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母娘丼W004 天使たち放置のケジメを小学校に付けさせる
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母娘丼W
Zu-Y
№4 天使たち放置のケジメを小学校に付けさせる
自宅に戻るとすぐ、ふたりが通う学校に電話して、クソガキ3人と天使ふたりの担任に一部始終を話した。
「…と言う訳です。」
「子供たちのトラブルを仲裁して頂いたのはありがたかったですが、交番まではちょっと…。」
「やり過ぎですか?」
「やり過ぎと言いますか…もう少し穏便な方法でもよかったかと…。」
「いじめを子供のトラブルと言い換えて放置していた学校と担任を、教育委員会に通報しなかっただけでも、穏便に済ませたと思うのですがねぇ。」
「え?あ、いや、気付かずに申し訳ありませんでした。」おっと、教育委員会が効いたっぽい。笑
「気付かず?いじめ被害者である女子児童ふたりの親御さんから、それぞれ学校に相談の電話があったはずですけどね。」
「あ、いや、その、申し訳ありません。上ともよく相談して対処しますので、どうか穏便に。」教育委員会には通報するなってか。
「対処はもう済んでますよ。加害者の男子児童3人は交番から親御さんに引き渡されるはずですから。
ところでそのうちひとりの親御さんは議員さんだそうで。まさかとは思いますが議員の息子だから、指導で忖度したってことはありませんよね。」
「それは…ない…つもりでおります。」歯切れが悪い。忖度、してたな。苦笑
「いずれにせよ、学校側でもきちっと対処して頂かないと、不本意ではありますが教育委員会に通報することになりますからね。穏便に済ますかどうかは、そちら様の出方次第ですよ。お分かりですか?」
「それはもう、重々承知しております。」電話の向こうで担任がぺこぺこしてるのが眼に浮かぶな。笑
「ちなみに、きちんとした対応ですが、学校としてはどのようなものをお考えですか?」
「まずは事実確認ですね。双方の言い分を聞きませんと。」
「まあそうですね。議員への忖度なく公正に事実確認して頂けますよね?」
「もちろんです。」
「であれば、いじめ認定されることは確実ですから、こちらと致しましては、いじめ案件として学校から教育委員会に報告して頂くことと、いじめ加害者とその保護者の謝罪、もちろん議員も含みますよ。それと、うやむやにして隠蔽しようとした学校には、隠蔽を謀った事実と、議員への忖度について、文書での謝罪を求めます。」
「…。」
「お返事がありませんが、不同意ならそれでも結構です。先程、先生は穏便にと仰いましたが、必ずしも穏便に済ますことをご希望されているようではないようですね。」
「いえ、そんなことはございません。とにかく上と相談しますのでお時間を下さい。」
「私としましては、進んで事を荒立てる気はないんですよ。穏便に済ませられるように、賢明なご判断をお願いしますよ。」
「はい。」消え入りそうな声だ。
それからクソガキリーダーの父親の議員事務所に電話を掛けた。
議員さんは多忙だろうからいないだろうな。秘書に繋がればいいか。
やはり議員は不在で秘書が電話口で対応して来た。俺は、電話で対応してくれた秘書に、名乗ってからかいつまんで事情を話した。
「…という訳なんですよ。」
「とにかく事実確認をさせて下さい。」
「まあそうでしょうね。議員さんともなると、こう言う内容のいたずら電話なんかもあるのでしょうね。ちなみに俺、携帯から番号通知で掛けてますが、そちらで俺の番号、表示されてますよね。」
「はい。」
「それだけでもデマじゃないのは分かるでしょう。それと秘書さんは、今回いじめ騒動を起こした議員のクソガキ、あー、名前を知らないんでクソガキで失礼します。そのクソガキのことはご存知ですか?」
「存じております。」
「声は分かりますか?」
「一応分かります。」
「そうですか。では聞いて下さい。」記録した音声データを流した。
「どうです?」
「よく分かりません。似ている気もしますが、ちょっと違う気もします。すみません、確信は持てません。」声が上擦ってるよ。クソガキの声だと、認識してやがるな。
「ところで交番へは、クソガキを引き取りに行ったんですか?」
「こちらでは存じません。」
「まだ交番から連絡は来ていないんですか?」
「それについてのお答えはご容赦ください。」はいって言ってるようなものじゃん。
「こちらと致しませては、クソガキがいじめをしたことを認定しての謝罪、もちろん議員御自らお願いしますよ。議員ご本人から外国人差別の意識を持っていないことを、直接お聞きしたいですので。それと再発させないことの確約ですね。これには一筆頂きたいですな。議員直筆のご署名入りで。
