ベンチャー社長の元彼のヤンデレが異常過ぎる件

苦労人な彼女との出会い side 蓮

ノートパソコン、タブレット、持ち込みOKの中高一貫校。
中1からパソコン作成のレポート提出が課題であるのもあり、ノートパソコンを学校に持ち込む生徒は多い。

『パパったら、また納期気にせずファイブブッキングで仕事受けるんだから！！』

入学早々にノートパソコンのキーボードを鬼速でタイピングする変わった子、莉愛に、俺は魅了された。

母親が小学校入学してすぐに交通事故でなくなり、システムエンジニアの父親と2人暮らしをしている莉愛。
母親が亡くなってから、家事や料理だけでなく、AI開発によく用いられるPythonやSQLや、アプリ開発に必要なjavaやKotlinにSwiftなどのスキルを取得し、父のシステム開発の仕事も手伝っていた。
国立大学附属中高一貫校は都内最難関校。
近い事を理由に塾なし記念受験でギリギリ合格かもしれないが合格した莉愛を尊敬している。

中学生なのに親の仕事を手伝っている莉愛。
納期やトラブル対応で休憩時間や授業中もこっそり仕事をしていた。
だけど、レポート提出は期限内に完璧に熟し、試験もほぼ満点とっていた。

AI開発者を目指していた俺。

『パパ、学校の同級生が只働きでいいから、仕事手伝いっていい？」』

莉愛の仕事に興味があり、弟子入り志願をした。

授業が終わると莉愛の家にお邪魔して、システム開発の仕事を手伝う。
ロボコン部に在籍するも中1は帰宅部多数。
生産技術ロボットのシステムやECサイトの構築など、専門性が必要なシステム開発の仕事に携わった。

『蓮、ご飯食べてく？』

『食べてく』

給料代わりの莉愛の手料理。
両親が共稼ぎで母親がまともに両親作らないから、莉愛の手料理を食べた事がなかったから嬉しかった。

『……蓮、上野さんと付き合うの』

『付き合わない。莉愛が俺の彼女になって』

莉愛と付き合い始めたのは、俺がクラスの女子に告白された事に莉愛が嫉妬した事がきっかけだった。

家事と父親の仕事の手伝いで放課後は潰れる。
流行にもついていけず、同級生の話にもついていけず、コミュニケーションが取りにくい。
常に莉愛の側にいて、莉愛のナイト役を俺はしていた。



『佐久間くん、莉愛を養って幸せにしたいなら、両親と先生が言う通り、シリコンバレーへ行ってスタンフォード大学へ通うべきだと思う』

莉愛の親父さんに病室で言われた言葉。

『佐久間くんが成功して戻ってくるまで、莉愛と待っている。応援している』

目標達成し、莉愛を迎えにいき、『自然消滅してる』と言われたショック。

莉愛がいたから、今の俺がいる。