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副社長が連れてきてくれたのは、イタリアンのお店。
裏路地にあり、白の外壁にアンティーク調な扉が目を引く。
テラス席もあり、店内は広々として開放的だ。
気候や天気のいい日はテラスで食べるのもアリだな。
色にバラつきのある木目調のインテリアでまとめられた店内はカジュアルな雰囲気を醸し出している。
あたたかみのあるオレンジの間接照明が優しく灯り、すごく居心地がよく感じた。
話を聞けば、その店は副社長が手掛けたお店だった。
どうりでお洒落なはずだ。
もちろん料理も美味しくて、前菜のカルパッチョから肉料理、パスタにデザートまで美味しくいただいた。
しかも、普段飲まないワインをすすめられるまま飲み、私はフワフワしていた。
お店を出ようとしたら足元がふらついてしまい、副社長がとっさに支えてくれる。
「大丈夫?」
「すみません。だ、大丈夫です」
「もしかして伊藤さんはお酒弱い?」
「そんなことはないんですけど、普段ワインは飲んだりしないので」
「そっか。とりあえず、車まで歩ける?」
「はい」
副社長に支えられながら駐車場に止めていた車に乗り込んだ。
「すみません、副社長はお酒飲んでないのに私だけこんなになってしまって……」
副社長が運転している横顔を見ながら謝罪する。
私だけ酔っぱらってヨロヨロ歩くとか恥ずかしすぎる。
挙句、副社長に支えてもらわないと歩けないとか申し訳ない。
「気にしなくていいよ。逆にごめん、俺がワインをすすめてしまったから」
「いえ、私が調子に乗って飲んでしまったので」
「確かに美味しそうに飲んでたよな」
クスクスと思い出し笑いされ、恥ずかしさを誤魔化そうとお礼の言葉を口にした。
「今日はありがとうございました。料理もすごく美味しかったです」
「そういってもらえて連れてきたかいがあったよ」
優しい副社長の眼差しにドキドキしてしまう。
最初の頃は料理の味が分からないぐらい緊張していた。
お酒の力もあり、だいぶリラックスしてからは料理を味わうことが出来たんだ。
まさか、副社長と一対一で食事をする日が来るなんて想像もしていなかった。
会社の飲み会とかあっても、副社長と話した記憶がない。
私のことが苦手っぽいので、こちらから仕事のこと以外で話しかけたことなんて一度もない。
遠くから見つめるだけの存在だったのに、今日一日で人生が180度変わった。
こんな夢みたいなことがあってもいいんだろうか。
夢見心地で副社長と話していたら、車の揺れが気持ちよくなりだんだん瞼が降りてきた。
頭もカクっと前に倒れ、慌ててヘッドレストに頭をもたれかかる。
寝たら駄目だと思えば思うほど、睡魔というのは襲ってくるわけで。
「伊藤さん、家はこっち方面でいいんだよね?」
薄れゆく意識の中で副社長の言葉が聞こえた気がしたけど、それに答えることは出来なかった。
裏路地にあり、白の外壁にアンティーク調な扉が目を引く。
テラス席もあり、店内は広々として開放的だ。
気候や天気のいい日はテラスで食べるのもアリだな。
色にバラつきのある木目調のインテリアでまとめられた店内はカジュアルな雰囲気を醸し出している。
あたたかみのあるオレンジの間接照明が優しく灯り、すごく居心地がよく感じた。
話を聞けば、その店は副社長が手掛けたお店だった。
どうりでお洒落なはずだ。
もちろん料理も美味しくて、前菜のカルパッチョから肉料理、パスタにデザートまで美味しくいただいた。
しかも、普段飲まないワインをすすめられるまま飲み、私はフワフワしていた。
お店を出ようとしたら足元がふらついてしまい、副社長がとっさに支えてくれる。
「大丈夫?」
「すみません。だ、大丈夫です」
「もしかして伊藤さんはお酒弱い?」
「そんなことはないんですけど、普段ワインは飲んだりしないので」
「そっか。とりあえず、車まで歩ける?」
「はい」
副社長に支えられながら駐車場に止めていた車に乗り込んだ。
「すみません、副社長はお酒飲んでないのに私だけこんなになってしまって……」
副社長が運転している横顔を見ながら謝罪する。
私だけ酔っぱらってヨロヨロ歩くとか恥ずかしすぎる。
挙句、副社長に支えてもらわないと歩けないとか申し訳ない。
「気にしなくていいよ。逆にごめん、俺がワインをすすめてしまったから」
「いえ、私が調子に乗って飲んでしまったので」
「確かに美味しそうに飲んでたよな」
クスクスと思い出し笑いされ、恥ずかしさを誤魔化そうとお礼の言葉を口にした。
「今日はありがとうございました。料理もすごく美味しかったです」
「そういってもらえて連れてきたかいがあったよ」
優しい副社長の眼差しにドキドキしてしまう。
最初の頃は料理の味が分からないぐらい緊張していた。
お酒の力もあり、だいぶリラックスしてからは料理を味わうことが出来たんだ。
まさか、副社長と一対一で食事をする日が来るなんて想像もしていなかった。
会社の飲み会とかあっても、副社長と話した記憶がない。
私のことが苦手っぽいので、こちらから仕事のこと以外で話しかけたことなんて一度もない。
遠くから見つめるだけの存在だったのに、今日一日で人生が180度変わった。
こんな夢みたいなことがあってもいいんだろうか。
夢見心地で副社長と話していたら、車の揺れが気持ちよくなりだんだん瞼が降りてきた。
頭もカクっと前に倒れ、慌ててヘッドレストに頭をもたれかかる。
寝たら駄目だと思えば思うほど、睡魔というのは襲ってくるわけで。
「伊藤さん、家はこっち方面でいいんだよね?」
薄れゆく意識の中で副社長の言葉が聞こえた気がしたけど、それに答えることは出来なかった。
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