それで矛を収めます。慰謝料だのなんだのと申す気は、毛頭ございませんから、その点はご安心下さい。」
「諸々確認の上、後日ご返答させて頂くと言うことでよろしいでしょうか?」
「構いませんよ。」
俺が電話を切ってしばらくすると…、
ピンポーン。
「はーい。」
ドアを開けるとアリスちゃんとプリシラちゃんだった。やっぱり来たか。
部屋に招き入れ、紅茶とお菓子を出して上げたが、ふたりはもじもじしていてお菓子にも紅茶にも手を付けない。
「あいつらのことだろ?」
こくりと頷くふたり。
「逮捕とか少年院とか、散々脅したけどさ、おまわりさんに注意されて、家に連絡されて、親御さんに迎えに来てもらって終わりだよ。」
「「え?」」
「逮捕や少年院行きって脅されてもちゃんと自首するようなら、あの子たちも反省するかなって、そう思ったんだ。」
「ほんとに大丈夫?」
「大丈夫。逮捕されて少年院に行くのは、暴力で人に怪我をさせたり、物を盗んだりしたときだから。あいつらは君たちをぶったりした?」
「ぶったりはしてないけど…。」
「アリちゃんが肩を押された。」
「怪我はしてないよね。」
「してないです。」
「この後だけど、親と一緒に謝りに来ると思うよ。」
案の定、数日後に学校で謝罪の会が催され、クソガキども3人と、議員を筆頭に3人のクソガキどもの親たち、学校側からは副校長と担任が参加。
こちらからは、ジェニファーさんとニコルさんに加えて、なぜか俺も呼ばれたのだった。もちろん子供たちも。
クソガキ3人組、議員を含むクソガキどもの親たち、それに副校長も担任も、天使たちとアラサーママたちに、今回の一連の騒動をいじめ案件と認定し、外国人差別発言について、平身低頭しっかり詫びたのだった。
なお、議員からは再発させないとの誓約書、学校からは不手際に対する詫状を受け取った。学校は、忖度やら隠蔽やらは認めておらず、「それは誤解です。」と必死な面持ちで言うので、副校長の耳元で「これは貸しですよ。」と囁いてやった。
副校長が引きつっていたのは内緒だ。
で、学校からの帰り道。
「ジョージくん。今回はうちのプリシラがほんとうに世話になったね。ありがとうございました。」
「うちのアリスもよ。ジョージくんに言われた通り、学校に電話しといたんだけどね。結局ジョージくんに解決してもらっちゃったわ。ありがとうございました。」
「いえいえ、お隣のかわいい天使ちゃんたちへの、あのクソガキどもの暴言、絶対に許せなかったもので。」
「ジョージさん、ありがとうございました。」「ありがとうございました。」
天使たちもお礼を言って来たので、俺はふたりの天使の頭をポンポンと撫でてやった。
「「はうぅ。」」ふたりとも照れてる。かわいい。
そのあと俺の両手は、天使たちにがっちりホールドされたのであった。笑
この日の夕食は俺もお呼ばれして5人で外食。
すっかり打ち解けた天使ふたりは、俺の両隣の席を取って、苦笑いするママたちを向かいに追いやった。
食事中、終始両サイドから話し掛けられ、右を向いたり左を向いたり。右のアリスちゃんと話していると、左のプリシラちゃんが袖を引き、左のプリシラちゃんと話していると、右のアリスちゃんが袖を引く。
モテ期到来?笑
願わくば向かいに座ってる、美人で巨乳で脚が長くてスタイル抜群の、金髪碧眼もしくは銀髪紅眼のアラサーママたちにモテたいものだ。
夕食の最後には、天使たちが互いに呼び合っているように、俺も、アリちゃん、プリちゃんと呼ぶようになっていた。
また何かあったら気軽に相談してと言うことで、ジェニファーさん、ニコルさん、アリちゃん、プリちゃんとリャイーンを交換した。
ところで、アリちゃんとプリちゃんのふたりは、俺が4人目のリャイーン登録だと言う。お互いと、ママふたり、そして俺が4人目。
学校のクラスメイトの登録はないのな。
なんとなく学校で浮いてる状況を象徴している気がして、少し悲しくなった。こんなにかわいい天使たちなのに。
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メインの2作品はファンタジーで、ラブコメはこの作品が初めてです。
本日は1時間おきに5話投稿します。明日は19時から1時間おきに4話投稿します。
以下の2作品も合わせてよろしくお願いします。
「射手の統領」https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/541586735
