Make a happy home

鳴宮鶉子

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彼女と彼女の両親 side 理人

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『……理人くん、音羽の事を頼む』

音羽の強烈な母親と対照的に、存在感が全くない父親に俺はいつもそう声をかけられてた。
音羽の父親は、弁護士としては優秀で、時々テレビのコメンテーターとしても活躍してる人。
裁判ではビシッと言いきり、かなりの凄腕という評判だけど、音羽の母親には口で勝てない。
惚れた弱みなのか、音羽の父親の事を俺は頼りない人だと思い見下してた。

俺の親父もお袋に弱いが、仕事などで必要な事があれば母にビシッと伝える。
喧嘩にはならないけど、理屈っぽく正論を言い放ち、だが、最後はお袋に言い包まれる。
俺の教育に関し、教育熱心は親父とのびのび育てたいお袋は意見がぶつかった。
社長の器になるなら学歴がないと協力会社の社員や自社の社員に見られてしまうと、親父はお袋にでなく俺に対して学歴の必要性を語り、俺は言われた通りに、日本で最高峰の国立大附属大学と国立大学に進んだ。
俺にとって親父は逆らえない怖い存在
だったがお袋が親父から守ってくれて優しくしてくれたから救われてた。

音羽の父親は、音羽が母親から罵倒されてる時に、音羽の味方をし慰めるなりしたらいいのに、いつも近くにいても何も言わなかった。
だからか、音羽は家にいたがらず、常に俺の隣にいた。
お袋も音羽の強烈な母親をみて、音羽の家でおかれてる境遇を察し、音羽が俺の側に長い時間入れるように話をつけてくれた。

平日の午後10時に音羽を車で送り届けると、時々、音羽の父親が外で立って帰りを待ってた。

子供の事を大事に思っているが、あの母親のスパルタや行き過ぎたしつけを止められないでいた音羽の父親。
音羽が大学進学をせずにシンガーソングライターと小説家として活動したいと音羽が母親の敷いたレールから降りようとし、始めて母親に反抗した時も、激昂して音羽を罵倒する母親を止めなかった。
俺がお袋にこっそりLINE通話で中継し、お袋が駆けつけ、なんとか話をつけた。

お袋は18で俺を産んだから、高専もまともに通わずに卒業した。
学歴がない事を恥とは思ってない。親父以上にパソコンに関する知識が深く技術があり、発想力が優れていて、エブサイトはお袋が作り上げたビッグサイトだったりする。

俺のお袋が、音羽の母親に18で俺を産んで高専卒だけどまともに通ってなく、俺を育てながらエブサイトで働いてた事を打ち上げたら、音羽の母親は俺のお袋をバカにした視線を向けた。

だが、音羽が俺に嫁げばエブサイトの社長夫人という立場で副社長になれると思ったようで、俺のお袋に説得され、音羽の大学進学を諦めた。

だが、俺と俺のお袋に対して、『音羽の将来を保証して下さるんですよね?』と、結婚の意志の確認をされ、もちろん『大学を卒業したらすぐに結婚します。だから、音羽を自由にして下さい』と俺は即答し、お袋も『お嬢様を私の息子に嫁がせて下さい。大切に致します』と応えた。

音羽をこの両親か引き離して守ってやりたい。
高校を卒業し、すぐに俺は音羽と同棲を始めた。

不甲斐ない事にお袋に甘えて育ってた俺。
さすがにこの歳になると甘える事なんてできず、その反動もあり、音羽と同棲を始めてから音羽に対してかなり甘えが出てしまい、音羽が出ていってしまった。

音羽が自由になるには俺と結婚するしかない。

音羽に別れを告げられても、しつこいぐらいいいより、音羽の側にいた。

音羽に甘えるでなく、俺が甘えさせられる器にならないといけない。

ソミーで修行しながら親父にこき使われ、大学のレポートと課題でかなりいっぱいいっぱいの毎日で、結局はエブサイトの仕事は音羽に俺はお願いしていた。


シンガーソングライターとして成功を掴み、小説家としても注目され始めた音羽に、本気で愛想をつかれてしまうと焦った俺。

大学の側の2人で暮らしてたマンションから、音羽のマンションにパソコンなどを運び、一緒に暮らし始める。
リモート通信で仕事をし、大学も講義以外は音羽と住んでるマンションで取り組んだ。

大学で学ぶ事でわからない事があったら、ソミーの10歳年上のアメリカ帰りの桐嶋部長と7歳年上の東條専務が丁寧に教えてくれた。
ソミーのCEOとCFO夫婦と俺のお袋は顔見知りで、小学校時代によく遊んで貰ってた。
俺の事を弟のように可愛がってくれていて、1人っ子同士なのもあり、兄弟のように育った。

不甲斐ない俺だけど、成果を実らせてる音羽に負けてはいられない。

大学を卒業する時に、AIシステム開発で新技術を開発するか、エブサイトで新しいサイトを作る。

そのための準備を少しずつ、進めてる。音羽の側にいても、俺も音羽もお互いパソコンの画面を見ながら仕事をし、食事する時と疲れて寝落ちでベッドを共にするだけの関係になってしまってた。

