【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち

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【名有】不感症な受けは単なる開発不足でした♡

7話 灯は拡がり

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───4日目。

もうその日からは、日中でも気が緩むと浅海のことを考えて、身体がむずむずしまう癖がついてきてしまった。
今夜、どういう事されてもいい。浅海と触れ合えるならなんだっていい。もっと、もっと浅海に触れて欲しい。もっと、浅海に触れたい。

気付けば夜が待ち遠しくて仕方なくて、日中の時間が長く感じていた。

「それで………今日は、開発し始めようと思うんだけど。大丈夫……かな?」

待ち焦がれたはずの夜。浅海に道具一式を拡げられると、浮ついた気持ちが一気に現実に引き戻され、血の気が引いてしまっていた。こうする為に、する前、念入りに身体も清めてきたというのに。生々しい現実の壁は思ったよりも高い。
浅海はというと、申し訳ないような、嬉しそうな、落ち着かない様子でこちらの様子を伺っている。おそらく道具一式を見て、微妙な心境になっているのは伝わっているだろうと思う。これを乗り越える為に、今まで様子を伺いながら接触を慣らしてきたのだ。自分も、浅海も引っ込んでは前に進めない。

「………急がなくてもいいと思うから……無理なら今日も触るだけにする?」

「いや、やる。怖気づいたら怖気っぱなしだから、お願いする」

浅海は最近の進歩で割と満足しているのか、触りあうだけでも嬉しそうな顔はしている。けど自分の場合、違うのだ。今まで浅海に甘えて、ずっと何も進めなかった。だからやれる時にやらねば、一歩すら進めない。

「あ、あと、その。こういうのよくわからないし、どうなるかわからないから………本当に無理そうだったら途中で言う。次回でいけそうだったら……前向きお願いできるかな」

「う、うん。うん……!こちらこそ……宜しくお願いします……!」

ギクシャクと顔合わせのような礼をしあい、ただそれだけなのに既に身体が熱くて汗がにじんでいる。

「………じゃあ、いい、かな……?」

そう伺った浅海は明かりをテーブルランプだけにし、うす暗い部屋の中で、ゆるりとベッドへと押し倒してきた。呼吸を整える為にしばらくお互いの鼓動を感じていた。浅海の体温は、やはり落ち着くように思う。こうしているだけでも幸せだけど……でも身体の奥がどこか期待して、疼いている。不安がない訳じゃないけれど、もっと深く浅海を求めたい、求められたい。

浅海の手が、身体を確かめるようにそろりとまさぐり始める。服の擦れる音がやけに大きく耳に響いてくる。それに答えるようにこちらも腕を回して浅海の存在を確かめる。手から伝わる服越しの存在感と、体温、鼓動、呼吸、五感すべてで存在を感じる度に、どんどん余計な力が抜けていく。

「深鳥……」

名前を呼ばれると、それだけで身体の芯が熱くなる。鼻先がつくくらいに顔を向き合わせると、そっと唇を合わせる。

「ん……ふぅ……」

お互いの唇の感触を味わうように軽く押し付け、擦り合わせて、確かめ合う。浅海の吐息が咥内に入ると、心も温まっていくような気持ちになる。ちろりとこちらから舌先を出すと「っ…!」と、浅海は驚いたのか短く息を詰まらせる。そして、すぐに浅海も答えてくれるように舌先を絡ませてきてくれた。ぬるりとした暖かい舌が触れ合うと、溶けあっていくような気がして、一方が一方の唇を舐めたり、深い口づけをして咥内で舌を絡ませたり、ちゅうちゅうと吸っては唾液を混ぜ合わせていく。

ぼんやりと、これもセックスのひとつなのかな、と思う。お互いのものを擦り合わせて、混ぜ合わせて、気持ち良くなっていく。後ろでできるようになったら、もっと浅海と自分が混ざっていくのだ。そう思うと、不安よりも、期待と───芽生えつつある独占欲が膨らんでいく。

「んっ……ふぁ、ぁぅ……♡」

「ふふ、キスだけでそんなに蕩け顔しちゃうの?……はぁ……かわい……」


唇を離すと、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながらも、すっかり緊張感は抜けていた。

「ぁッ…!♡」

「ここも、ちゃんと気持ち良くなってるって教えてくれてるね」

下肢のふくらみに浅海の手が添えられただけで、ビクンと身体が跳ねる。それは驚きの反射ではなく、もっと触って欲しくて神経が過敏になっている反応なのは、身体に突き抜けていく甘い痺れが物語っていた。そこはもう先走りがにじみ始めていて、浅海の手が撫で始めるとみるみる下着が濡れていく。全体を撫でる動きから、指先で先端部分らしき場所をグリグリされると、それはどんどん溢れてきた。