「精霊の加護」https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№4 天使たち放置のケジメを小学校に付けさせる
自宅に戻るとすぐ、ふたりが通う学校に電話して、クソガキ3人と天使ふたりの担任に一部始終を話した。
「…と言う訳です。」
「子供たちのトラブルを仲裁して頂いたのはありがたかったですが、交番まではちょっと…。」
「やり過ぎですか?」
「やり過ぎと言いますか…もう少し穏便な方法でもよかったかと…。」
「いじめを子供のトラブルと言い換えて放置していた学校と担任を、教育委員会に通報しなかっただけでも、穏便に済ませたと思うのですがねぇ。」
「え?あ、いや、気付かずに申し訳ありませんでした。」おっと、教育委員会が効いたっぽい。笑
「気付かず?いじめ被害者である女子児童ふたりの親御さんから、それぞれ学校に相談の電話があったはずですけどね。」
「あ、いや、その、申し訳ありません。上ともよく相談して対処しますので、どうか穏便に。」教育委員会には通報するなってか。
「対処はもう済んでますよ。加害者の男子児童3人は交番から親御さんに引き渡されるはずですから。
ところでそのうちひとりの親御さんは議員さんだそうで。まさかとは思いますが議員の息子だから、指導で忖度したってことはありませんよね。」
「それは…ない…つもりでおります。」歯切れが悪い。忖度、してたな。苦笑
「いずれにせよ、学校側でもきちっと対処して頂かないと、不本意ではありますが教育委員会に通報することになりますからね。穏便に済ますかどうかは、そちら様の出方次第ですよ。お分かりですか?」
「それはもう、重々承知しております。」電話の向こうで担任がぺこぺこしてるのが眼に浮かぶな。笑
「ちなみに、きちんとした対応ですが、学校としてはどのようなものをお考えですか?」
「まずは事実確認ですね。双方の言い分を聞きませんと。」
「まあそうですね。議員への忖度なく公正に事実確認して頂けますよね?」
「もちろんです。」
「であれば、いじめ認定されることは確実ですから、こちらと致しましては、いじめ案件として学校から教育委員会に報告して頂くことと、いじめ加害者とその保護者の謝罪、もちろん議員も含みますよ。それと、うやむやにして隠蔽しようとした学校には、隠蔽を謀った事実と、議員への忖度について、文書での謝罪を求めます。」
「…。」
「お返事がありませんが、不同意ならそれでも結構です。先程、先生は穏便にと仰いましたが、必ずしも穏便に済ますことをご希望されているようではないようですね。」
「いえ、そんなことはございません。とにかく上と相談しますのでお時間を下さい。」
「私としましては、進んで事を荒立てる気はないんですよ。穏便に済ませられるように、賢明なご判断をお願いしますよ。」
「はい。」消え入りそうな声だ。
それからクソガキリーダーの父親の議員事務所に電話を掛けた。
議員さんは多忙だろうからいないだろうな。秘書に繋がればいいか。
やはり議員は不在で秘書が電話口で対応して来た。俺は、電話で対応してくれた秘書に、名乗ってからかいつまんで事情を話した。
「…という訳なんですよ。」
「とにかく事実確認をさせて下さい。」
「まあそうでしょうね。議員さんともなると、こう言う内容のいたずら電話なんかもあるのでしょうね。ちなみに俺、携帯から番号通知で掛けてますが、そちらで俺の番号、表示されてますよね。」
「はい。」
「それだけでもデマじゃないのは分かるでしょう。それと秘書さんは、今回いじめ騒動を起こした議員のクソガキ、あー、名前を知らないんでクソガキで失礼します。そのクソガキのことはご存知ですか?」
「存じております。」
「声は分かりますか?」
「一応分かります。」
「そうですか。では聞いて下さい。」記録した音声データを流した。
「どうです?」
「よく分かりません。似ている気もしますが、ちょっと違う気もします。すみません、確信は持てません。」声が上擦ってるよ。クソガキの声だと、認識してやがるな。
「ところで交番へは、クソガキを引き取りに行ったんですか?」
「こちらでは存じません。」
「まだ交番から連絡は来ていないんですか?」
「それについてのお答えはご容赦ください。」はいって言ってるようなものじゃん。
「こちらと致しませては、クソガキがいじめをしたことを認定しての謝罪、もちろん議員御自らお願いしますよ。議員ご本人から外国人差別の意識を持っていないことを、直接お聞きしたいですので。それと再発させないことの確約ですね。これには一筆頂きたいですな。議員直筆のご署名入りで。
それで矛を収めます。慰謝料だのなんだのと申す気は、毛頭ございませんから、その点はご安心下さい。」
