140 / 499
獣人国での冬
204:魔術具の講義
しおりを挟む
「いや~、それにしても、やっぱり家具のある家っていいわね!」
ケイノアがリビングにあるソファに寝そべりながらそんなことを言っている。
なんで俺の家なのに家主以上に寛いでんだろうな、こいつ。
「お前、自分の部屋に戻れよ。何のために部屋を貸してやってると思ってんだよ」
ソファーに横になっているケイノアを見下ろしながらそう言ったが、ケイノアは動く気がない様だ。
「え~、だって私の部屋にはまだ何にもないし~。……ってそうだったわ! ねえねえ、私の部屋はいつになったらベッドが届くの?」
「は? 何言ってんだ? お前のベッドなんて知るか。自分で確認しろ」
何で俺がこいつの頼んだものを知ってると思ったんだよ。そんなの俺が知るわけないだろうに。
「だって私どこに頼んだか知らないわよ?」
「……お前、それでどうやって注文したんだよ」
「へ? 私が注文するわけないじゃない。貴方がしてくれたんでしょ?」
は? 何言ってんだこいつは? 俺は家具を注文したが、それは俺とイリンの分だけだ。
「お前のベッドなんて注文してないぞ」
「……え? ……な、何でよ!」
「いや、何でって言われても……必要だと思わなかったから?」
元々ケイノアには部屋を貸してやるとは言ったが、身内判定はしてなかったので、家具を注文するときの意識の中になかった。
「必要に決まってるじゃない! 私はお客様よ!? お客様にこのまま床で寝ろって言う気なの!?」
考えてみれば、いろいろ理由はあるが、こいつは客人になるのか。確かに客を床で寝させるのはどうなんだ? って感じだな。……客にしては態度が大きすぎる気がするがな。
だがどうしたものか、今から注文したとしても、今度は割り込みなんて出来ないから完成はだいぶ先になるぞ。どうしたものか……
いや、待てよ。ベッドが無いわけじゃないか。
俺が家具を注文するにあたって、元々置いてあった家具は新しく作った物と雰囲気が合わなかったので、俺の収納の中に入っている。
本当はこれから旅する時に使おうと思ってたんだが、それをそのまま渡せば問題はない。新しい物と合わないと言っても、ケイノアに使わせるだけなら大丈夫だろう。
「確かにお前の言う通りだな。ベッドは用意しよう」
「ほんと!? ふ、ふふん! 良い心がけじゃない。まあ今回は許してあげ──」
「ただし、俺の願いを聞いてくれたら、だ」
最初からあった物とは言っても、折角だし活用させてもらおう。
「……願い?」
「そうだ。前に言っただろ? お前の知識が欲しいって」
「……そういえば、そんなことを言われたような気が、しないこともない、かも?」
……こいつはもう依頼の件のことを忘れてるのか?
「言ったんだよ。とにかく手伝え」
「面倒だけど、それでベッドが貰えるなら仕方ないわね。……ちゃんと用意してよ?」
「分かってるよ。……で、これなんだが、間違ってないか? それと、もっと効率化するにはどうすれば良い?」
ケイノアが寝そべるソファーの対面に俺が腰を下ろすと、即座に俺の目の前にお茶が置かれた。
俺はお茶を置いてくれたイリンに軽く頭を下げてから、以前設計した装飾品型収納具の設計図を収納から取り出してケイノアに渡す。
「……うっわ、何よこれ。作った奴バカじゃないの?」
受け取ったケイノアは、それを見ると途端に顔を顰めながらそう言った。
だが言葉には気をつけてくれ。今お茶を持ってきたイリンが、恐ろしい笑顔でお前の事を見てるぞ。
「……どこか間違いがあるのか?」
「いいえ、間違いは無いわ。ただ、詰め込みすぎね。見た限り問題は無いし、効率だけで言ったら結構いいけど……これ確認するのは目が疲れるわ。こうして見てるだけで嫌になってきたもの」
ああ、バカってそういう……。
俺の設計した収納の魔術具の設計図は、日本で見たときの集積回路の様に隅々まで書き込まれていて、かなりごちゃごちゃしている。実際作ってる時に自分でも何度か間違えた。
「……ふぅ~。ああ~、目が痛い~」
「お疲れさん。で、間違いとかはあったか?」
「無いわね。これ作ったのあんた? 結構やるじゃない」
作ったのは俺だが、元になった知識は俺たち勇者を喚んだ魔術師のものだから全部俺が作ったとも言い難い。まあそこに電子基板風アレンジを加えたのでこの世界のやつには作れないだろうし、俺が作ったと言ってもいいのだろうか?
