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第119.3話 このままで終わらない
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(元王太子視点)
ミロアはいつも僕のことしか見てこなかった。僕以外の誰かを構うような姿など見たこともないくらいに。そんなあいつに幼馴染がいたなんて分かるはずがないじゃないか!
「……お前、その顔を見るに本当にミロア嬢に幼馴染がいたことすら知らなかったようだな。ここまで愚かだったとは……」
父上が残念なものを見るような目で僕を見る。っていうか愚か者だなんてあんまりだ!
「そ、そこまで言いますか!? たかがミロアの幼馴染なんて知る必要がありますか!?」
「普通、婚約者の交友関係くらい把握しているものだぞ? それが幼馴染だというなら尚更だ」
「そ、そんなの……ミロアは何も言ってないし……」
「それでも知らないお前の落ち度ではないか。まあ、これでお前が返り咲くようなことはなくなったということだ」
「うぐ……」
ぼ、僕の落ち度だなんて……いや、今はそんなことよりもその婚約者だか幼馴染とやらをどうにかしなければ!
「お前、ミロア嬢の新たな婚約者になったオルフェ・イーノックをどうにかしようなどと馬鹿げたことを考えてるようだな?」
「そ、それは……」
見透かされてる。だけど、それが何だ! 僕の将来がかかっているんだ!
「父上! ミロアは公爵令嬢です。それがどこの馬の骨とも分からない侯爵令息なんぞと婚約するなど貴族としてメンツも立たない、」
「ことはないだろう。むしろ、上級貴族同士の婚約なのだから不自然もない。ああ、『名ばかりの侯爵』だからなどという屁理屈も聞かぬぞ。イーノック家は立派に侯爵としての職務を全うしているのだからな」
「ぐっ……!」
くそ、僕のこの後のセリフまで見透かすなんて……っていうか『侯爵』って上級貴族だったのか? 名ばかりがどうのこうのとか言われて見下す奴もいるのに……?
「はぁ……お前と会話するたびにお前の愚かさを見せつけられる気がするな。いや、実際そうなのだろうな。遊んでばかりで勉強していないのがよく分かる。こんな馬鹿になってしまうとは、本当に育て方を間違えたものだ……」
「くっ……」
な、何だよ……そこまで言うことないだろ……仮にも息子に言うことかよ……! た、ため息まで尽きやがって!
「最後に言っておくが、くれぐれもミロア嬢やその婚約者に迷惑をかけるようなことはするなよ。ああ、他の者に手出しを頼んだり、二人の足を遠回しに引っ張ったり、誰かをそそのかして二人を陥れるのもなしだ。いいな?」
「…………」
「話は以上だ」
……それだけ言うと、父上はもう用はないと言わんばかりに僕を退出させた。僕もこれ以上何を言っても無駄だと分かって退出してやった。……この後、考えなきゃいけないこともあるからな!
「ふざけんなよ……父上の言うことなんか聞くもんか!」
迷惑を掛けるな? 手出しするな? そんなこと守れるか! 学園での行動に口出ししやがって、どうせ分かるはずもないんだから何でもしてやる!
「幼馴染がなんだ……僕は王子だぞ! 立場の違いってやつを思い知らせてやる!」
このままで終わらせないんだ!
ミロアはいつも僕のことしか見てこなかった。僕以外の誰かを構うような姿など見たこともないくらいに。そんなあいつに幼馴染がいたなんて分かるはずがないじゃないか!
「……お前、その顔を見るに本当にミロア嬢に幼馴染がいたことすら知らなかったようだな。ここまで愚かだったとは……」
父上が残念なものを見るような目で僕を見る。っていうか愚か者だなんてあんまりだ!
「そ、そこまで言いますか!? たかがミロアの幼馴染なんて知る必要がありますか!?」
「普通、婚約者の交友関係くらい把握しているものだぞ? それが幼馴染だというなら尚更だ」
「そ、そんなの……ミロアは何も言ってないし……」
「それでも知らないお前の落ち度ではないか。まあ、これでお前が返り咲くようなことはなくなったということだ」
「うぐ……」
ぼ、僕の落ち度だなんて……いや、今はそんなことよりもその婚約者だか幼馴染とやらをどうにかしなければ!
「お前、ミロア嬢の新たな婚約者になったオルフェ・イーノックをどうにかしようなどと馬鹿げたことを考えてるようだな?」
「そ、それは……」
見透かされてる。だけど、それが何だ! 僕の将来がかかっているんだ!
「父上! ミロアは公爵令嬢です。それがどこの馬の骨とも分からない侯爵令息なんぞと婚約するなど貴族としてメンツも立たない、」
「ことはないだろう。むしろ、上級貴族同士の婚約なのだから不自然もない。ああ、『名ばかりの侯爵』だからなどという屁理屈も聞かぬぞ。イーノック家は立派に侯爵としての職務を全うしているのだからな」
「ぐっ……!」
くそ、僕のこの後のセリフまで見透かすなんて……っていうか『侯爵』って上級貴族だったのか? 名ばかりがどうのこうのとか言われて見下す奴もいるのに……?
「はぁ……お前と会話するたびにお前の愚かさを見せつけられる気がするな。いや、実際そうなのだろうな。遊んでばかりで勉強していないのがよく分かる。こんな馬鹿になってしまうとは、本当に育て方を間違えたものだ……」
「くっ……」
な、何だよ……そこまで言うことないだろ……仮にも息子に言うことかよ……! た、ため息まで尽きやがって!
「最後に言っておくが、くれぐれもミロア嬢やその婚約者に迷惑をかけるようなことはするなよ。ああ、他の者に手出しを頼んだり、二人の足を遠回しに引っ張ったり、誰かをそそのかして二人を陥れるのもなしだ。いいな?」
「…………」
「話は以上だ」
……それだけ言うと、父上はもう用はないと言わんばかりに僕を退出させた。僕もこれ以上何を言っても無駄だと分かって退出してやった。……この後、考えなきゃいけないこともあるからな!
「ふざけんなよ……父上の言うことなんか聞くもんか!」
迷惑を掛けるな? 手出しするな? そんなこと守れるか! 学園での行動に口出ししやがって、どうせ分かるはずもないんだから何でもしてやる!
「幼馴染がなんだ……僕は王子だぞ! 立場の違いってやつを思い知らせてやる!」
このままで終わらせないんだ!
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