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8話

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自分の痴態を想像し、思わず頭を抱えて布団に入ったまま蹲る。起きたくない。彼に向ける顔もない。一人舞い上がって暴走してて情けない。彼には会いたいが会いたくない。でも会いたいけど起きたくないなあ……。

そういえば僕ってちゃんと後始末したんだろうか。
片付けした?
起きて部屋を見たらそこら辺に玩具転がってたりしてない?

流石にそんなの見たくないなぁ……

ガチャッ


「おっはよー!ユーマ!」

「ひぇぇええ!?」



いま一番会いたくて、会いたくなかった彼が、なんと僕の部屋に突っ込んできたのだ。

「いやー!見ないでー!僕を見ないでー!」

「ええ?突然どうしたの……」


そりゃそうだ。僕たちは幼馴染。お互いの部屋を行ったり来たりなんて珍しい事じゃない。けれど知られたくないプライバシーというものはある。ていうか今、僕の部屋どうなってるんだろう。見たくないし彼の顔も見たいけど見られたくない。


「ほら朝だぞ!起きろ起きろ」

「おお、起きるから、一旦あっち行っててばあ……」

なんでよりによって今日起こしに来るんだよー!いまとても普段通りに振舞えるだけのメンタルじゃない。とにかく一旦自分の状態を確認させてからにしてほしい。

幸いにも窓のカーテンはまだ開けられてはいない。太陽の光を遮り、薄暗い部屋ならワンチャン気付かれないまま流せるかもしれない。あとは如何に彼、タツマを部屋の外へ行ってもらうか───

「なんだよーお前そう言っていっつも寝坊してるじゃん。ほら布団取った取った!」

「あわわ、やめってったらー!」

そもそも服もちゃんと着ているのかわからないのに、布団を剝がされたくなかった僕に構わず彼は布団をはぎ取った。思わず咄嗟に身体を丸めるたもの……

「ほら、起きた起きた!太陽を浴びろ!」

シャッと朝日を遮ってカーテンも開けられ、周囲の視界が開けて目に入ってきたのは、普通に寝間着を着ている僕と、とくに乱れもしてない普段通りの部屋だった。

「あ、あれ……大丈夫だ……?」

ナニカしてた以外はまったく覚えていないが、どうやら昨夜の僕はきちんとする事はしていたようだ。ほっと一安心する。

「なんだよ、まだ寝ぼけてんのか?」
「ちちちち近いってばあ!」
「はは、目ぇ覚めた?」

うう、会いたいけど会いたかった大好きな人が寝起き直後で会うハメになるなんて。朝から刺激が強すぎる……。

「もーなんで今日は朝っぱらくるんだよ~~~……びっくりしたじゃん」
「なんでって……お前の親御さんから””たのむね!”"って言われたんだけど、聞いてない?」

「え?」

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