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9話

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慌ててスマホを手に取り家族からのメッセを確認すると

『2泊3日旅行してくるから後よろしくね。外出する時は鍵掛け忘れない!ちゃんと朝起きる! P.S.タツマくんにも伝えておいたけど迷惑かけないようにね』

そんなメッセが早朝時間に入っていたようだった。

「は~~~~~!?き、聞いてない!旅行?僕だけ置いて!?」
「マジなんも聞いてなかったんだ……」
「うう、いつもそうだ。なんの相談もなく唐突に決めて行っちゃうんだから……」
「ヨシヨシ、かわいそうに」
「うう~~~ありがとう………」

彼に抱きしめられ、そのまま頭をなでなでして落ち着かせてくれる。うう、なんてやさしいんだ……。好き……。


「て、ことは……家、しばらく自由って、こと……?」

「ん?」

彼がそわそわとした様子でこちらの様子を伺ってくる。その後に気づくまで少し時間がかかり、気づいた瞬間顔が沸騰した。

「え、えっ、それはそうなんだけど……!きゅ、急には心の準備が……!」

「俺さ、明日以降バイト入ってるんだよ。夜。ヤるなら今夜っきゃないと思う。ユーマは?」

「ぼぼぼぼ僕はべ、べつに予定なななないけど………」

「へへへ、動揺しすぎ。まー……あんまり気分乗れないなら仕方ないけどさ。どうする?」

「それは……それは……」

彼と二人きりで一夜を過ごす事はずっと願っていたものだ。しかし、色々心配なことがある。そもそも自信がない。自信がないからこっそり一人で自分を慰めてきたんだ。

でも、次いつ機会に恵まれるかわからないし、この機会を逃すわけにはいけない。

「……どう?ムリにとは言わないけど───」

色々心配なことはある。たとえどんなに仲が良くったって、身体の相性はどうしようもないだろう。なにより、こっそり自分でシて出来上がりつつある、この身体自体も引かれないか、ずっと不安だった。不安が募るほど、オナニーに耽ってしまった気がする。

長引けば長引くほど、きっとこのモヤモヤは膨らんでいく。あと自分でシてばっかじゃ変な癖もつきそうである。

そうとくれば────!

「し、しよう……」

「!」

「その、僕、わからない事ばっかだから……迷惑かけるかもしれないけど……!」
「それは俺も一緒だって。……へへ、そっか、じゃあとりあえず出来きそうな空気になればってくらいのハードルでお泊りすっか!」

「お、お、お泊り……!お泊り、だね……!」

やばい。既に期待と不安で胸がいっぱいで詰まりそう。どうしよう意識するようになってから二人っきりでお泊りって、そもそも初めてかも……!

「とりあえず今はガッコーいこか」

「あーッ……そうだったァー!」

「ははは、とりあえずテキトーに朝食作っておくから着替えてていいよ。パンでいい?」

「ありがとう助かる~~~お願いね!」

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