「深鳥………脱がすよ」
「ん………」

ズボンをズラすと、濡れたシミがついた下着が露になる。今さらではあるけれど、それを晒すのが未だに慣れなくて恥ずかしくて目をそらしてしまう。浅海が焦らす様に下肢の周りを遠回りに撫でて、思わずこちらが腰が揺れてしまう姿に興奮して悦んでいるのが吐息の声色から伝わる。しばらくして、ようやく下着に手を掛けて下げると、熱を孕んだそれがぷるんと顔を出した。

その先端は先走りで濡れていて、浅海が指先で触れるとぬるりとした感触を返してくる。

「あっ……ッ!♡んんぅ……」
「すごい……ぬるぬるしていやらしい」

浅海の指先が優しく撫で回すと、それだけでもゾクゾクとした快感が駆け巡っていく。もっと触って欲しくて無意識に腰が揺れると、それを見計らったかのように裏筋をなぞりあげられた所で手が離れていった。

「あ………」
「ごめんね。イカせてあげたいけど……今日はこっちがメインだから、ね?」

離れていく手に名残惜しさを感じたまま、先走りでぬめった浅海の手が後ろの窄まりに指先が触れた。そこはまだ固く閉じられていて、果たして指なんて入るんだろうかと感じるほどだ。

「入れる時、力は入れたままで大丈夫だから………すごく痛かったり変だったりしたら、すぐ言ってね」

浅海はこちらを気遣いながらローションを手に取る。その様子に期待と不安を感じながら───改めて浅海の指先が窄まりに運ばれる。ローションを馴染ませるように円を描くように入口に擦り付けていく。ローションは心地良い温度で、浅海の気遣いを感じた。馴染ませていく動作は、くすぐったいような、違和感があるような、形容しがたい未知の体験を味わいつつも、熱をもった中心はまだ萎えてはいない。


「………道具と指、どっちにする?」
「……できるだけ浅海の指がいいな……」
「わかった。……小指でいけそうだったらそうする。難しそうだったら……道具の方にするかも」
「ん」

コクリと傾いて返事をした。道具とは、最初に拡げられていた一式のものだ。後ろ用の道具で、粒が連なったもの、細長い湾曲したものと様々だったが、無機質なモノよりも、できるだけ浅海に触れられていたい。

「ふ……ぅ……」

皮膚を軽く押しながらくるくると周辺を撫でまわしたり、窄まりを開かせるようにクリクリと弄られているうちに、マッサージと思えるくらいには刺激に慣れて、吐息も落ち着いてきた頃。浅海が「指、挿れてみるね」と掛けてくれた声にコクリと頷いて覚悟を決める。

「んっ……ぅ……」

ローションで濡れた小指が、ゆっくりと入口に沈められていく。異物感と抵抗感からくる痛みと圧迫感がやはりあって、呼吸が乱れ始め、その様子に浅海は呼吸を見て指を進める。浅い呼吸が、段々と落ち着いてくる頃、ぐぐ、と中まで入り込んでくる感覚があった。指の付け根まで入ると、そのままにして、浅海はあやす様に額に口づけをしてくれた。

「ん……ふ……」
「大丈夫?痛くない?」
「……だい、じょうぶ……」

たかが小指一本なのに、想像したよりも圧迫感と異物感に慣れない。気が付いたら前が萎えてきてしまっていた。ただこれだけなのに、脂汗が流れて髪が張り付いている。

「最初…だからね。今日は小指くらいだけにして、あとはイケたらイってみよう。前、触るよ」
「あ………」

浅海は小指を挿れたまま、前をもう一方の手で扱きだす。萎えてしまったそこを、優しくマッサージするようにゆるやかに扱きていくと、少しずつ芯を取り戻し始めると先端を指の腹で擦られるとビク、と腰が跳ねる。

「う……くぅ……んん……!」

先端から溢れてくる先走りを擦りつけて竿を扱き、時には裏筋をぐりぐり指の腹で擦り、根元を包み込んで刺激したあと先端まで長いストロークで扱かれ、どんどんと追い詰められていき腰が無意識に浅海の手に押し付けるようにカクカク動いてしまっていた。

「あっ……ぅう……!でちゃッ♡でちゃうぅ!♡ぃッ……ク……ッ!♡♡」

きゅうぅと浅海の小指を締め付けながら腰を浮かせ、浅海の手と自分の腹に白濁を飛び散らせると、糸が切れた人形のようにガタンと腰をベットに降ろした。

「ぁ、はぁっ♡……んんっ……イッ……たってばぁあ……ん♡」

果てて荒い呼吸を繰り返しているのに、浅海はその白濁を前に塗り付けるように刺激し続けていて小刻みにビクつかせてしまう。そんなこちらの様子に浅海はイタズラっぽく微笑むと、またキスを落としてくれた。
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