「でもこれ、このままじゃ使い物にならないわよ。今普及してる収納の鞄の方が魔力の消費量的に使い勝手が良いもの」
「……そうか。どうすれば実用化まで持っていける?」
「その前に聞きたいんだけど、これ、契約は掛けないの?」
契約? この場合は俺が王国で王女とやった様に人と人を縛るものではないだろうな。でもそうすると、何と何を縛るものなんだ? 人と道具か?
「なんだ、契約って?」
「何言ってんのよ? 魔術具を効率的に使うための方法に決まってるでしょ? ……って、まさかこれも外では知られてないの?」
「ああ。少なくとも俺は知らない」
知識の元になった王国一の魔術師でさえ知らないんだから、そこらへんの奴が知ってるって事はないだろう。
「察するに、魔術具と人を契約で繋げて、契約者しか使えなくなる代わりに魔術具が強化される、もしくは消費魔力が減って使いやすくなるってところか?」
「ええ、分かってるじゃない。そこまで分かってるのに、ほんとにないの?」
「ああ、無いな。……で、肝心の方法は?」
俺が知ってるのは単なる漫画とかの知識だし。知識、というか経験から導き出される予測だ。
ケイノアは、イリンの出したお茶をズズーっと飲んでから一息つく。
「ふぅ……簡単よ。紙とペンちょうだい」
ケイノアは、サラサラとなんでもないかの様にそれなりに複雑な魔術を紙に書いていく。少なくとも俺はこれを見ないでかけって言われたら無理だ。
「これの上に魔術具を置いて契約者の血を垂らして魔術を起動させるの。それでおしまい。簡単でしょ?」
「なら先に魔術具を作らないといけないって事か」
「ええ。でも設計図はこれで良いと思うわよ。これ以上は細かく出来ないと思うし」
「そうか。ありがとう
「えっ、そ、そうかしら? ふふっ。……か、感謝するならベッドを寄越しなさい! それでいいわ!」
面と向かって感謝されたからか、どこか照れた様にそう言うケイノア。
「ああ、感謝してる。ベッドは部屋に持ってっとくよ」
俺はそれだけ言うと立ち上がり、ケイノアの部屋にベッドを置いてから自分の部屋に戻っていった。
ケイノアがリビングにあるソファに寝そべりながらそんなことを言っている。
なんで俺の家なのに家主以上に寛いでんだろうな、こいつ。
「お前、自分の部屋に戻れよ。何のために部屋を貸してやってると思ってんだよ」
ソファーに横になっているケイノアを見下ろしながらそう言ったが、ケイノアは動く気がない様だ。
「え~、だって私の部屋にはまだ何にもないし~。……ってそうだったわ! ねえねえ、私の部屋はいつになったらベッドが届くの?」
「は? 何言ってんだ? お前のベッドなんて知るか。自分で確認しろ」
何で俺がこいつの頼んだものを知ってると思ったんだよ。そんなの俺が知るわけないだろうに。
「だって私どこに頼んだか知らないわよ?」
「……お前、それでどうやって注文したんだよ」
「へ? 私が注文するわけないじゃない。貴方がしてくれたんでしょ?」
は? 何言ってんだこいつは? 俺は家具を注文したが、それは俺とイリンの分だけだ。
「お前のベッドなんて注文してないぞ」
「……え? ……な、何でよ!」
「いや、何でって言われても……必要だと思わなかったから?」
元々ケイノアには部屋を貸してやるとは言ったが、身内判定はしてなかったので、家具を注文するときの意識の中になかった。
「必要に決まってるじゃない! 私はお客様よ!? お客様にこのまま床で寝ろって言う気なの!?」
考えてみれば、いろいろ理由はあるが、こいつは客人になるのか。確かに客を床で寝させるのはどうなんだ? って感じだな。……客にしては態度が大きすぎる気がするがな。
だがどうしたものか、今から注文したとしても、今度は割り込みなんて出来ないから完成はだいぶ先になるぞ。どうしたものか……
いや、待てよ。ベッドが無いわけじゃないか。
俺が家具を注文するにあたって、元々置いてあった家具は新しく作った物と雰囲気が合わなかったので、俺の収納の中に入っている。
本当はこれから旅する時に使おうと思ってたんだが、それをそのまま渡せば問題はない。新しい物と合わないと言っても、ケイノアに使わせるだけなら大丈夫だろう。
「確かにお前の言う通りだな。ベッドは用意しよう」
「ほんと!? ふ、ふふん! 良い心がけじゃない。まあ今回は許してあげ──」
「ただし、俺の願いを聞いてくれたら、だ」
最初からあった物とは言っても、折角だし活用させてもらおう。
「……願い?」
「そうだ。前に言っただろ? お前の知識が欲しいって」
「……そういえば、そんなことを言われたような気が、しないこともない、かも?」
……こいつはもう依頼の件のことを忘れてるのか?
