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プログラマー、魔法技術者に転職する
23.技術者近衛椿の矜恃
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いつもの場所で魔術を作っていると、レックくんがやって来た。
レックくんは私が砂地に書いた図をまじまじと見て首を傾げた。
「これ何?」
「魔術の設計図だよ。」
「魔術に形は無いのに?」
「中身の設計だよ。」
普段、ここまで細かく図を書いて残すことはまず無いし、今のところ私の職場では見た事もないけど、命が掛かってるし、今後のためにと頑張って書いている。
「レックくん、勉強したいの?」
レックくんはピクリと反応した。
今までの様子で気づいてたけど、本人がアクションを掛けるまで黙っていた。
「姉ちゃん、初めて魔術版とカード見た時、すっごく驚いてたよね。」
「うん。」
「姉ちゃんの国では、みんなどうやって魔法を使ってたの?」
「あんまり覚えてないけど、文字はもう少し小さかったかもしれないかも...」
「あれ、ひい爺ちゃんの時からずっと変わってないんだ。」
何年前から今の状況だったのかは調べてなかった。
100年単位のことだったなんて。
「多分もっと前からだ。俺はずっとおかしいと思ってた。ずっとずっと不便なままなんだ。姉ちゃん、もっと良くならないの?もっと文字が小さくなったり、長持ちしたり、できないの?」
私は答えに困った。ここでできると言ってしまうと、沢山のリスクが生まれる。
最悪レックくんや村の人達に危険が及んでしまう。
計画的に立ち振る舞わないといけないことだから、不用意には言えなかった。
「ごめんね。まだわからないの。」
「そっか...。」
いつも元気で走り回ってるレックくんが肩を落としている姿に胸が締め付けられた。
「姉ちゃん、今はサウルタイガーを売ったお金があるから、道具を買い替えたりできてるけど、姉ちゃんが来る前の村はこんなに綺麗な物ばっかりじゃなかったんだ。みんなボロボロの物使って、みんないつも腹を空かしてた。魔法を使うために、たくさんお金を使ってるからだよ。」
この村に来てから、ずっと自分のためにやってきた。
村のために何か作って恩返しができたらと思ってたけど、それも結局目標を作りたい自分のエゴだった。
山ほど魔術版と魔術カードを買って、周りも見ずに研究に夢中だった自分が恥ずかしくなった。
「魔法がもっと安くて気軽に使えたら、きっと、家族でお腹いっぱいご飯が食べれる。毎日なんて贅沢言わないから...」
「レックくん...」
泣き出したレックの背中を見て、私は技術者としての矜恃を思い出した。
私の矜恃は、使い手が本当に求める作品を最高の品質で作ることだ。
独りよがりのモノを作ったら矜恃に反する。
「レックくん、私頑張るよ。」
「姉ちゃん...?」
「問題が解決できるように頑張る。だから三日、時間を頂戴。」
レックくんのおかげで目が醒めた。
私はすぐに荷物を砂地に移して、毛布を借り、サンドイッチを作って、砂地に籠る準備をした。
魔管には激しい怒りを抱いた。
私の予想通り、利権を貪るためにわざと子供達にまでこんな苦しみを背負わせてるなら、技術者として到底許せるものじゃない。
私は決めた。
これが神様の意図であろうと無かろうと、私は命を賭して魔管と戦う。
技術者としての私の意思で。
レックくんは私が砂地に書いた図をまじまじと見て首を傾げた。
「これ何?」
「魔術の設計図だよ。」
「魔術に形は無いのに?」
「中身の設計だよ。」
普段、ここまで細かく図を書いて残すことはまず無いし、今のところ私の職場では見た事もないけど、命が掛かってるし、今後のためにと頑張って書いている。
「レックくん、勉強したいの?」
レックくんはピクリと反応した。
今までの様子で気づいてたけど、本人がアクションを掛けるまで黙っていた。
「姉ちゃん、初めて魔術版とカード見た時、すっごく驚いてたよね。」
「うん。」
「姉ちゃんの国では、みんなどうやって魔法を使ってたの?」
「あんまり覚えてないけど、文字はもう少し小さかったかもしれないかも...」
「あれ、ひい爺ちゃんの時からずっと変わってないんだ。」
何年前から今の状況だったのかは調べてなかった。
100年単位のことだったなんて。
「多分もっと前からだ。俺はずっとおかしいと思ってた。ずっとずっと不便なままなんだ。姉ちゃん、もっと良くならないの?もっと文字が小さくなったり、長持ちしたり、できないの?」
私は答えに困った。ここでできると言ってしまうと、沢山のリスクが生まれる。
最悪レックくんや村の人達に危険が及んでしまう。
計画的に立ち振る舞わないといけないことだから、不用意には言えなかった。
「ごめんね。まだわからないの。」
「そっか...。」
いつも元気で走り回ってるレックくんが肩を落としている姿に胸が締め付けられた。
「姉ちゃん、今はサウルタイガーを売ったお金があるから、道具を買い替えたりできてるけど、姉ちゃんが来る前の村はこんなに綺麗な物ばっかりじゃなかったんだ。みんなボロボロの物使って、みんないつも腹を空かしてた。魔法を使うために、たくさんお金を使ってるからだよ。」
この村に来てから、ずっと自分のためにやってきた。
村のために何か作って恩返しができたらと思ってたけど、それも結局目標を作りたい自分のエゴだった。
山ほど魔術版と魔術カードを買って、周りも見ずに研究に夢中だった自分が恥ずかしくなった。
「魔法がもっと安くて気軽に使えたら、きっと、家族でお腹いっぱいご飯が食べれる。毎日なんて贅沢言わないから...」
「レックくん...」
泣き出したレックの背中を見て、私は技術者としての矜恃を思い出した。
私の矜恃は、使い手が本当に求める作品を最高の品質で作ることだ。
独りよがりのモノを作ったら矜恃に反する。
「レックくん、私頑張るよ。」
「姉ちゃん...?」
「問題が解決できるように頑張る。だから三日、時間を頂戴。」
レックくんのおかげで目が醒めた。
私はすぐに荷物を砂地に移して、毛布を借り、サンドイッチを作って、砂地に籠る準備をした。
魔管には激しい怒りを抱いた。
私の予想通り、利権を貪るためにわざと子供達にまでこんな苦しみを背負わせてるなら、技術者として到底許せるものじゃない。
私は決めた。
これが神様の意図であろうと無かろうと、私は命を賭して魔管と戦う。
技術者としての私の意思で。
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