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3章:命を救う真っ赤な苺ゼリー
25話:レシピを見るんじゃ!
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スーパーにつくと二種類くらい苺ゼリーを見かける。
購買で売っていたのとは見た目が違く中に苺が入っていて、周りが透明のゼリーと苺とブルーベリーが混じったようなゼリーしかなかった。
購買みたいな真っ赤なゼリーじゃない。
どうしよう…。
こうなったら暁が言ってたように作るしかない。 僕はそう言い聞かせスマホでレシピを調べた。
天狐様は言っていた。 レシピさえあればどんな料理もできると! 僕はレシピを探し、出来るだけ似ているゼリーを選ぶと材料を買った。
念の為市販のゼリーも一つずつ購入しておく。 いつ来るかわかんないし! うん!
「ただいまー!」
「おぉ。 おかえり。 ほんでゼリーは買えたかのぉ?」
「それが…」
ありのままあったことを話すと天狐様は一瞬驚いた顔をしたあとやれやれと首を振った。
「なるほどのぉ…。 新汰も運がないの」
「自分でもそう思います」
「はぁ。 ほれ、苺ゼリー作るんじゃろ? 買ってきたものを見せてみぃ」
「あ、はい! こちらです!」
ダイニングテーブルで買ってきた食材を広げる。
そのまま腕捲りをし、エプロンをつける。
「ほぉ、これでゼリーとやらが作れるのかぁ! 面白い! どうやって作るのじゃ?」
「えっとこのゼラチンと苺、グラニュー糖とレモン汁、水でできるらしいです!」
「ほぅ。 で作り方は?」
「全部洗って混ぜて冷やすだけです!」
「簡単じゃな! レシピはどこにあるんじゃ?」
「え、混ぜて冷やすだけだし見る必要あります?」
「ばっかもーん!!!!」
「へ」
「新汰に何度も説明したじゃろ!!」
「は、はぃ!」
「もう一回言うからちゃんと聞くんじゃぞ!」
「はい!」
「ただ混ぜて冷やすだけと言えど混ぜる順番はちゃんとある。 それによって色んな目論見があるんじゃ! 筑前煮のときだってそうだったじゃろ? ただ切って煮込むだけじゃない。 火の通る順番があったりしたろ?」
「た、確かに」
天狐様と会った日を思い出す。
確かにあの日ただ切って煮込むなんてことはなかった。 小さい事でも手順があった。 それだけであんなにも美味しくなったんだっけ。
「だから初めて作るものは絶対にレシピを見るんじゃ!!」
「は、はい!」
「ほんでレシピ通りに作るんじゃ! 分かったか?」
「はい!」
僕は思いっきり頷き大きな声で返事をした。
購買で売っていたのとは見た目が違く中に苺が入っていて、周りが透明のゼリーと苺とブルーベリーが混じったようなゼリーしかなかった。
購買みたいな真っ赤なゼリーじゃない。
どうしよう…。
こうなったら暁が言ってたように作るしかない。 僕はそう言い聞かせスマホでレシピを調べた。
天狐様は言っていた。 レシピさえあればどんな料理もできると! 僕はレシピを探し、出来るだけ似ているゼリーを選ぶと材料を買った。
念の為市販のゼリーも一つずつ購入しておく。 いつ来るかわかんないし! うん!
「ただいまー!」
「おぉ。 おかえり。 ほんでゼリーは買えたかのぉ?」
「それが…」
ありのままあったことを話すと天狐様は一瞬驚いた顔をしたあとやれやれと首を振った。
「なるほどのぉ…。 新汰も運がないの」
「自分でもそう思います」
「はぁ。 ほれ、苺ゼリー作るんじゃろ? 買ってきたものを見せてみぃ」
「あ、はい! こちらです!」
ダイニングテーブルで買ってきた食材を広げる。
そのまま腕捲りをし、エプロンをつける。
「ほぉ、これでゼリーとやらが作れるのかぁ! 面白い! どうやって作るのじゃ?」
「えっとこのゼラチンと苺、グラニュー糖とレモン汁、水でできるらしいです!」
「ほぅ。 で作り方は?」
「全部洗って混ぜて冷やすだけです!」
「簡単じゃな! レシピはどこにあるんじゃ?」
「え、混ぜて冷やすだけだし見る必要あります?」
「ばっかもーん!!!!」
「へ」
「新汰に何度も説明したじゃろ!!」
「は、はぃ!」
「もう一回言うからちゃんと聞くんじゃぞ!」
「はい!」
「ただ混ぜて冷やすだけと言えど混ぜる順番はちゃんとある。 それによって色んな目論見があるんじゃ! 筑前煮のときだってそうだったじゃろ? ただ切って煮込むだけじゃない。 火の通る順番があったりしたろ?」
「た、確かに」
天狐様と会った日を思い出す。
確かにあの日ただ切って煮込むなんてことはなかった。 小さい事でも手順があった。 それだけであんなにも美味しくなったんだっけ。
「だから初めて作るものは絶対にレシピを見るんじゃ!!」
「は、はい!」
「ほんでレシピ通りに作るんじゃ! 分かったか?」
「はい!」
僕は思いっきり頷き大きな声で返事をした。
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