「言ったんだよ。とにかく手伝え」
「面倒だけど、それでベッドが貰えるなら仕方ないわね。……ちゃんと用意してよ?」
「分かってるよ。……で、これなんだが、間違ってないか? それと、もっと効率化するにはどうすれば良い?」
ケイノアが寝そべるソファーの対面に俺が腰を下ろすと、即座に俺の目の前にお茶が置かれた。
俺はお茶を置いてくれたイリンに軽く頭を下げてから、以前設計した装飾品型収納具の設計図を収納から取り出してケイノアに渡す。
「……うっわ、何よこれ。作った奴バカじゃないの?」
受け取ったケイノアは、それを見ると途端に顔を顰めながらそう言った。
だが言葉には気をつけてくれ。今お茶を持ってきたイリンが、恐ろしい笑顔でお前の事を見てるぞ。
「……どこか間違いがあるのか?」
「いいえ、間違いは無いわ。ただ、詰め込みすぎね。見た限り問題は無いし、効率だけで言ったら結構いいけど……これ確認するのは目が疲れるわ。こうして見てるだけで嫌になってきたもの」
ああ、バカってそういう……。
俺の設計した収納の魔術具の設計図は、日本で見たときの集積回路の様に隅々まで書き込まれていて、かなりごちゃごちゃしている。実際作ってる時に自分でも何度か間違えた。
「……ふぅ~。ああ~、目が痛い~」
「お疲れさん。で、間違いとかはあったか?」
「無いわね。これ作ったのあんた? 結構やるじゃない」
作ったのは俺だが、元になった知識は俺たち勇者を喚んだ魔術師のものだから全部俺が作ったとも言い難い。まあそこに電子基板風アレンジを加えたのでこの世界のやつには作れないだろうし、俺が作ったと言ってもいいのだろうか?
「でもこれ、このままじゃ使い物にならないわよ。今普及してる収納の鞄の方が魔力の消費量的に使い勝手が良いもの」
「……そうか。どうすれば実用化まで持っていける?」
「その前に聞きたいんだけど、これ、契約は掛けないの?」
契約? この場合は俺が王国で王女とやった様に人と人を縛るものではないだろうな。でもそうすると、何と何を縛るものなんだ? 人と道具か?
「なんだ、契約って?」
「何言ってんのよ? 魔術具を効率的に使うための方法に決まってるでしょ? ……って、まさかこれも外では知られてないの?」
「ああ。少なくとも俺は知らない」
知識の元になった王国一の魔術師でさえ知らないんだから、そこらへんの奴が知ってるって事はないだろう。
「察するに、魔術具と人を契約で繋げて、契約者しか使えなくなる代わりに魔術具が強化される、もしくは消費魔力が減って使いやすくなるってところか?」
「ええ、分かってるじゃない。そこまで分かってるのに、ほんとにないの?」
「ああ、無いな。……で、肝心の方法は?」
俺が知ってるのは単なる漫画とかの知識だし。知識、というか経験から導き出される予測だ。
ケイノアは、イリンの出したお茶をズズーっと飲んでから一息つく。
「ふぅ……簡単よ。紙とペンちょうだい」
ケイノアは、サラサラとなんでもないかの様にそれなりに複雑な魔術を紙に書いていく。少なくとも俺はこれを見ないでかけって言われたら無理だ。
「これの上に魔術具を置いて契約者の血を垂らして魔術を起動させるの。それでおしまい。簡単でしょ?」
「なら先に魔術具を作らないといけないって事か」
「ええ。でも設計図はこれで良いと思うわよ。これ以上は細かく出来ないと思うし」
「そうか。ありがとう
「えっ、そ、そうかしら? ふふっ。……か、感謝するならベッドを寄越しなさい! それでいいわ!」
面と向かって感謝されたからか、どこか照れた様にそう言うケイノア。
「ああ、感謝してる。ベッドは部屋に持ってっとくよ」
俺はそれだけ言うと立ち上がり、ケイノアの部屋にベッドを置いてから自分の部屋に戻っていった。
0
お気に入りに追加
4,060
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。