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嵐のごとく Ⅴ ⑨
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【運営side】
「いったい彼女は何者なんですか ?」
配信サービスやゲームマスターを兼ねている俺の部署のA子が聞いてきた。
「彼女、『ライジング・サン』のリーダー、ミルキーのリアルネームは『潮来天音』高校1年生だよ」
俺の答えに驚いているスタッフ達。
「本当に高校生なんですか?
凄いカリスマですよね、その上に凄い美人だ!」
「 というか、彼女のクラン『黄金の日日』のメンバーは美男美女の集まりじゃないか!
話題性もあるから、アゲハちゃんの配信で売り上げが上がるし感謝しないとな!」
男性スタッフの言葉にキレたA子が喚き出した。
「不公平よ! 『天は二物を与えず』じゃ無かったの!
二物も三物どこじゃ無いじゃないの!
神様は不公平よ!」
気持ちはわからない訳でも無いんだがなぁ~
真実を話したら、火に油どころかガソリンのような気がする。
言いたく無いが言わないと、
「 冷静に成って聞いてくれよ。
『風林火山』のメンバーと『眠れる羊たち』のメンバーの五人は、オーナー社長の大江戸家の御息女、御子息だ。
他のメンバーもウチのグループ会社の重役や関係者だから失礼のないように頼む」
それを聞いたスタッフは、一時的に大騒ぎに成った。
オーナーの関係者だからといって贔屓した訳でも無いのに、レアモンスターを従魔にしたり、攻略が難解なボスを討伐したり、ヒキが強すぎるんだよ!
持ってる奴は、何処までも持つと云うのか!
スタッフ達だって判ってはいるんだ。
俺達の悩みだった、PK集団を合法的に退場させてくれたんだからな。
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
【嵐side】
「『黄金の日日』に俺達『闇を切り裂く者達』を入れてください! 」
俺達と同じ年齢だろうか、また俺達のクランへの入団の申し込みがあった。
PK集団の討伐のようすをアゲハが配信したのを、きっかけにしてから入団希望するパーティーが増えてしまった。
もちろん断ったさ……妹たちが。
俺には交渉させて貰えなかったんだから仕方がないだろう!
妹たちの目は厳しいから新規入団は難しいだろうなぁ~。
面接は妹たちに任せて街を散策することにした。
今日のお供は、俺の従魔たちとシリウスだ。
散策ついでにシリウスの従魔を見つける手伝いをしてやるつもりだ。
サナダもギレンも副職にテイラーを選らば無いそうだ。
「ねえー、ねえー、ケンシン、ボク お腹が減ったから また奢ってよ !」
だんだん遠慮が無くなってくるな、はらペコ妖精め!
少しはタヌキチを見習え…………前言撤回、タヌキチの奴まで屋台の方を見て俺の服を引っ張り要求してきた。
まあ、日頃 世話に成っているから奢るのは良いんだが、タヌキチが見ていたのは プレイヤーが営業している屋台の肉まん屋だった。
このゲーム、本当に自由だよなぁ~。
冒険をしないで生産者に成る男性プレイヤーが多いんだよ。
飲食店から鍛冶師、服飾デザイナーから農民までと、さまざまだ。
さっそく肉まんを四つ買ってから、一つをタヌキチに渡すと嬉しそうに食べ始めた。
ベルには、肉まんが大きいので俺が手に持ったヤツにカブリついていた。
当然、もう一つは シリウスに渡した。
仲間だからな!
俺も肉まんにカブリつくと、熱くて肉汁が口の中に広がった。
凄いな、ゲームでここまで味覚を再現するなんて!
妹たちや星華たちが甘味を良く食べている気持ちが判る気がするな。
ゲームでは、カロリーを気にしないで沢山食べても太らないからな…………決して、口には出来ないけどな!
肉まんを食べ終わり、腹ごしらえを兼ねて散歩をすることにした。
アレ? そういえば何をしに街に繰り出したんだったかな? ……まっ、良いか !
