27 / 35
3章:命を救う真っ赤な苺ゼリー
25話:レシピを見るんじゃ!
しおりを挟む
スーパーにつくと二種類くらい苺ゼリーを見かける。
購買で売っていたのとは見た目が違く中に苺が入っていて、周りが透明のゼリーと苺とブルーベリーが混じったようなゼリーしかなかった。
購買みたいな真っ赤なゼリーじゃない。
どうしよう…。
こうなったら暁が言ってたように作るしかない。 僕はそう言い聞かせスマホでレシピを調べた。
天狐様は言っていた。 レシピさえあればどんな料理もできると! 僕はレシピを探し、出来るだけ似ているゼリーを選ぶと材料を買った。
念の為市販のゼリーも一つずつ購入しておく。 いつ来るかわかんないし! うん!
「ただいまー!」
「おぉ。 おかえり。 ほんでゼリーは買えたかのぉ?」
「それが…」
ありのままあったことを話すと天狐様は一瞬驚いた顔をしたあとやれやれと首を振った。
「なるほどのぉ…。 新汰も運がないの」
「自分でもそう思います」
「はぁ。 ほれ、苺ゼリー作るんじゃろ? 買ってきたものを見せてみぃ」
「あ、はい! こちらです!」
ダイニングテーブルで買ってきた食材を広げる。
そのまま腕捲りをし、エプロンをつける。
「ほぉ、これでゼリーとやらが作れるのかぁ! 面白い! どうやって作るのじゃ?」
「えっとこのゼラチンと苺、グラニュー糖とレモン汁、水でできるらしいです!」
「ほぅ。 で作り方は?」
「全部洗って混ぜて冷やすだけです!」
「簡単じゃな! レシピはどこにあるんじゃ?」
「え、混ぜて冷やすだけだし見る必要あります?」
「ばっかもーん!!!!」
「へ」
「新汰に何度も説明したじゃろ!!」
「は、はぃ!」
「もう一回言うからちゃんと聞くんじゃぞ!」
「はい!」
「ただ混ぜて冷やすだけと言えど混ぜる順番はちゃんとある。 それによって色んな目論見があるんじゃ! 筑前煮のときだってそうだったじゃろ? ただ切って煮込むだけじゃない。 火の通る順番があったりしたろ?」
「た、確かに」
天狐様と会った日を思い出す。
確かにあの日ただ切って煮込むなんてことはなかった。 小さい事でも手順があった。 それだけであんなにも美味しくなったんだっけ。
「だから初めて作るものは絶対にレシピを見るんじゃ!!」
「は、はい!」
「ほんでレシピ通りに作るんじゃ! 分かったか?」
「はい!」
僕は思いっきり頷き大きな声で返事をした。
購買で売っていたのとは見た目が違く中に苺が入っていて、周りが透明のゼリーと苺とブルーベリーが混じったようなゼリーしかなかった。
購買みたいな真っ赤なゼリーじゃない。
どうしよう…。
こうなったら暁が言ってたように作るしかない。 僕はそう言い聞かせスマホでレシピを調べた。
天狐様は言っていた。 レシピさえあればどんな料理もできると! 僕はレシピを探し、出来るだけ似ているゼリーを選ぶと材料を買った。
念の為市販のゼリーも一つずつ購入しておく。 いつ来るかわかんないし! うん!
「ただいまー!」
「おぉ。 おかえり。 ほんでゼリーは買えたかのぉ?」
「それが…」
ありのままあったことを話すと天狐様は一瞬驚いた顔をしたあとやれやれと首を振った。
「なるほどのぉ…。 新汰も運がないの」
「自分でもそう思います」
「はぁ。 ほれ、苺ゼリー作るんじゃろ? 買ってきたものを見せてみぃ」
「あ、はい! こちらです!」
ダイニングテーブルで買ってきた食材を広げる。
そのまま腕捲りをし、エプロンをつける。
「ほぉ、これでゼリーとやらが作れるのかぁ! 面白い! どうやって作るのじゃ?」
「えっとこのゼラチンと苺、グラニュー糖とレモン汁、水でできるらしいです!」
「ほぅ。 で作り方は?」
「全部洗って混ぜて冷やすだけです!」
「簡単じゃな! レシピはどこにあるんじゃ?」
「え、混ぜて冷やすだけだし見る必要あります?」
「ばっかもーん!!!!」
「へ」
「新汰に何度も説明したじゃろ!!」
「は、はぃ!」
「もう一回言うからちゃんと聞くんじゃぞ!」
「はい!」
「ただ混ぜて冷やすだけと言えど混ぜる順番はちゃんとある。 それによって色んな目論見があるんじゃ! 筑前煮のときだってそうだったじゃろ? ただ切って煮込むだけじゃない。 火の通る順番があったりしたろ?」
「た、確かに」
天狐様と会った日を思い出す。
確かにあの日ただ切って煮込むなんてことはなかった。 小さい事でも手順があった。 それだけであんなにも美味しくなったんだっけ。
「だから初めて作るものは絶対にレシピを見るんじゃ!!」
「は、はい!」
「ほんでレシピ通りに作るんじゃ! 分かったか?」
「はい!」
僕は思いっきり頷き大きな声で返事をした。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる