【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち

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【名有】不感症な受けは単なる開発不足でした♡

6話 甘い囁き

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─────そして、3日目の夜が来た。

そろそろ流石に下肢に触れられるだろうとソワソワし出した頃、浅海に言われたのは予想外のことだった。

「えー…と、これも確認なんだけど。気を悪くしないで聞いてね。………オナニーはどうしてる?」

「ど、どうって……」

どうもこうもない。しいて言うならば、あまり気持ち良くなくて、技術が拙いのか時間がかかってしまう事だろうか。いわゆるオカズ妄想をし、一人でテンションを上げるという王道方法がどうあがいても自分には難しい事もあった。摩擦の緩急で対応しているだけのようなものだ。

だからといってどこからどう、そう伝えればいいか。そもそも、言いなれない事柄なせいで、口にできないまま言葉が詰まる。

「ん-…と。後ろを刺激するのも大事だとは思うんだけど───前がちゃんと気持ち良くなる方法を知ってからのが円滑に運びやすいかなって」
「という事は……その、今日は……」
「うん。前を触っていこうかと思うんだけど、大丈夫?」

正直な所、困惑しているという気持ちがでかい。前日までの密着するだけの甘いひと時が、あまりにも心地よかったせいもあってか、ダイレクトな話題にどうしても抵抗感がある。もし、肌に直接触れられる段階が来れば、胸か、後ろのだと思い込んでいた。前は気持ち良くなれば、どう扱おうが関係ないと思っていた。

「後ろはね、最初は特に気持ち良くもなく痛くて苦しいと思う。だから、前を刺激して、気持ちを楽にしてあげる必要もあるし───気持ち良くなるポイントの確認は大事かなって」

返答に困っているこちらに配慮してか、浅海がそう言葉を続けてくれた。

「う……うん……、わかった」

浅海は、こちらの返答にホッとした様子を見せる。
言われてみれば大事といえば大事だし、浅海との信頼関係を築くためだと思えば、軽い羞恥心やプライドなど乗り越えていかねばならない。つまずいてはいられないのだ。

「明かり、テーブルランプだけにするね。暗い方が気持ち楽かもしれないけど……あんまり何も見えないのもわからなくなっちゃうから」
「……うん、いいよ、それくらいが丁度いいかも……」

確かに真っ暗な方が羞恥心としては楽だ。しかし、真っ暗すぎて、何をされるか予測できなさすぎるのも怖いと言えば怖い。かといって明るすぎても集中できなさそうだ。
………明かりをテーブルランプにし、薄暗い部屋の中でベットに二人。それはいつも就寝の時にあった事ではあるけれど、今は違う。妙にそれらしいムードのように感じて、思わず身体に余計な力が入っている事に気付く。

「じゃあ、今から触っていくよ?」
「……ん」

浅海の気遣いに少し安堵するも、緊張は拭えない。
不安と期待が混じり合っていて、感情がぐちゃぐちゃだ。それでも促されるままベッドに横になると、浅海はすぐにズボンに手を掛けず向かい合って添い寝で密着してきた。

「……すぐに、しないの?」
「深鳥の緊張がほぐれてから、ね。ほら肩、力入ってる」
「っぁ………」

浅海の手が肩甲骨のあたりを滑らかになぞっていくと、ビクンと跳ねてしまった。

「ふふ、深鳥、かわいい」
「や……そういうの、はずかしい……」
「………くち。いい?」
「ん……」

目を閉じて、了承の合図を送ると、浅海の唇がそっと触れてきた。やわらかい。触れては角度を変えて、もう一度。またある時は唇自体で、こちらの唇の形を確かめるように触れたまま角度をズラして。

「ちゅ、ん……ふ……」

触れるだけのキスは心地よくて、もっとして欲しくて浅海の首に腕を回す。すると浅海もそれに応えるようにこちらの背中に腕を回してきた。

「ふぁ……ぁっ」

欲しがっているのを察したのか、浅海はそろりと舌先を出して唇に触れる。唇に触れた舌先が、こちらの唇をなぞっていく度に、軽くぞくぞくとしたものが頭に甘い痺れを起こしていく。

「ん、ちゅ……ぅむ……ぁ」

こちらも舌先を出すと、待っていたと言わんばかりに浅海は絡めとっていき、ぬるぬるとした感触が気持ち良くてそのままお互いの舌先を擦り合わせあう。時に吸いあい、くちゅくちゅと水音を響かせて夢中に唇を貪りあっていると身体が熱くなっていく。
その熱が下半身に集まっていくのがわかって、むずむずとした欲求の赴くまま、気付いたら浅海の太ももにそっと自分のモノを押し付けてしまった。浅海はそれに気づいたのか気づかないフリをしているのかはわからないが、そのままキスを続けてくれていた。

「ぁ……ん」

キスをしながら、背中を撫でられるとゾクゾクとした感覚が止まらない。口づけが終わると、背中を撫でていた手がゆっくりと下へと降りていき───熱が集まったそこへと手を添えられた。

「よかった。気持ち良くなってくれたみたいで」

嬉しそうな浅海の声が耳元で囁かれて、背中から頭にかけてゾクゾクしたものが駆け抜ける。やっと浅海に反応できたことは嬉しいはずなのに、どこか恥ずかしくて、やっぱり居たたまれない気持ちがある。


浅海は布越しから、浮き上がったそこを確かめるようにそろそろと手を動かしていく。浅海の手の動きの度にじわりと濡れそぼっていくのがわかって息が詰まり、顔が熱くて、恥ずかしさから浅海の肩に顔を埋めて声を潜めた。

「………これから直接、触るからね?」

優しく努めている浅海の声が、どこか熱を孕んでいるように聞こえて、余計に煽られる。

「ん、ぅ……」

小さく頷くと、浅海の手がズボンと下着をずり下ろしていく。そして完全に脱がされると、反り返ったモノが外気に触れてピクンと跳ねた。浅海は直接そこに触れると、ゆっくりと上下に扱き始める。

「ぁっ……あっ」

待ち望んでいた直接的な刺激に声が抑えられない。それでも浅海はこちらの反応を見ながら手の動きを調節し続けてくれるので安心して身を委ねられる。

「んっ、ぁ……あッ」
「気持ちいい?」
「ぅん……っ、きもちぃ……」

浅海は扱く手を早めたり緩めたりしながら、こちらの反応を伺っている。その気遣いが嬉しい反面もどかしくもあり、もっと強くして欲しくて腰が揺れてしまう事に羞恥が込み上げてきた。しかし浅海は気にした様子もなく手を動かし続けているので、次第に理性が蕩けていく。

「ぁ……あッ、んんぅ……」

先走りの液で滑りが良くなり始めたのか、扱く手がよりスムーズになっていく。浅海は手の動きはそのままに、こちらの耳に顔を寄せてきた。そして耳たぶを唇で食むと吐息を吹きかけるようにして囁いた。

「……深鳥」
「っ!?」

ぞくりとしたものが背筋を駆け抜けていく。その感覚に驚いていると、浅海は耳たぶを唇で食んだり、舌で舐めたりと愛撫を続ける。

「ひ……ぅ……ぁ」
「声、我慢しないで……」

そう言うと浅海はこちらの耳に舌を差し入れてきた。ぬるりとした感触と共に水音が脳内に直接響いてくるようで、ゾクゾクとしたものが止まらない。そして同時に手の動きも早くなり始めていく。

「あッ……!はぁっ……!」

もはや扱くというよりも搾り取るような動きに、一気に絶頂へと上り詰め───。

「…………っくぅ……ぅ!!!」

ビクン!と腰が跳ねると、浅海の手の中に熱を吐き出してしまっていた。

「あ、………ご、め………」
「ん、大丈夫だよ……深鳥、かわいかった……」
「……っ、ぅ……」

浅海は慰めるように額にキスをしてくれた。はぁはぁと息が切れ、まるで全力で走り込んだかのような疲労感が押し寄せていた。浅海がしてくれたそれは、自分がしてきた行為の何倍も気持ち良くて、たまらなくて………まるで一瞬の出来事の様だった。

今まで自分ひとりで処理してきた事は退屈に感じてきた事もあり、相手がいても恐らく退屈なのだろうという思い込みがあった。楽しくもない行為を楽しく偽らなきゃいけないのだろうという不安と、徒労感の予測。でも、浅海との行為は、重ねれば重ねるほど、それはもっとその先へ行きたいと思うほど、自分のその思い込みを溶かして蕩けてるまま劣情への期待が膨らんでいくのであった───。
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