僕を思うことが恥だって!? 最高の思い出の間違いだろ!
「ガンマ殿下。私が貴方を嫌気が差すほど追いかけ回したことについては私の非を認めましょう。ですが、面と向かって向き合ってくださるのが遅すぎ……いえ、向き合ってくださりませんでした。婚約者であったときに真剣に向き合って言ってくだされば、最悪でも命じてくださればよかったものを……」
なんてことを言うんだ!? っていうか命じてもよかったのか!?
「何っ!? 命令すれば良かったのか!?」
「……最悪ですよ」
お前がそれを言うのか!? 自分で言いだしたくせに……それ以前に今まで散々追いかけ回してきたくせに!
「ば、僕だけが悪いみたいに言いやがって! 仮にも王子であるこの僕に!」
「むしろ人の上に立たねばならない王族……王子であるなら冷静に聞いて考えなさい。今も昔も変わらない癇癪を起こす子供のままで居続けないでください。見苦しくて吐き気がします」
「き、貴様っ!?」
こ、この女~っ!
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