そのうちに思い出すだろう…………後で後悔した俺だった。
シリウスの肩で小さなネズミがシリウスから千切って貰った肉まんを頬張っていたことに気がついたのは、パーティーハウスに帰った後だった。
「いったい彼女は何者なんですか ?」
配信サービスやゲームマスターを兼ねている俺の部署のA子が聞いてきた。
「彼女、『ライジング・サン』のリーダー、ミルキーのリアルネームは『潮来天音』高校1年生だよ」
俺の答えに驚いているスタッフ達。
「本当に高校生なんですか?
凄いカリスマですよね、その上に凄い美人だ!」
「 というか、彼女のクラン『黄金の日日』のメンバーは美男美女の集まりじゃないか!
話題性もあるから、アゲハちゃんの配信で売り上げが上がるし感謝しないとな!」
男性スタッフの言葉にキレたA子が喚き出した。
「不公平よ! 『天は二物を与えず』じゃ無かったの!
二物も三物どこじゃ無いじゃないの!
神様は不公平よ!」
気持ちはわからない訳でも無いんだがなぁ~
真実を話したら、火に油どころかガソリンのような気がする。
言いたく無いが言わないと、
「 冷静に成って聞いてくれよ。
『風林火山』のメンバーと『眠れる羊たち』のメンバーの五人は、オーナー社長の大江戸家の御息女、御子息だ。
他のメンバーもウチのグループ会社の重役や関係者だから失礼のないように頼む」
それを聞いたスタッフは、一時的に大騒ぎに成った。
オーナーの関係者だからといって贔屓した訳でも無いのに、レアモンスターを従魔にしたり、攻略が難解なボスを討伐したり、ヒキが強すぎるんだよ!
持ってる奴は、何処までも持つと云うのか!
スタッフ達だって判ってはいるんだ。
俺達の悩みだった、PK集団を合法的に退場させてくれたんだからな。
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
【嵐side】
「『黄金の日日』に俺達『闇を切り裂く者達』を入れてください! 」
俺達と同じ年齢だろうか、また俺達のクランへの入団の申し込みがあった。
PK集団の討伐のようすをアゲハが配信したのを、きっかけにしてから入団希望するパーティーが増えてしまった。
もちろん断ったさ……妹たちが。
俺には交渉させて貰えなかったんだから仕方がないだろう!
妹たちの目は厳しいから新規入団は難しいだろうなぁ~。
面接は妹たちに任せて街を散策することにした。
今日のお供は、俺の従魔たちとシリウスだ。
散策ついでにシリウスの従魔を見つける手伝いをしてやるつもりだ。
サナダもギレンも副職にテイラーを選らば無いそうだ。
「ねえー、ねえー、ケンシン、ボク お腹が減ったから また奢ってよ !」
だんだん遠慮が無くなってくるな、はらペコ妖精め!
少しはタヌキチを見習え…………前言撤回、タヌキチの奴まで屋台の方を見て俺の服を引っ張り要求してきた。
まあ、日頃 世話に成っているから奢るのは良いんだが、タヌキチが見ていたのは プレイヤーが営業している屋台の肉まん屋だった。
このゲーム、本当に自由だよなぁ~。
冒険をしないで生産者に成る男性プレイヤーが多いんだよ。
飲食店から鍛冶師、服飾デザイナーから農民までと、さまざまだ。
さっそく肉まんを四つ買ってから、一つをタヌキチに渡すと嬉しそうに食べ始めた。
ベルには、肉まんが大きいので俺が手に持ったヤツにカブリついていた。
当然、もう一つは シリウスに渡した。
仲間だからな!
俺も肉まんにカブリつくと、熱くて肉汁が口の中に広がった。
凄いな、ゲームでここまで味覚を再現するなんて!
妹たちや星華たちが甘味を良く食べている気持ちが判る気がするな。
ゲームでは、カロリーを気にしないで沢山食べても太らないからな…………決して、口には出来ないけどな!
肉まんを食べ終わり、腹ごしらえを兼ねて散歩をすることにした。
アレ? そういえば何をしに街に繰り出したんだったかな? ……まっ、良いか !
そのうちに思い出すだろう…………後で後悔した俺だった。
シリウスの肩で小さなネズミがシリウスから千切って貰った肉まんを頬張っていたことに気がついたのは、パーティーハウスに帰った後だった。
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