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第153話 軽蔑
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ミーヤの行動は順調にことが進む………と思ったその時、ミーヤの様子がおかしくなった。
「ん? あいつどうしたんだ? 何だか驚いてないか?」
「「っ!?」」
ガンマの指摘した通り、ミーヤはなにかに驚いているように見える。後ろ姿なので顔は分からないが、この状況で驚くということは見ている側も動揺する理由としては十分だ。
「………! ちっ、まさか、しくじったか?」
「な、なんだって!?」
「み、ミーヤが!?」
ローイが舌打ちする。序盤からしくじることは最悪のシナリオだからだ。それはオルフェに目的を気づかれるということ、もしくは何かやましい目的だと思われることだ。それ以前にオルフェに警戒されるようであればガンマたちの目論見は崩れる。
つまり計画を根本的に変える必要性すらある。
(いや、すでに一枚ほど証拠写真を取れたんだ。これだけでも……いや駄目です。まだ一枚きりでは証拠として不十分!)
しかし、ローイが計画中止にするか続行するか決めかねる間にも、状況は動いた。
「おい見ろ! 二人でなんか話し込んでいるぞ!」
「えっ!?」
「……もう少し様子を見ましょう」
今度はミーヤがオルフェと話し込んでいるという状況になってしまった。どんな話をしているのか分からないが、オルフェの顔には怒りを抱く様子も疑っている様子も見えない。無表情で会話しているだけに見える。
(オルフェ・イーノックから話を持ちかけた? どういうことだ? しかも全く感情を見せない顔で会話をするなんて……だが、上手く続けば計画は続行できる。この光景も写しておきましょう)
ローイは写真機で会話する二人の姿を撮る。会話だけしているようにしか見えないだろうがないよりはいいはずだからだ。
「今度は二人で歩いていくぞ……ひょっとしてバレてない?」
「ここからではミーヤの顔が見えませんが、オルフェ様は微笑を浮かべています……」
「しめた! これは連続して撮らなければ!」
話ながら二人で歩いていくミーヤとオルフェ。それを連続して写真を撮れば、二人きりで楽しそうに会話しながら歩いているように見せることができる。しかも、銀髪灰眼の男の方は微笑を浮かべている。絶好の好機だ。
「……どうやらしくじったわけではなさそうですね。しかも、二人で仲良く会話……しているように見せてくれるとは都合がいい。流石にミーヤ嬢に下心が出たのでしょうね。ミロア様というものがありながら、最低な男だ!」
「全くだな。ミロアも男を見る目がないものだ」
「…………」
弱みを握って女性に恋敵を誘惑させて不貞の証拠を作ろうとしているローイとガンマは、見事に術中に嵌ったと思われる銀髪灰眼の青年のことを軽蔑して吐き捨てる。そんな二人のことを隣りにいる男爵は吐き気がしそうなほど軽蔑した。
(この男達は……自分達のことを棚に上げてなんてことを言うんだ。こんな奴らの言いなりにされるなんて……!)
今にも罵ってやりたいが、立場の格差がそれを許せない。男爵は己の無力さを呪うしかなかった。
「ん? あいつどうしたんだ? 何だか驚いてないか?」
「「っ!?」」
ガンマの指摘した通り、ミーヤはなにかに驚いているように見える。後ろ姿なので顔は分からないが、この状況で驚くということは見ている側も動揺する理由としては十分だ。
「………! ちっ、まさか、しくじったか?」
「な、なんだって!?」
「み、ミーヤが!?」
ローイが舌打ちする。序盤からしくじることは最悪のシナリオだからだ。それはオルフェに目的を気づかれるということ、もしくは何かやましい目的だと思われることだ。それ以前にオルフェに警戒されるようであればガンマたちの目論見は崩れる。
つまり計画を根本的に変える必要性すらある。
(いや、すでに一枚ほど証拠写真を取れたんだ。これだけでも……いや駄目です。まだ一枚きりでは証拠として不十分!)
しかし、ローイが計画中止にするか続行するか決めかねる間にも、状況は動いた。
「おい見ろ! 二人でなんか話し込んでいるぞ!」
「えっ!?」
「……もう少し様子を見ましょう」
今度はミーヤがオルフェと話し込んでいるという状況になってしまった。どんな話をしているのか分からないが、オルフェの顔には怒りを抱く様子も疑っている様子も見えない。無表情で会話しているだけに見える。
(オルフェ・イーノックから話を持ちかけた? どういうことだ? しかも全く感情を見せない顔で会話をするなんて……だが、上手く続けば計画は続行できる。この光景も写しておきましょう)
ローイは写真機で会話する二人の姿を撮る。会話だけしているようにしか見えないだろうがないよりはいいはずだからだ。
「今度は二人で歩いていくぞ……ひょっとしてバレてない?」
「ここからではミーヤの顔が見えませんが、オルフェ様は微笑を浮かべています……」
「しめた! これは連続して撮らなければ!」
話ながら二人で歩いていくミーヤとオルフェ。それを連続して写真を撮れば、二人きりで楽しそうに会話しながら歩いているように見せることができる。しかも、銀髪灰眼の男の方は微笑を浮かべている。絶好の好機だ。
「……どうやらしくじったわけではなさそうですね。しかも、二人で仲良く会話……しているように見せてくれるとは都合がいい。流石にミーヤ嬢に下心が出たのでしょうね。ミロア様というものがありながら、最低な男だ!」
「全くだな。ミロアも男を見る目がないものだ」
「…………」
弱みを握って女性に恋敵を誘惑させて不貞の証拠を作ろうとしているローイとガンマは、見事に術中に嵌ったと思われる銀髪灰眼の青年のことを軽蔑して吐き捨てる。そんな二人のことを隣りにいる男爵は吐き気がしそうなほど軽蔑した。
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今にも罵ってやりたいが、立場の格差がそれを許せない。男爵は己の無力さを呪うしかなかった。
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