「諸々確認の上、後日ご返答させて頂くと言うことでよろしいでしょうか?」
「構いませんよ。」
俺が電話を切ってしばらくすると…、
ピンポーン。
「はーい。」
ドアを開けるとアリスちゃんとプリシラちゃんだった。やっぱり来たか。
部屋に招き入れ、紅茶とお菓子を出して上げたが、ふたりはもじもじしていてお菓子にも紅茶にも手を付けない。
「あいつらのことだろ?」
こくりと頷くふたり。
「逮捕とか少年院とか、散々脅したけどさ、おまわりさんに注意されて、家に連絡されて、親御さんに迎えに来てもらって終わりだよ。」
「「え?」」
「逮捕や少年院行きって脅されてもちゃんと自首するようなら、あの子たちも反省するかなって、そう思ったんだ。」
「ほんとに大丈夫?」
「大丈夫。逮捕されて少年院に行くのは、暴力で人に怪我をさせたり、物を盗んだりしたときだから。あいつらは君たちをぶったりした?」
「ぶったりはしてないけど…。」
「アリちゃんが肩を押された。」
「怪我はしてないよね。」
「してないです。」
「この後だけど、親と一緒に謝りに来ると思うよ。」
案の定、数日後に学校で謝罪の会が催され、クソガキども3人と、議員を筆頭に3人のクソガキどもの親たち、学校側からは副校長と担任が参加。
こちらからは、ジェニファーさんとニコルさんに加えて、なぜか俺も呼ばれたのだった。もちろん子供たちも。
クソガキ3人組、議員を含むクソガキどもの親たち、それに副校長も担任も、天使たちとアラサーママたちに、今回の一連の騒動をいじめ案件と認定し、外国人差別発言について、平身低頭しっかり詫びたのだった。
なお、議員からは再発させないとの誓約書、学校からは不手際に対する詫状を受け取った。学校は、忖度やら隠蔽やらは認めておらず、「それは誤解です。」と必死な面持ちで言うので、副校長の耳元で「これは貸しですよ。」と囁いてやった。
副校長が引きつっていたのは内緒だ。
で、学校からの帰り道。
「ジョージくん。今回はうちのプリシラがほんとうに世話になったね。ありがとうございました。」
「うちのアリスもよ。ジョージくんに言われた通り、学校に電話しといたんだけどね。結局ジョージくんに解決してもらっちゃったわ。ありがとうございました。」
「いえいえ、お隣のかわいい天使ちゃんたちへの、あのクソガキどもの暴言、絶対に許せなかったもので。」
「ジョージさん、ありがとうございました。」「ありがとうございました。」
天使たちもお礼を言って来たので、俺はふたりの天使の頭をポンポンと撫でてやった。
「「はうぅ。」」ふたりとも照れてる。かわいい。
そのあと俺の両手は、天使たちにがっちりホールドされたのであった。笑
この日の夕食は俺もお呼ばれして5人で外食。
すっかり打ち解けた天使ふたりは、俺の両隣の席を取って、苦笑いするママたちを向かいに追いやった。
食事中、終始両サイドから話し掛けられ、右を向いたり左を向いたり。右のアリスちゃんと話していると、左のプリシラちゃんが袖を引き、左のプリシラちゃんと話していると、右のアリスちゃんが袖を引く。
モテ期到来?笑
願わくば向かいに座ってる、美人で巨乳で脚が長くてスタイル抜群の、金髪碧眼もしくは銀髪紅眼のアラサーママたちにモテたいものだ。
夕食の最後には、天使たちが互いに呼び合っているように、俺も、アリちゃん、プリちゃんと呼ぶようになっていた。
また何かあったら気軽に相談してと言うことで、ジェニファーさん、ニコルさん、アリちゃん、プリちゃんとリャイーンを交換した。
ところで、アリちゃんとプリちゃんのふたりは、俺が4人目のリャイーン登録だと言う。お互いと、ママふたり、そして俺が4人目。
学校のクラスメイトの登録はないのな。
なんとなく学校で浮いてる状況を象徴している気がして、少し悲しくなった。こんなにかわいい天使たちなのに。
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メインの2作品はファンタジーで、ラブコメはこの作品が初めてです。
本日は1時間おきに5話投稿します。明日は19時から1時間おきに4話投稿します。
以下の2作品も合わせてよろしくお願いします。
「射手の統領」https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/541586735
「精霊の加護」https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
応援ありがとうございます!
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