身体の関係無しで、お互い全く干渉し合わないのに、とても居心地がいい。

だが、音羽の温もりを感じ、無性に抱きたくなる時もある。

だが、やらないといけない事が山積み状態で、音羽も真剣な表情でパソコンのキーボードを叩いていたから俺は我慢した。

気がついたら2ヶ月もの間、音羽とプラトニックな関係でいた。

だから、久しぶりに彼女をデートに誘い喜ばせたかった。

お袋に音羽を仕事でエブサイトに呼び出して貰って、偶然を装いま食事に誘う事にした。

桐嶋部長と東條専務が勧めてくれた品川グランドプリンセスホテルの水族館とディナーとちゃっかりプチスイートルームを予約した。

学生結婚していいかと、親父とお袋に聞いたら大学に通いながらエブサイトのシステム開発部の課長をするならいいと言われた。

親父にこき使われ鍛えられたのもありギリギリその器があると認められ、5ヶ月後の4月 1日《いっぴ》から俺は大学に通いながら、エブサイトのシステム開発部の課長になる事が決まった。

だから、俺は音羽にプロポーズする事にした。


いつもより元気がなかった音羽。
真っ暗な空間にデジタルアートが施され、水槽の中の魚達が幻想的にみえる。
水族館のアクアナイトカップルプランは限られた人数しか入館ができない。
だから、ゆっくりじっくり閲覧する事ができる。

カップルプランだから、客は若い年頃の男女で、手を繋いでたり、男性が女性の腰に手を添えてエスコートをしていて、そんな中、俺と音羽は隣にはいても微妙に距離感があった。

元々、俺と音羽はベタベタした付き合いはしてなかった。
手を繋ぎたいなと思い、距離を縮めると音羽の方から俺の右手を握ってくれた。
昔みたいに手を繋ぎ、耳元で囁きながら館内を観て周る。
夜のドロフィンのパホーマンスが終わると、最上階の三つ星レストラン 烈火に移動し、最上級のコース料理を愉しむ。
A5ランクの黒毛和牛の食べ比べに豪華な海鮮焼き。
音羽の誕生日は3月で、俺は9月。
本当はいけないけど、音羽にシャンパンとワインを勧めて飲ませた。

水族館館内で愉しそうに笑顔をみせてたけど、ときより、哀しそうな表情になる。

シンガーソングライターもしくは小説家稼業でなにかあったのかと思ったが、順調満帆に活躍をしてる。

だとしたら、音羽の両親がまた音羽とお袋に何か言ってきたのかもしれない。
結婚の急かしなら俺は喜んで受ける。
俺と結婚するよう強烈な母親から圧力をかけられ、音羽は嫌だけどするしかなく、それで落ち込んでいるのではないかと思い、プロポーズするつもりだったけどタイミングが悪い気がして躊躇する。

「音羽、今日は……このまま、このホテルで一緒に過ごしてくれないかな?アクアパークペアプランを予約してたんだ」

「……奏音さんからチケットを貰ったんじゃなかったの?」

「……お袋からと言ったら断れないと思って誤魔化した。音羽と関係を修復させたい。嫌、修復だけでなく、音羽、俺の奥さんになってくれ。俺、やっと親父に仕事が認められ、大学に通いながらエブサイトのシステム開発部の課長をする事になった。俺、心を入れ替えて仕事を頑張り、そして、音羽を支えるから、だから、俺と結婚して!!」

食事を終え、レストランの席を立つタイミングで音羽にプロポーズをした。

「……ありがとう。嬉しい。でも、結婚はまだ、先がいい。理人が大学を卒業したら結婚しよう」

断れはしなかったけど、俺が大学を卒業するまでは結婚しないと言われ、ガックリする。

大学院修士まではでるよう言われてるから4年待たないといけない。

でも、また恋人同士には戻る事ができてよかった。
手を繋いでプチスイートルームへ移動する。
久しぶりに音羽を抱けるから、俺は興奮して欲情に駆られ、部屋に入るなりに音羽の唇を奪い、熱いキスを落とす。
そして壁に追い込み、ワンピースの上からGカップの柔らかい膨らみを掴む。

「……理人、ガッつかないで!!シャワー浴びたい」

「……ゴメン、余裕ない。先に1回、やらせて。その後に一緒にお風呂に入ろう」

コートを脱がせ、ワンピースの背中のファスナーを下げ、音羽を下着とストッキングとパンプスだけの姿にした。

かなりエロい身体にガッつく。
2ダースの避妊具で足りるかなと鞄から箱を取り出し、中から3つほど真四角の個装されたゴムを床に投げる。

ジャケットを脱ぎ、シャツを脱ぎ、チノパンを脱ぐと、立ったまま音羽の身体を貪ぼった。


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